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6.
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しおりを挟む「やまとっ、待って」
キスの合間に、璃真が声をあげる。俺は全身に急ブレーキをかけて、キスを止めた。待てを命令された犬の気分だ。
「するなら、ベッドで、な?」
璃真の濡れた唇が言葉を紡ぐ。その蕩けた表情に、俺は興奮は増すが、念のため確認する。
「いいの?」
「何が?」
「昼ご飯とか、店予約してたりしない?」
「そんな大した店じゃないし、それに……」
璃真は俺に口づけた後、下半身を俺に押し付けてきた。互いの固くなった性器を押し当てる状態になる。
「俺だって、我慢できない」
吐息混じりに囁かれ、俺の理性は崩れ去った。噛み付くように璃真にキスをして、抱きしめる力を強くする。
璃真に導かれるように、部屋に上がる。廊下を移動している間も、離れたくなくて、もつれるように抱き合いながらキスを繰り返した。
ようやく辿り着いたベッドに、二人で倒れ込む。ベッドは二人分の体重に、ぎしりと軋んだ。
俺は璃真の服の裾から手を入れ、一気に捲り上げた。臍の横のホクロは変わらずそこにあり、一目散に口付け、舐めあげた。そして、腹や胸へとキスを落とし、手のひらで璃真の肌を堪能する。肌は温かく、すべすべで手触りがいい。
「っん、やまと……」
璃真の声は甘く掠れる。俺は肌に口付けながら、チノパンの前を寛がせる。下着は性器に押し上げられ、うっすらと濡れていた。灰色の下着は、よくあるトランクスタイプだ。
「大和の好きなやつは、明日な」
「え?」
「残念な顔してたから」
「そんなこと、ない、けど……?」
璃真の言う「好きなやつ」とは、レースや紐でできた、下着の意味を成していない、セクシーな下着のことだ。例のバイトで使用していた下着は全て処分してもらったが、その後も璃真は好みの下着を新しく買い、セックスの時にたまに身につけてくれた。下着にこだわりはないが、やはりセクシーなものは興奮する。
「え、っていうか、明日も……?」
「嫌?」
「全然、嬉しい」
明日の下着に想いを馳せていると、額に衝撃を感じた。我に帰ると、璃真がむっとした表情で俺を見ている。璃真の手は、俺の額の近くにあり、デコピンされたと気づく。
「明日のことより、今だろ」
璃真は熱っぽい視線で俺を見つめる。確かに璃真の言う通りで、お互い限界だった。俺は璃真の下着を脱がせようとするが、「待って」と止められる。
「大和だけ触るのずるい。脱いで」
璃真はそう言うと、上体を起こし、捲り上がったロンTを脱いだ。そして、俺が脱がせようとした下着も、するりと脱ぐ。現れたのは、白い肌と薄い胸板、細い腰、そしてしっかりと勃ち上がった璃真自身だ。
「大和も早く」
璃真に急かされ、俺も服を脱ぐ。二人ともベッド上で全裸になった。もちろん俺自身も勃起している。
どちらからともなく、手を伸ばし、抱きしめあう。存在を確かめるように、互いの体に触れた。体温、触れた感触、匂いを感じる。璃真の肌に舌を這わせ、味わう。璃真も同じように、俺の肌を舐めた。勃ちあがった性器を互いに擦り付け合うと、にちゃにちゃと水音が鳴った。触れ合って、キスをして、見つめ合って、またキスをする。早く一つになりたいと、俺は璃真の身体を優しくベッドに押し倒した。セックスをするなら、ゴムとローションが必要なわけで、スーツケースには入っているが取りに行くのが面倒だと考えていた。
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