先輩、それなら俺が恋人になります!

えつこ

文字の大きさ
上 下
43 / 50
6.

7 *

しおりを挟む



「っあ、きもちいっ……あっ……、やまとっ」
 璃真は俺が動くたび、可愛い声を上げ、身体を震わせた。最初はゆっくりと、馴染ませるように腰を動かす。そして、徐々にスピードを上げていく。俺は繋いだ手をベッドに押しつけ、ただひたすらに腰を振って快感を得る。璃真を気持ちよくさせたいのだが、そんな余裕はない。抽挿で生まれる快感を貪欲に求めた。
「璃真っ、……っ……」
「あっ、あぁ、やまと、んぁ、あっ」
「中、締まる……っ」
「あぁっ、あ、きもちいっ、もっとぉ、ぁあっ」
 ギシギシとベッドが軋み、二人の荒い息が部屋に響く。抽挿を繰り返すたび、結合部からはぐちゅぐちゅといやらしい音が鳴った。璃真は頬を上気させ、唇を薄く開いている。その唇に口付けて、口内に舌を入れた。
「んんっ、んぅ……っ、はぁ……っあ」
 璃真の舌を甘く噛み、舌を吸い上げる。璃真も応えるように、舌を絡めてくる。互いの唾液で口の周りが濡れるのも構わず、欲望のままに唇を貪りあった。上手にキスをしようなんて思っていない。ただ璃真と一つになりたくて、繋がっていたくて、俺はキスをして、抽挿を繰り返した。思考は熱くなり、募る射精感に自らの絶頂が近いと悟る。呼応するように、璃真の中も熱くうねる。
「璃真、俺、イキそ……」
「おれもっ、あぁっ、イくっ、っあ、あ」
 互いに手を握り合って、見つめ合って、絶頂へと駆け上げる。俺はただがむしゃらに抽挿を続けた。ぎりぎりまで腰を引き、勢いよく突き入れる。璃真はびくびくと身体を震わせ、嬌声を上げた。
「ああっ、やまと、イくっ、からぁ、ぁ、あっ」
「イッて、璃真」
「あ、やまとぉ、っ、すき、すきっ、っあ」
「俺も、璃真のこと、好き」
「すきっ、やまと、すき、あ、イく、イ、くっ、あああっ」
 璃真は一際甲高い声を上げ、びくんっと大きく身体を跳ねさせた。璃真は精液を吐き出す。同時に璃真の中がきゅううと閉まり、繋いだ手が力強く握られる。俺も手を握り返し、そして、ゴムの中に射精した。自慰での射精とは違う解放感に、俺は興奮しながら余韻に浸った。
 荒い息が落ち着いてきた頃、俺は腰を引こうとする。しかし、璃真に手を引っ張られ、それができなかった。璃真はうっすらと頬を赤らめ、とろんとした表情で、俺を見上げていた。
「だめ、ぬかないで」
 可愛い発言に、俺は頬が緩む。俺だってこのまま挿れていたいが、そういうわけにもいかない。俺は璃真にちゅっとキスをして、「抜かないと、続けられないけど」と伝える。すると璃真は渋々な様子で、俺の手を解放した。
「……んっ、あ……」
 ゆっくりと性器を抜くと、璃真は小さく喘いだ。それだけで、俺自身に再び熱が集まる。璃真の後孔からローションが溢れ、周囲はてらてらと濡れている。後孔は慎ましやかに閉じてはいるが、淫らに誘うようでもあって、俺の興奮は増す。
「璃真、おいで」
 ゴムを付け替え、俺はベッドの上に座った。璃真は身体を起こし、俺の上に乗りかかる。そして、俺の肩に手を置き、後孔に俺自身を宛がった。


しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

消えない思い

樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。 高校3年生 矢野浩二 α 高校3年生 佐々木裕也 α 高校1年生 赤城要 Ω 赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。 自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。 そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。 でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。 彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。 そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。

家族になろうか

わこ
BL
金持ち若社長に可愛がられる少年の話。 かつて自サイトに載せていたお話です。 表紙画像はぱくたそ様(www.pakutaso.com)よりお借りしています。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

好きなあいつの嫉妬がすごい

カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。 ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。 教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。 「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」 ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」

好きだからキスしたい

すずかけあおい
BL
「たまには実晴からキスしてみろ」攻めからキスを求められた受けの話です。 〔攻め〕玲央 〔受け〕実晴

毒/同級生×同級生/オメガバース(α×β)

ハタセ
BL
βに強い執着を向けるαと、そんなαから「俺はお前の運命にはなれない」と言って逃げようとするβのオメガバースのお話です。

ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話

あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ハンター ライト(17) ???? アル(20) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 後半のキャラ崩壊は許してください;;

処理中です...