はきだめで歌うラブソングを君に

えつこ

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3.これから先の話をしよう

10 *

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「あ、おくっ、っああ、あっ」
 ベッドの上で、俺は四つん這いになっていた。後ろから音さんに突き入れられ、身体が揺さぶられる。音さんの手は俺の腰を固定しているため、俺は逃げることができず、ただ快感を享受するしかできない。
「ハルタ、気持ちいい?」
「っあ、きもち、いいっ、そこぉ、だめ、ああっ」
「ここ?」
「ああっ、あ、きもち、い、っあ」
 音さんが俺の気持ちいいところを重点的に突く。たまらなく気持ちよくて、喘ぎ声が止まらず、俺はずっと口を開けた状態になっていた。酸素を求めるが、突き入れられるたびに、酸素が逃げていく気がした。俺自身は精液混じりの先走りをシーツに垂らす。
「おとさん、あ、ああっ、いいっ、きもちいいっ」
「ハルタの中、熱くて絡みついてきて、気持ちいい」
「あ、言わない、でっ、ああ、あ、あっ」
 言葉にされると、腹の中の音さん自身を意識して締め付けてしまう。それでさらに性器の存在を感じて、興奮した。音さんはリズムよく突き入れ、肌同士が当たる音がパンパンと部屋に響いた。徐々にそのスピードが速くなって、抽挿が激しくなる。
「あっ、まって、はやっ、ああっ、ひぁっ」
 俺はシーツを掴むが、突き入れる勢いに負けて、上半身がベッドに落ちる。臀部だけを高くあげている状態になり、それを恥ずかしく感じたが、思考はすぐに熱く流されていった。
「っ、ああ、きもちい、おく、もっと、欲しっ」
「っハルタ……」
 音さんの荒い息遣いが背中に落ちる。ベッドがギシギシと軋み、結合部はぐちゅぐちゅと音を立てた。乱暴に近い抽挿だが、音さんとセックスしていることを身体に刻みつけられているようで、嬉しかった。積み重なった快感が、俺を絶頂へと押し上げる。
「ああっ、また、イくっ、あ、おと、さんっ」
 俺は音さんに訴えるように振り返る。そこには、野獣のように瞳をぎらつかせた音さんがいて、俺は背筋がぞくりとした。今日のライブの最中に見た瞳と同じだ。俺は本能を剥き出しにした音さんに、どうしようもなく惹かれる。
「ハルタ、イっていいよ」
「おとさっ、ん、あ、ああっ、イく、っ、っあああ」
 最後は奥を抉られて、俺はメスイキをした。身体がふるりと震えるが、俺自身は射精していない。下半身の快感が脳を蕩けさせ、全身の皮膚がひりつく。俺はベッドに突っ伏して、快感に浸った。
「ハルタ、もうちょっと」
 音さんの声が聞こえ、俺は顔をあげる。腰を掴んだ音さんの手に力が入った瞬間、もう一度突き入れられた。その衝撃は頭を殴られたようで、俺の全身はびくんっと跳ねた。
「っ、ひぁっ、まって、イって……」
「ハルタっ」
「ああっ、おと、さ、あ、っもう、むり」
 達したばかりの体に、追い打ちをかけられ、俺は苦しさを感じる。シーツにしがみつき、首を横に振って拒否するが、音さんは止まらない。しかし、身体は快感に従順で、すぐに俺の口から甘い声が溢れた。
「あ、ああっ、きもちいっ、ひあっ、あ」
 何度も突き入れられ、俺は自然と涙が溢れた。ずっと絶頂が続き、また頭の中が真っ白になる。
「ハルタ、俺っ……」
 吐息混じりの音さんの声に、俺は音さんの絶頂が近いことを悟る。
「お、とさんっ、なかっ、あっ、だして」
「あんまり、っ、可愛いこと言わないで」
 ゴムは使用しているのに、中出しされたくてたまらなかった。基本的に音さんとはゴムをつけてセックスしていたが、たまに生ですることもあった。意識的に中を締め付けると、音さんはそれをこじ開けるように突き入れてきた。
「中、すごい締まる」
「ぁっ、おく、あっ、いいっ、きもちいいっ」
「ハルタ、出すから、受け止めて」
「ほしいっ、あぁっ、なか、だしてっ、あ」
 音さんは俺の腰をぐっと掴む。後ろ、つまり、音さんのほうに引き寄せられたと思ったら、ばちゅんと勢いよく奥を穿たれる。
「っ、ひぁっ、あああっ」
 背筋から脳へと快感が走り抜ける。何度目かわからない中イキに、俺の身体はびくびくと跳ねた。
 ゴム越しに音さんの熱い飛沫を感じて、腹がきゅんと疼いた。気づけば俺自身も射精していて、だらだらと精液を吐き出していた。
「ハルタ」
 音さんの優しい声が背中に落ちる。余韻を漂いながら振り返ると、音さんが顔を寄せてきた。音さんに覆い被さられるような体勢になり、ぐっと下半身が押し付けられる。それだけで俺は小さく喘いでしまった。
「泣いてる?痛かった?」
 俺は首を振る。「違います」と言葉を発したつもりだったが、喘ぎすぎたせいで、声がうまく出なかった。その分、目で語るように、じっと音さんを見る。すると、音さんはふはっと笑って、俺を後ろから抱き上げた。
「ハルタ、次は顔見てしよう」




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