流されノンケサラリーマンが年下大学生にとろとろにされる話

えつこ

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3.さんかいめ

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 キヨは騒がしい居酒屋の狭い通路を歩いていた。トイレを済ませ、テーブルに戻ろうとするも、個室や半個室が所狭しと並ぶ店内は迷路のようで、もともとの方向音痴と店内の薄暗さも相まって彷徨っていた。
 つまらない飲み会に、このまま帰ってしまおうとすら感じていたが、お気に入りのモッズコートを置いて帰るわけにはいかない。店に入ってきた時の記憶を呼び起こしながら、通路を戻ろうと振り返ったところで、肩に軽い衝撃を受ける。
「って、すいません」
 謝罪の言葉に、キヨは人とぶつかったことに遅れて気づく。キヨが完全に振り返ると、そこにいたのは麻琴だった。麻琴はぶつかったことでバランスを崩し、後ろを歩いていた野中に抱き止められる体勢になっている。キヨは驚きで目を見開いた。麻琴もキヨに気づき、同じように目を見開く。思わぬ再開に、二人は見つめ合ったまま、動けなくなった。
「おい、高坂、いつまで俺に凭れかかってるんだ」
「え、あ、すいません」
 麻琴は慌てて野中から離れると、勢いがつきすぎて、今度はキヨの方へと倒れむ。偶然とは言え、キヨの腕の中におさまってしまった麻琴は、ふいに吸いこんだキヨの匂いに鼓動が跳ねた。そのまま抱き着いていたいと思ったが、麻琴は我に返り「すいません」と答えてキヨから離れた。跳ねる鼓動に居たたまれなくなった麻琴は、「トイレ行ってきます」とだけ言い残し、狭い通路を一人で歩いていった。残されたキヨと野中は麻琴を見送ることしかできなかった。
「ほんとにすいません。そそっかしい奴で」
「いえ、大丈夫です」
 気まずい雰囲気の中、野中は社交辞令で謝り、キヨは愛想笑いで返す。野中はキヨの風貌をちらりと確認した後、会釈して通路を歩みだした。今しがた麻琴と野中は一緒にトイレに行ってきたところだったため、あいつは何度トイレに行くつもりだろうと野中は首を傾げた。
 最後に一人で残されたキヨは、通路の左右を確認して、自分がどういう状況だったかを思い出す。どうせ急いで戻る必要はないのだと、個室に戻ることを諦め、麻琴を追いかけるためにトイレに戻ることにした。




 麻琴はトイレに逃げ込み、鼓動を整えるために深呼吸をした。幸い誰もトイレを使用していない。居酒屋のトイレは男女別になっており、個室が一つと小便器が二つ備えてあった。居酒屋にしては綺麗な内装で、掃除も行き届いている。
 麻琴は洗面台の鏡に映る顔を確認した。熱い頬を軽く叩き、速い鼓動を落ち着かせるために深く呼吸をしていると、トイレのドアががちゃりと開いた。入ってきたのはキヨで、洗面台の鏡の中で二人の視線が交わる。麻琴は慌てて振り向き、キヨと対面した。
「久しぶり、偶然やな」
 麻琴は挨拶をした。声のトーンは明るくするように努めたが、視線が泳ぐ。キヨの顔を見ればセックスしたくなるのはわかっていたからだ。欲望にまみれていることを恥ずかしく思いながら、麻琴は無意味にトイレの床や壁に視線を走らせた。
 キヨは無言だが、肉食獣のような獰猛な視線で麻琴を見つめていた。キヨのイライラとムラムラは最高潮に達していた。
「麻琴」
 キヨに呼ばれ、麻琴はおずおずと視線を合わせる。キヨの視線に捕らわれて、麻琴の鼓動は跳ね、身体の中で熱が暴れだす。
 薄い笑みを湛えたキヨは、麻琴に近づき、そっと抱きしめた。キヨの匂いと温かさに包まれた麻琴は、心地よさに身体を委ねる。キヨは麻琴の顔を上げさせると、唇にそっとキスを落とした。角度を交わして軽いキスを繰り返していた二人だが、徐々に口づけは深くなっていく。
「っ、……んぅ、キ、ヨ…っ……」
 キヨの手が、麻琴の身体をスーツの上からまさぐる。尻を揉みしだき、背骨をなぞると、麻琴はびくびくと身体を震わせた。麻琴自身に急速に熱が集まり、下着の中でゆるく勃ちあがる。それはキヨも同じで、お互い布越しにぐいぐいと性器を押しつけ合った。
 二人はもつれるようにして、トイレの空いた個室へと入る。キヨは麻琴にキスをしながら、後手でドアの鍵を閉めた。二人が口づけを交わす水音と荒い呼吸、布が擦れる音がトイレに響く。忘年会シーズンの居酒屋のトイレという、いつ誰が来てもおかしくない状態に、麻琴は危機感を抱いていた。しかし、それはキヨのキスでどんどんと薄れていく。キヨが麻琴の唇を解放したときには、麻琴の表情はすっかり蕩けていた。酒も相まって、頬は赤く上気し、唾液で濡れた唇がいやらしく光る。
「くそ」
 キヨは小さく悪態をついた。このままセックスしたい気持ちもあるが、さすがにここでは無理だ。しかし、身体の熱は発散したい。キヨは考えた末、麻琴を後ろ向きにさせ、個室の壁に手をつかせた。そして、麻琴のベルトを外し、スラックスと下着を下ろすと、麻琴自身を取り出した。急に性器が外気に触れ、麻琴は我に返る。
「ちょっ、キヨ、あかんって」
「ごめん、我慢できない」
 耳元で聞こえるキヨの声は切なげで、麻琴は背筋がぞくぞくした。キヨはデニムパンツと下着をずらし、性器を取り出す。先走りで濡れたキヨ自身は、熱く滾っていた。
「麻琴、足閉じて」
「なに、して……」
 麻琴の閉じた両足にキヨは性器を差しこむ。太ももの内側と睾丸の真下に、ぬるりと熱い怒張を感じ、麻琴は小さく喘いだ。キヨが腰を動かすと、性器同士が擦れる。


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