先輩、それなら俺が恋人になります!

えつこ

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「っあ、きもちいっ……あっ……、やまとっ」
 璃真は俺が動くたび、可愛い声を上げ、身体を震わせた。最初はゆっくりと、馴染ませるように腰を動かす。そして、徐々にスピードを上げていく。俺は繋いだ手をベッドに押しつけ、ただひたすらに腰を振って快感を得る。璃真を気持ちよくさせたいのだが、そんな余裕はない。抽挿で生まれる快感を貪欲に求めた。
「璃真っ、……っ……」
「あっ、あぁ、やまと、んぁ、あっ」
「中、締まる……っ」
「あぁっ、あ、きもちいっ、もっとぉ、ぁあっ」
 ギシギシとベッドが軋み、二人の荒い息が部屋に響く。抽挿を繰り返すたび、結合部からはぐちゅぐちゅといやらしい音が鳴った。璃真は頬を上気させ、唇を薄く開いている。その唇に口付けて、口内に舌を入れた。
「んんっ、んぅ……っ、はぁ……っあ」
 璃真の舌を甘く噛み、舌を吸い上げる。璃真も応えるように、舌を絡めてくる。互いの唾液で口の周りが濡れるのも構わず、欲望のままに唇を貪りあった。上手にキスをしようなんて思っていない。ただ璃真と一つになりたくて、繋がっていたくて、俺はキスをして、抽挿を繰り返した。思考は熱くなり、募る射精感に自らの絶頂が近いと悟る。呼応するように、璃真の中も熱くうねる。
「璃真、俺、イキそ……」
「おれもっ、あぁっ、イくっ、っあ、あ」
 互いに手を握り合って、見つめ合って、絶頂へと駆け上げる。俺はただがむしゃらに抽挿を続けた。ぎりぎりまで腰を引き、勢いよく突き入れる。璃真はびくびくと身体を震わせ、嬌声を上げた。
「ああっ、やまと、イくっ、からぁ、ぁ、あっ」
「イッて、璃真」
「あ、やまとぉ、っ、すき、すきっ、っあ」
「俺も、璃真のこと、好き」
「すきっ、やまと、すき、あ、イく、イ、くっ、あああっ」
 璃真は一際甲高い声を上げ、びくんっと大きく身体を跳ねさせた。璃真は精液を吐き出す。同時に璃真の中がきゅううと閉まり、繋いだ手が力強く握られる。俺も手を握り返し、そして、ゴムの中に射精した。自慰での射精とは違う解放感に、俺は興奮しながら余韻に浸った。
 荒い息が落ち着いてきた頃、俺は腰を引こうとする。しかし、璃真に手を引っ張られ、それができなかった。璃真はうっすらと頬を赤らめ、とろんとした表情で、俺を見上げていた。
「だめ、ぬかないで」
 可愛い発言に、俺は頬が緩む。俺だってこのまま挿れていたいが、そういうわけにもいかない。俺は璃真にちゅっとキスをして、「抜かないと、続けられないけど」と伝える。すると璃真は渋々な様子で、俺の手を解放した。
「……んっ、あ……」
 ゆっくりと性器を抜くと、璃真は小さく喘いだ。それだけで、俺自身に再び熱が集まる。璃真の後孔からローションが溢れ、周囲はてらてらと濡れている。後孔は慎ましやかに閉じてはいるが、淫らに誘うようでもあって、俺の興奮は増す。
「璃真、おいで」
 ゴムを付け替え、俺はベッドの上に座った。璃真は身体を起こし、俺の上に乗りかかる。そして、俺の肩に手を置き、後孔に俺自身を宛がった。


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