5 / 10
そして、殺人鬼は動く。
しおりを挟む
応接間……この大きな屋敷の4分の1を占めていそうな部屋。
そこで、マキちゃんの誕生日会は開かれた。
今まで食したことないような豪華なご馳走が目の前に広がっている。
それに担う豪華な誕生日プレゼントも、ボクのようなちっぽけなプレゼントも彼女はお手本のような対応でそれらを嬉しそうに受け取った。
しばらくして、だんらんの時間を過ごす。
「アケミ……」
マキちゃんは目立たないような声で付き人のアケミさんを呼ぶと、
何やら紙切れのようなものを渡した。
何となくボクはぼんやりとその様子を眺めていたが……
同じように鋭い視線を向けている者が一人。
青い長い髪の女性。
アケミさんがその紙を受け取り何処かへ消えると、
少しして、ウミちゃんが席を立つ。
「どうかしたの?」
不思議そうにナエちゃんがウミちゃんへ尋ねた。
親友……と呼べる相手なのだろうか。
ナエちゃんとウミちゃんは傍から見ても仲が良い。
ウミちゃんがどちらかと言うと面倒見の良いお姉さんみたいな感じだが……
ボクへの扱いが嘘かのような、そんな良い人間を演じている。
「ごめん、ちょっとトイレ……」
そう言って、ウミちゃんは同じように会場の外に出て行った。
不意にポツポツと外で雨が降り出した。
次第にそれは激しい豪雨に変わる。
そして激しい雷が鳴り響き……
そして……
「きゃーーーーーーーっ」
数人の女性の悲鳴が部屋に響き渡った。
屋敷が一瞬で真っ暗になる。
雷のせいだろうか……屋敷内の灯りが全て奪われた。
まるで、事前に予期していたかのように、一つの明かり灯った。
ぼんやりとマキちゃんの辺りをランプの光が照らしている。
「この屋敷の電力はこんな雷で断線するほどやわ作りじゃないわ」
そうマキちゃんが言う。
それは……どういう意味か?
誰かが意図的にこの電力を奪ったというのだろうか?
雷とは別に大きな振動が2階から響いた……
「なに……?」
天井を……音のした方角を向きながらリンネちゃんがぼそりと呟く。
「……ウミちゃんっ……大丈夫かな?」
そう心配そうにナエちゃんがボクの近くで声に出す。
「マキちゃん……他にランプはあるかな?」
ボクがそうマキちゃんに尋ねる。
「……丁度、もう一つだけ」
そう言って、マキちゃんがボクにそれを手渡す。
「……どうするの?」
ナエちゃんが不安そうに尋ねる。
「……探してくるよ、こんな暗闇だと、此処に戻ってくるのも大変かもしれない」
ボクがそうナエちゃんに言う。
ナエちゃんがついていくと言うが、それを拒否するが、
部屋の外に向かったボクにヒイラギとナギちゃんがボクの後ろをついて来た。
ここで、ボクの一つ目の後悔。
後悔というべきかはわからないが……
今、この部屋に先ほど出て行った、
月鏡 ウミと夕陽 アケミの二人以外の全員がこの真っ暗な部屋に居たのか……ということだ。
音がした……ボクに割り振られた部屋とは逆の2階。
らせんの階段をあがり、異変を探す。
廊下を手に持っているランプで照らしながらゆっくりと歩く。
あからさまな、破壊されたドアの破片が周辺に散らばっていた。
嫌な予感……それは壊れたドアを見る前からずっと前に……
船に乗った時に……その前に……
こんな島の……孤立した場所で……
壊れたドアの先の部屋。
ボクはランプの光で部屋の中を照らした。
天井から吊るされている何か……
それを識別するのに手間取った。
正常な精神状態なら……それが誰なのかくらいはすぐに理解できる……身体の一部を欠けたそれを目にした時……ボクは不覚にもそれをすぐに判断できなかった。
白のカーディガン、黒のズボン……。
そのスタイルの良さを際立てている。
「ねぇ……ボクの宝物……見つかった?」
ボクはそう問いかけた。
ボクのそんな質問に……
天井から吊るされる彼女は答えてくれない。
頭《パーツ》を失っている彼女はボクの質問に答えてくれない。
「……とうた、どうなってんだよ」
さすがに気分悪そうに真っ青な顔でヒイラギがその言葉をようやく口に出せたというように唇を動かす。
吊るされた首なしの人間。
これが、事故な訳がない。
そして……数時間後に出会うことになる、自称、世界の調律者はボクに言う。
その判断の遅れは……必然か、異常か……
その疑問は正常か異常か……
その疑問の正当化は、正解か不正解か……
そんな事は、今のボクにはわからない。
彼に出会う前の今のボクには……とてもたどり着くことができなかった。
そうして、今のボクらが辿り着ける、一つの答え。
屋敷の電力が奪われる前……外出した月鏡 ウミ……
より、先に部屋を出た女性。
その彼女をこの屋敷から見つけ出すことが、
答えに辿り着く近道だと……そう錯覚した。
「夕陽 アケミさん……を探そう」
ボクは言う。
「……戻って伝えなくていいの?」
感情が読めない……ナギちゃんはボクにそう告げる。
「……やべぇ、吐きそう……」
ヒイラギの顔色がどんどん酷くなる。
当然だろう……
先に皆に事を告げるのが優先事か……
彼女《ゆうひあけみ》の安全、存在を確認するのが優先だろうか……
ボクが考えて行動するよりもずっと事件は難解で……
ボクが思うよりもずっと……事実は単純だった。
ただ……今のボクにそこに辿り着くことはできなかった。
その後……ボクらは屋敷を一通り周ったが、彼女《ゆうひあけみ》を見つけることができなかった。
ボクたちは、出て行った時と変わらぬ人数で、応接間に戻ってきた。
重い空気……
今も激しい雨が、部屋の窓を殴るように降り続き……
時折、激しい雷の光が室内を照らした。
ボクは……口を開く。
見たことを偽り無く……
ボクの言葉に彼女《ナエ》ちゃんの瞳が悲しいものに変わる罪悪感を感じながらも……ボクはその全てを告げた。
「そうでしたか……ご苦労様です」
実に落ち着いた口調で……
屋敷の主がボクに代わり語り始める。
「彼女《ウミさん》の事はとても残念です……しかし、先にも申したように……この屋敷で起こった事に責任を負えません……」
そう冷静に、非道的に……彼女《マキちゃん》が言う。
「とうぜん、あなたが追う必要は無いよ……責任を負うべきなのは、ウミを……」
反論したリンネちゃんはそこで一度言い淀み……
「……この犯人が責任を負うべきじゃないの」
そうリンネちゃんは続けた。
「……事は、島の外には黙秘でお願いします」
マキちゃんがそう続ける。
誰もが……その言葉に不信を抱いているだろう。
この島は、異常者……狂人達の集う場所……
そこには、ボクのような者が想像できない思惑が交差している。
……その女《マキちゃん》が何を思う?
……この犯人《さつじんき》は何を望む?
……そんな事は誰も理解できない。
……そんな救いなど……殺人鬼は理解しない。
凡人のボクに……そんなその者たちの答えなど理解できない。
そして……その全てを理解しているつもりの彼女《マキちゃん》にも……
この事件の行き着く先は……彼女の思惑から遠く外れていく……
自由を与えられた殺人鬼が笑う。
ひとり……暗闇の中……誰に気づかれること無く……
悲劇の夜は……始まったばかりだ……
それは自由を求める。
それは殺しを望む。
愚者《マキちゃん》は不適に笑う……。
自分の手駒を失っていることさえ気がつかず……。
静かに……決着のついている事件《しょうぶ》が始まる。
事件は複雑で……
答えは単純で……
「……どうする……名探偵のように事件でも解くか……?」
「……痴れ事だよな……」
ボクはひとり呟いて、静かに笑った。
そこで、マキちゃんの誕生日会は開かれた。
今まで食したことないような豪華なご馳走が目の前に広がっている。
それに担う豪華な誕生日プレゼントも、ボクのようなちっぽけなプレゼントも彼女はお手本のような対応でそれらを嬉しそうに受け取った。
しばらくして、だんらんの時間を過ごす。
「アケミ……」
マキちゃんは目立たないような声で付き人のアケミさんを呼ぶと、
何やら紙切れのようなものを渡した。
何となくボクはぼんやりとその様子を眺めていたが……
同じように鋭い視線を向けている者が一人。
青い長い髪の女性。
アケミさんがその紙を受け取り何処かへ消えると、
少しして、ウミちゃんが席を立つ。
「どうかしたの?」
不思議そうにナエちゃんがウミちゃんへ尋ねた。
親友……と呼べる相手なのだろうか。
ナエちゃんとウミちゃんは傍から見ても仲が良い。
ウミちゃんがどちらかと言うと面倒見の良いお姉さんみたいな感じだが……
ボクへの扱いが嘘かのような、そんな良い人間を演じている。
「ごめん、ちょっとトイレ……」
そう言って、ウミちゃんは同じように会場の外に出て行った。
不意にポツポツと外で雨が降り出した。
次第にそれは激しい豪雨に変わる。
そして激しい雷が鳴り響き……
そして……
「きゃーーーーーーーっ」
数人の女性の悲鳴が部屋に響き渡った。
屋敷が一瞬で真っ暗になる。
雷のせいだろうか……屋敷内の灯りが全て奪われた。
まるで、事前に予期していたかのように、一つの明かり灯った。
ぼんやりとマキちゃんの辺りをランプの光が照らしている。
「この屋敷の電力はこんな雷で断線するほどやわ作りじゃないわ」
そうマキちゃんが言う。
それは……どういう意味か?
誰かが意図的にこの電力を奪ったというのだろうか?
雷とは別に大きな振動が2階から響いた……
「なに……?」
天井を……音のした方角を向きながらリンネちゃんがぼそりと呟く。
「……ウミちゃんっ……大丈夫かな?」
そう心配そうにナエちゃんがボクの近くで声に出す。
「マキちゃん……他にランプはあるかな?」
ボクがそうマキちゃんに尋ねる。
「……丁度、もう一つだけ」
そう言って、マキちゃんがボクにそれを手渡す。
「……どうするの?」
ナエちゃんが不安そうに尋ねる。
「……探してくるよ、こんな暗闇だと、此処に戻ってくるのも大変かもしれない」
ボクがそうナエちゃんに言う。
ナエちゃんがついていくと言うが、それを拒否するが、
部屋の外に向かったボクにヒイラギとナギちゃんがボクの後ろをついて来た。
ここで、ボクの一つ目の後悔。
後悔というべきかはわからないが……
今、この部屋に先ほど出て行った、
月鏡 ウミと夕陽 アケミの二人以外の全員がこの真っ暗な部屋に居たのか……ということだ。
音がした……ボクに割り振られた部屋とは逆の2階。
らせんの階段をあがり、異変を探す。
廊下を手に持っているランプで照らしながらゆっくりと歩く。
あからさまな、破壊されたドアの破片が周辺に散らばっていた。
嫌な予感……それは壊れたドアを見る前からずっと前に……
船に乗った時に……その前に……
こんな島の……孤立した場所で……
壊れたドアの先の部屋。
ボクはランプの光で部屋の中を照らした。
天井から吊るされている何か……
それを識別するのに手間取った。
正常な精神状態なら……それが誰なのかくらいはすぐに理解できる……身体の一部を欠けたそれを目にした時……ボクは不覚にもそれをすぐに判断できなかった。
白のカーディガン、黒のズボン……。
そのスタイルの良さを際立てている。
「ねぇ……ボクの宝物……見つかった?」
ボクはそう問いかけた。
ボクのそんな質問に……
天井から吊るされる彼女は答えてくれない。
頭《パーツ》を失っている彼女はボクの質問に答えてくれない。
「……とうた、どうなってんだよ」
さすがに気分悪そうに真っ青な顔でヒイラギがその言葉をようやく口に出せたというように唇を動かす。
吊るされた首なしの人間。
これが、事故な訳がない。
そして……数時間後に出会うことになる、自称、世界の調律者はボクに言う。
その判断の遅れは……必然か、異常か……
その疑問は正常か異常か……
その疑問の正当化は、正解か不正解か……
そんな事は、今のボクにはわからない。
彼に出会う前の今のボクには……とてもたどり着くことができなかった。
そうして、今のボクらが辿り着ける、一つの答え。
屋敷の電力が奪われる前……外出した月鏡 ウミ……
より、先に部屋を出た女性。
その彼女をこの屋敷から見つけ出すことが、
答えに辿り着く近道だと……そう錯覚した。
「夕陽 アケミさん……を探そう」
ボクは言う。
「……戻って伝えなくていいの?」
感情が読めない……ナギちゃんはボクにそう告げる。
「……やべぇ、吐きそう……」
ヒイラギの顔色がどんどん酷くなる。
当然だろう……
先に皆に事を告げるのが優先事か……
彼女《ゆうひあけみ》の安全、存在を確認するのが優先だろうか……
ボクが考えて行動するよりもずっと事件は難解で……
ボクが思うよりもずっと……事実は単純だった。
ただ……今のボクにそこに辿り着くことはできなかった。
その後……ボクらは屋敷を一通り周ったが、彼女《ゆうひあけみ》を見つけることができなかった。
ボクたちは、出て行った時と変わらぬ人数で、応接間に戻ってきた。
重い空気……
今も激しい雨が、部屋の窓を殴るように降り続き……
時折、激しい雷の光が室内を照らした。
ボクは……口を開く。
見たことを偽り無く……
ボクの言葉に彼女《ナエ》ちゃんの瞳が悲しいものに変わる罪悪感を感じながらも……ボクはその全てを告げた。
「そうでしたか……ご苦労様です」
実に落ち着いた口調で……
屋敷の主がボクに代わり語り始める。
「彼女《ウミさん》の事はとても残念です……しかし、先にも申したように……この屋敷で起こった事に責任を負えません……」
そう冷静に、非道的に……彼女《マキちゃん》が言う。
「とうぜん、あなたが追う必要は無いよ……責任を負うべきなのは、ウミを……」
反論したリンネちゃんはそこで一度言い淀み……
「……この犯人が責任を負うべきじゃないの」
そうリンネちゃんは続けた。
「……事は、島の外には黙秘でお願いします」
マキちゃんがそう続ける。
誰もが……その言葉に不信を抱いているだろう。
この島は、異常者……狂人達の集う場所……
そこには、ボクのような者が想像できない思惑が交差している。
……その女《マキちゃん》が何を思う?
……この犯人《さつじんき》は何を望む?
……そんな事は誰も理解できない。
……そんな救いなど……殺人鬼は理解しない。
凡人のボクに……そんなその者たちの答えなど理解できない。
そして……その全てを理解しているつもりの彼女《マキちゃん》にも……
この事件の行き着く先は……彼女の思惑から遠く外れていく……
自由を与えられた殺人鬼が笑う。
ひとり……暗闇の中……誰に気づかれること無く……
悲劇の夜は……始まったばかりだ……
それは自由を求める。
それは殺しを望む。
愚者《マキちゃん》は不適に笑う……。
自分の手駒を失っていることさえ気がつかず……。
静かに……決着のついている事件《しょうぶ》が始まる。
事件は複雑で……
答えは単純で……
「……どうする……名探偵のように事件でも解くか……?」
「……痴れ事だよな……」
ボクはひとり呟いて、静かに笑った。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
10u
朽縄咲良
ミステリー
【第6回ホラー・ミステリー小説大賞奨励賞受賞作品】
ある日、とある探偵事務所をひとりの男性が訪れる。
最近、妻を亡くしたというその男性は、彼女が死の直前に遺したというメッセージアプリの意味を解読してほしいと依頼する。
彼が開いたメッセージアプリのトーク欄には、『10u』という、たった三文字の奇妙なメッセージが送られていた。
果たして、そのメッセージには何か意味があるのか……?
*同内容を、『小説家になろう』『ノベルアッププラス』『ノベルデイズ』にも掲載しております。
ARIA(アリア)
残念パパいのっち
ミステリー
山内亮(やまうちとおる)は内見に出かけたアパートでAR越しに不思議な少女、西園寺雫(さいおんじしずく)と出会う。彼女は自分がAIでこのアパートに閉じ込められていると言うが……
天使の顔して悪魔は嗤う
ねこ沢ふたよ
ミステリー
表紙の子は赤野周作君。
一つ一つで、お話は別ですので、一つずつお楽しいただけます。
【都市伝説】
「田舎町の神社の片隅に打ち捨てられた人形が夜中に動く」
そんな都市伝説を調べに行こうと幼馴染の木根元子に誘われて調べに行きます。
【雪の日の魔物】
周作と優作の兄弟で、誘拐されてしまいますが、・・・どちらかと言えば、周作君が犯人ですね。
【歌う悪魔】
聖歌隊に参加した周作君が、ちょっとした事件に巻き込まれます。
【天国からの復讐】
死んだ友達の復讐
<折り紙から、中学生。友達今井目線>
【折り紙】
いじめられっ子が、周作君に相談してしまいます。復讐してしまいます。
【修学旅行1~3・4~10】
周作が、修学旅行に参加します。バスの車内から目撃したのは・・・。
3までで、小休止、4からまた新しい事件が。
※高一<松尾目線>
【授業参観1~9】
授業参観で見かけた保護者が殺害されます
【弁当】
松尾君のプライベートを赤野君が促されて推理するだけ。
【タイムカプセル1~7】
暗号を色々+事件。和歌、モールス、オペラ、絵画、様々な要素を取り入れた暗号
【クリスマスの暗号1~7】
赤野君がプレゼント交換用の暗号を作ります。クリスマスにちなんだ暗号です。
【神隠し】
同級生が行方不明に。 SNSや伝統的な手品のトリック
※高三<夏目目線>
【猫は暗号を運ぶ1~7】
猫の首輪の暗号から、事件解決
【猫を殺さば呪われると思え1~7】
暗号にCICADAとフリーメーソンを添えて♪
※都市伝説→天使の顔して悪魔は嗤う、タイトル変更

それは奇妙な町でした
ねこしゃけ日和
ミステリー
売れない作家である有馬四迷は新作を目新しさが足りないと言われ、ボツにされた。
バイト先のオーナーであるアメリカ人のルドリックさんにそのことを告げるとちょうどいい町があると教えられた。
猫神町は誰もがねこを敬う奇妙な町だった。
強制憑依アプリを使ってみた。
本田 壱好
ミステリー
十八年間モテた試しが無かった俺こと童定春はある日、幼馴染の藍良舞に告白される。
校内一の人気を誇る藍良が俺に告白⁈
これは何かのドッキリか?突然のことに俺は返事が出来なかった。
不幸は続くと言うが、その日は不幸の始まりとなるキッカケが多くあったのだと今となっては思う。
その日の夜、小学生の頃の友人、鴨居常叶から当然連絡が掛かってきたのも、そのキッカケの一つだ。
話の内容は、強制憑依アプリという怪しげなアプリの話であり、それをインストールして欲しいと言われる。
頼まれたら断れない性格の俺は、送られてきたサイトに飛んで、その強制憑依アプリをインストールした。
まさかそれが、運命を大きく変える出来事に発展するなんて‥。当時の俺は、まだ知る由もなかった。
カフェ・シュガーパインの事件簿
山いい奈
ミステリー
大阪長居の住宅街に佇むカフェ・シュガーパイン。
個性豊かな兄姉弟が営むこのカフェには穏やかな時間が流れる。
だが兄姉弟それぞれの持ち前の好奇心やちょっとした特殊能力が、巻き込まれる事件を解決に導くのだった。
ミノタウロスの森とアリアドネの嘘
鬼霧宗作
ミステリー
過去の記録、過去の記憶、過去の事実。
新聞社で働く彼女の元に、ある時8ミリのビデオテープが届いた。再生してみると、それは地元で有名なミノタウロスの森と呼ばれる場所で撮影されたものらしく――それは次第に、スプラッター映画顔負けの惨殺映像へと変貌を遂げる。
現在と過去をつなぐのは8ミリのビデオテープのみ。
過去の謎を、現代でなぞりながらたどり着く答えとは――。
――アリアドネは嘘をつく。
(過去に別サイトにて掲載していた【拝啓、15年前より】という作品を、時代背景や登場人物などを一新してフルリメイクしました)

ファクト ~真実~
華ノ月
ミステリー
特別編からはお昼の12時10分に更新します。
主人公、水無月 奏(みなづき かなで)はひょんな事件から警察の特殊捜査官に任命される。
そして、同じ特殊捜査班である、透(とおる)、紅蓮(ぐれん)、槙(しん)、そして、室長の冴子(さえこ)と共に、事件の「真実」を暴き出す。
その事件がなぜ起こったのか?
本当の「悪」は誰なのか?
そして、その事件と別で最終章に繋がるある真実……。
こちらは全部で第七章で構成されています。第七章が最終章となりますので、どうぞ、最後までお読みいただけると嬉しいです!
よろしくお願いいたしますm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる