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「我慢できないから、早く」
 璃真の切なげな声に、俺はローションを手に取り、璃真の後孔と俺自身を濡らす。俺自身は数回扱くとしっかり勃ちあがった。濡れた亀頭を後孔に宛がい、先端を軽く挿れると、むちゅっと後孔が吸いついてくる。それがおもしろくて、浅く抽挿を繰り返す。
「大和、っ、焦らすなよ」
 璃真は頬を上気させ、欲で瞳を濡らし、俺を見つめる。俺は熱い息を吐いて、ぐっと腰を進めた。
「っ、あっ……、大和……」
 亀頭をねじ込み、ずぶずぶと深くまで挿れていく。粘膜同士が触れ合って、熱く、生々しい感触に、めまいがしそうだ。肉壁が搾り取るように絡みついてきて、締めつけがさっきよりも強い気がした。奥の壁に亀頭が当たった時点で、俺は腰を止める。
「大丈夫?」
 璃真の様子を伺うと、璃真は小さく頷いた。璃真は幸せそうに微笑んでいて、俺は微笑み返す。
 先ほどは勢いのまま欲をぶつけてしまったが、今度は璃真を気持ちよくさせたい。そう決めて、俺は腰を引いた。内壁は出ていかないでとばかりに、縋るように締めつけてくる。それを振り払って、まずは浅く抽挿し、前立腺を重点的に刺激する。
「っあ、やまと、あっ、そこっ」
「気持ちいい?」
「きもち、いい、あっ、ああっ、あ」
 亀頭で捏ねるようにして前立腺を突くと、璃真の身体はびくびくと震えた。抜くときはカリで引っかけて、挿れるときは亀頭で圧し潰す。それを繰り返していると、璃真は甘い声を上げ、背中を反らせた。
「そこ、ばっかり、ああっ、あ、だめっ」
「なんで?」
「きもち、いいから、あっ、だめ、へんに、なるっ」
 璃真は喉を晒して、首を横に振る。口では嫌がっているが、表情は蕩けているため、そのまま続ける。俺は晒された喉に優しく噛みつき、舐め上げる。汗の味がした。内壁はぎゅうぎゅうと絡みついてきて、璃真の足先はシーツの上でもがいた。
「ああっ、やまと、だめ、あ、あっ、っ、あああっ」
 一際大きく喘いだと思うと、璃真の身体はびくんと跳ねた。同時に、中がうねる。俺は内壁の締めつけから逃げるために腰を引き、射精をやり過ごす。璃真自身は射精しておらず、こぷりと先走りを零しただけだった。璃真は息を荒げ、ぼんやりと俺を見上げる。絶頂を漂っている璃真の放つ色気に、俺は我慢できなかった。待つことができず、ゆっくりと腰を進める。
「っあ……、あ……、やまと……」
 璃真ははふはふと呼吸しながら、俺の名前を呼ぶ。舌足らずな口調が可愛くて、俺はちゅっと軽くキスをした。そして、まだ絶頂の中を揺蕩っている璃真の奥へと突き入れる。
「まって、っ、おく……」
 蠢く内壁をこじ開けるように、勢いよく腰を打ちつけた。
「ひぁっ」
 璃真は再び背中を反らし、大きく目を見開いた。俺は璃真の腰を掴み、もう一度突き入れた。最初はゆっくりと、徐々にスピードを上げていく。
「ああっ、あ、おく、あっ、いいっ」
 璃真の細い腰はくねり、薄い腹のほくろが淫らに揺れる。甘い声はひっきりなしにもれ、飲み込めなかった唾液が顎を伝った。
「おく、きもちいっ、あ、あっ、やまとぉ」
 奥の壁を突き入れるたびに、璃真は淫な表情を晒す。呼応するように、中の締め付けが強くなり、俺の射精感は募っていく。
「璃真、俺、っ」
「だして、あっ、なかっ、ほしい、あ、から」
 恋人の可愛いおねだりに、俺は腰の動きを速くする。ぐぽくぽ、ぐちゅぐちゅと抽挿音が激しくなり、ベッドは軋む。
「やまと、あっ、ああっ、おく、っああ」
「璃真、イって」
「っあ、イく、からぁ、やまと、イく、っ、ああっ」
 奥の壁をごちゅんっと突くと、璃真は身体を跳ねさせた。急速に締まる内壁に、俺自身は先端から根元まで搾り取られる。抗うことなく、璃真の中に白濁を吐き出した。柔らかく熱く絡みついてくる肉壁が気持ちよくて、熱い息を吐いた。射精しながら、ゆるゆると腰を動かし、奥に亀頭を擦り付ける。精液を塗りつけるような行動は、半分無意識だった。



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