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自由は守り、不自由は護られる。
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昼休み……ボクは学食のテーブル席に座っている。
サイドテールの茶色の髪の女子生徒。
鳴響 リンネ。
彼女いわく至孝のゲーム。
ボクの目の前には激辛キムチにタバスコ一瓶を丸ごと追加したモノと。
チョコレートを溶かした液体を入れたコップに備えられていた、コーヒー用のミルクと砂糖を大量に投下した液体が置かれている。
彼女はあらゆる情報を知っている。
ボクの秘密も何かしら握られている……という事だ。
それで、ボクの秘密をばらすという脅しを受け、それを避けるため目の前のゲームに参加することになった。
死の極致で、人は激辛と激甘どちらの道を選ぶのか……
脅しを人質に取られたその情報が死の極致に同様するものか知らないが。
ボクは取り合えずそのものがどれほどのモノかを見極めるため、
一口ずつそれらを口にした。
無表情を突き通せているのか……
体中の穴という穴から汗が噴出しそうな辛さと……
体中のあらゆるものを吐き出してしまいそうなくらいの甘ったるさの液体……
「どう……死の極致でとーた君はどちらを選ぶの?」
そうリンネちゃんがボクに問う。
「リンネちゃん、ちゃんと味見はしたの?」
ボクはどちらもたいしたことがないと言う素振りでキムチを次々と頬張っていく。
「えっ……?」
さすがに意外そうにリンネちゃんがボクを見つめている。
ボクの演技力も意外と捨てたもんじゃないかもしれない。
「一口食べてみたら?ぜんぜん……むしろ美味しいくらい」
ボクはさらに一口くちにしながらその皿をリンネちゃんに差し出した。
「そんな……はず……」
パクリとリンネちゃんがそれを口にする。
「ヒャアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーッ」
今まで聞いたことの無い人の悲鳴が学園中に響き渡る。
涙目でリンネちゃんが、ボクを可愛く睨んでいる。
「ごめん、ごめん……ほら、これを飲んで」
ボクは、その仕打ちを謝罪しながら、目の前のコップをリンネちゃんに差し出す。
「……ぐっ……んぐ」
差し出されたコップを疑うことなく一気に飲み干していく。
「ニャギャアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーッ」
再び聞いたことのない叫び声があがった。
「激辛からの激甘の極致はどうだった……リンネちゃん?」
ボクがそう尋ねる。
「許さないっ!絶対に許さないッ!!」
涙目で睨むリンネちゃんの目は、やはり可愛らしかった。
「うっ……」
リンネちゃんは口元を押さえると……
恐らくトイレを目指し走り去った。
ボクはその場を離れようとするが……食べ物を粗末にするなという、
食堂のおばちゃんの目に怯え、残った皿のキムチをたえらげた。
帰りに自販機でお茶を買いがぶ飲みしながら、教室へ戻ると、
何やらボクの席の一角に小さい集団ができている。
「おっ、とーたいいとこ戻ってきたじゃん、こっち来て手伝ってよ」
空伊芦 アオ(ソライロ アオ)
少しボーイッシュな女の子。
下手な男より度胸があり、何事にも負けじと立ち向かう。
アオちゃんの隣ではヒイラギが腕を組み何やら考え込んでいる。
その前には……
紫索 キッカイ(シサク キッカイ)
知的な眼鏡男子が一人。
キッカイの考えた謎を二人が解いているようだった。
アオちゃんとヒイラギが眺める紙を横目で眺める。
何やら、色んな絵が描かれていて、〇+〇=解みたいな図式が並んでいる。
それらの絵を文字に起こすとこんな感じだ。
Q、ドラゴン退治へ向かう……対策するべき攻撃は?
その問いの後に書かれた計算式……
ペンライト+ライター=A
ロウソク+街頭+A=炎
(懐中電灯+A)+(炎+マッチ-A)=?
?を求めよ。
そう書かれている。
「Aを何かを求めるのが重要なのはわかるんだけど……」
アオちゃんが目を瞑りながら考え込んでいる。
「……ペンライト、ライター、ロウソク……で、ガイトウ……」
ヒイラギがぶつくさと呟きながら……
「灯り?灯りだろ……っ」
何かを閃いた気になっているが……
「………かえん」
ボクはぼそりとそう告げる。
アオちゃんとヒイラギがえっという顔をボクに向け、
キッカイが面白くなさそうな顔をボクに向けた。
「どういうこと?」
アオちゃんがボクにそう尋ねる。
「単純に火の数を解に当てはめるだけだよ……」
ボクが続けて答える。
「ペンライトとライター……その絵から見える火の数は一つ」
ボクは描かれたライターの火を見ながら言う。
「蝋燭と街頭とA……絵から見えるのは蝋燭の火の数ひとつだけど、Aの解は火そしてその解は炎とされている……」
「最後の問い……最初の()は懐中電灯には火は無い、だから解はAの火そして次の()にあるのは炎とマッチで火は三つそこからAの火を一つ引くと解は炎になる……それぞれの()の解は火と炎それをあわせると火炎」
ボクは低いテンションでそう答える。
「答えは火炎だぜっ……どうだ、キッカイっ!!」
ヒイラギが自分の思考で答えを導いたかのように自慢げにキッカイに指を突きつけて言い放つ。
「……正解だ……少し、簡単すぎたか」
キッカイは人差し指で眼鏡をくいっと持ち上げ、丁寧に問題用紙をたたみ、その場を去っていた。
「とーたって凡人な振りして、意外とこういうことには冴えてたりするよね」
アオちゃんが関心したように頷いている。
・
・
・
「さようなら、とーたさん」
放課後……帰宅するところ誰かにそう呼び止められる。
見るからに他の女子と同じ制服に身を包みながらもお嬢様オーラを出す女生徒。
志念 マキ(シネン マキ)
明日、開かれる誕生会にヤエちゃんより招待された、ボクには正直縁の無かった相手。
その近くには、茶髪のセミロング、メイドのカチューシャをつけたような女生徒が斜を構え立っている。
侑陽 アケミ(ユウヒ アケミ)
お嬢様の付き人……というところだろうか。
お嬢様を護るためなら、人を殺すのも惜しまないそんな気迫すら感じる。
「この度の私の祝い事に、貴方もご参加頂けると聞いて……」
そうマキちゃんがボクに言う。
その斜め後ろからの付き人の威圧されているのを察しられぬ用に……
「うん……ヤエちゃんに誘われて、迷惑だったら断って頂いても……」
そう告げるが、マキちゃんは優しく微笑む。
「いえ、あなたのような、社会不適合者に祝って貰えるなんて、とても光栄です」
笑顔の裏に隠れる……不適な何かにその付き人以上の恐怖を感じる。
「ただ……一つ先に謝っておきますね……」
詫びいれる表情すら無い不気味な笑みで……
「私の誕生日会は、この島の大きな泉の中央にある孤島の別荘で行われます……もしも、そこにいま巷で噂の殺人鬼なんかが紛れ込んだとしても……私を恨まないでくださいね?」
そうボクにマキちゃんが告げると、徐に付き人がボクに向かって歩み寄ってくる。
殺意……をうっすらと感じる……
が、ボクに向いていたアケミさん……付き人の目はボクを反れ後ろに向いた。
「あなたは……?」
付き人が向けた何者かにマキちゃんが尋ねた。
「あははっ……ごめんね、帰宅しようと思ったら僕のお友達が見えたものだから……」
茶色の短髪の女性……昨日の夜に運命的な出会いをした女生徒。
ナギちゃんが……マキちゃんの付き人の威圧的なオーラを相殺している。
「ねぇ……えっと、マキさん? 僕も、その誕生日会とやらにお呼ばれされちゃってもいいかな?」
そうナギちゃんは不適に微笑む。
付き人のアケミさんが……敵意的な目をナギちゃんに向けるが……
「えぇ、構いませんよ……」
そう、微笑を崩さずにマキちゃんは了承する。
「わぁ、よかった……」
ナギちゃんは演技かかった喜びをする。
アケミさんを真似するようにボクの横でナギちゃんは斜を構える。
ボクがマキちゃんに何かしようものなら、アケミさんが容赦しないというように……
その反対の意思をナギちゃんがその付き人に示すように……。
「さようなら……とうたさん」
最初の言葉を再びマキちゃんは繰り返した。
アケミさんは黙ってボク等二人を睨みつけ……
ナギちゃんは負けじと不適な笑みでその目を睨み返した。
気がつくと、二人はボク等の目の届かない場所へと遠ざかっていた。
ボクとナギちゃんは家路を辿る。
彼女の家はこのあたりなのだろうか……
「ナギちゃんの家はこの辺りなの?」
ボクはそう尋ねる。
「とーたちゃん、意外とやり手だねぇ、知り合ったばかりの女の子に家の場所を尋ねるなんて」
悪戯にナギちゃんは笑う。
「いや……当たり前のようにボクについてきてるから……そのもう一つ」
ボクはそう続けて尋ねる。
「ここ最近のニュースの殺人鬼って……ナギちゃん?」
ボクはそんな疑問をあっさりと投げかけた。
あははっ……といつものように、楽しそうに彼女は笑う。
「……もし、そうだと言ったら?」
不気味に……愛しく……可愛らしく……不適に……彼女は笑う。
「……別に、どうもしないよ」
ボクは偽り無く……彼女にそう告げる。
「もし、ナギちゃんがボクを殺そうとするなら……きっとボクは抵抗するけど、その結果に、ナギちゃんの行いに文句は言わない」
あははっとその言葉がくすぐったいようにナギちゃんは笑い……
「……とーたちゃんを殺すのも生かすのも僕の役目だから……」
ナギちゃんは嬉しそうに笑う。
「だから、とーたちゃんの事、僕が護ってあげるね」
そうナギちゃんはボクに向かい笑った。
不自由なボクは、狙われ護られて……
自由な彼女は、狙って……守る……
だからこそ、相違、相似するボク等は共にいる事が許されたのだろう……。
サイドテールの茶色の髪の女子生徒。
鳴響 リンネ。
彼女いわく至孝のゲーム。
ボクの目の前には激辛キムチにタバスコ一瓶を丸ごと追加したモノと。
チョコレートを溶かした液体を入れたコップに備えられていた、コーヒー用のミルクと砂糖を大量に投下した液体が置かれている。
彼女はあらゆる情報を知っている。
ボクの秘密も何かしら握られている……という事だ。
それで、ボクの秘密をばらすという脅しを受け、それを避けるため目の前のゲームに参加することになった。
死の極致で、人は激辛と激甘どちらの道を選ぶのか……
脅しを人質に取られたその情報が死の極致に同様するものか知らないが。
ボクは取り合えずそのものがどれほどのモノかを見極めるため、
一口ずつそれらを口にした。
無表情を突き通せているのか……
体中の穴という穴から汗が噴出しそうな辛さと……
体中のあらゆるものを吐き出してしまいそうなくらいの甘ったるさの液体……
「どう……死の極致でとーた君はどちらを選ぶの?」
そうリンネちゃんがボクに問う。
「リンネちゃん、ちゃんと味見はしたの?」
ボクはどちらもたいしたことがないと言う素振りでキムチを次々と頬張っていく。
「えっ……?」
さすがに意外そうにリンネちゃんがボクを見つめている。
ボクの演技力も意外と捨てたもんじゃないかもしれない。
「一口食べてみたら?ぜんぜん……むしろ美味しいくらい」
ボクはさらに一口くちにしながらその皿をリンネちゃんに差し出した。
「そんな……はず……」
パクリとリンネちゃんがそれを口にする。
「ヒャアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーッ」
今まで聞いたことの無い人の悲鳴が学園中に響き渡る。
涙目でリンネちゃんが、ボクを可愛く睨んでいる。
「ごめん、ごめん……ほら、これを飲んで」
ボクは、その仕打ちを謝罪しながら、目の前のコップをリンネちゃんに差し出す。
「……ぐっ……んぐ」
差し出されたコップを疑うことなく一気に飲み干していく。
「ニャギャアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーッ」
再び聞いたことのない叫び声があがった。
「激辛からの激甘の極致はどうだった……リンネちゃん?」
ボクがそう尋ねる。
「許さないっ!絶対に許さないッ!!」
涙目で睨むリンネちゃんの目は、やはり可愛らしかった。
「うっ……」
リンネちゃんは口元を押さえると……
恐らくトイレを目指し走り去った。
ボクはその場を離れようとするが……食べ物を粗末にするなという、
食堂のおばちゃんの目に怯え、残った皿のキムチをたえらげた。
帰りに自販機でお茶を買いがぶ飲みしながら、教室へ戻ると、
何やらボクの席の一角に小さい集団ができている。
「おっ、とーたいいとこ戻ってきたじゃん、こっち来て手伝ってよ」
空伊芦 アオ(ソライロ アオ)
少しボーイッシュな女の子。
下手な男より度胸があり、何事にも負けじと立ち向かう。
アオちゃんの隣ではヒイラギが腕を組み何やら考え込んでいる。
その前には……
紫索 キッカイ(シサク キッカイ)
知的な眼鏡男子が一人。
キッカイの考えた謎を二人が解いているようだった。
アオちゃんとヒイラギが眺める紙を横目で眺める。
何やら、色んな絵が描かれていて、〇+〇=解みたいな図式が並んでいる。
それらの絵を文字に起こすとこんな感じだ。
Q、ドラゴン退治へ向かう……対策するべき攻撃は?
その問いの後に書かれた計算式……
ペンライト+ライター=A
ロウソク+街頭+A=炎
(懐中電灯+A)+(炎+マッチ-A)=?
?を求めよ。
そう書かれている。
「Aを何かを求めるのが重要なのはわかるんだけど……」
アオちゃんが目を瞑りながら考え込んでいる。
「……ペンライト、ライター、ロウソク……で、ガイトウ……」
ヒイラギがぶつくさと呟きながら……
「灯り?灯りだろ……っ」
何かを閃いた気になっているが……
「………かえん」
ボクはぼそりとそう告げる。
アオちゃんとヒイラギがえっという顔をボクに向け、
キッカイが面白くなさそうな顔をボクに向けた。
「どういうこと?」
アオちゃんがボクにそう尋ねる。
「単純に火の数を解に当てはめるだけだよ……」
ボクが続けて答える。
「ペンライトとライター……その絵から見える火の数は一つ」
ボクは描かれたライターの火を見ながら言う。
「蝋燭と街頭とA……絵から見えるのは蝋燭の火の数ひとつだけど、Aの解は火そしてその解は炎とされている……」
「最後の問い……最初の()は懐中電灯には火は無い、だから解はAの火そして次の()にあるのは炎とマッチで火は三つそこからAの火を一つ引くと解は炎になる……それぞれの()の解は火と炎それをあわせると火炎」
ボクは低いテンションでそう答える。
「答えは火炎だぜっ……どうだ、キッカイっ!!」
ヒイラギが自分の思考で答えを導いたかのように自慢げにキッカイに指を突きつけて言い放つ。
「……正解だ……少し、簡単すぎたか」
キッカイは人差し指で眼鏡をくいっと持ち上げ、丁寧に問題用紙をたたみ、その場を去っていた。
「とーたって凡人な振りして、意外とこういうことには冴えてたりするよね」
アオちゃんが関心したように頷いている。
・
・
・
「さようなら、とーたさん」
放課後……帰宅するところ誰かにそう呼び止められる。
見るからに他の女子と同じ制服に身を包みながらもお嬢様オーラを出す女生徒。
志念 マキ(シネン マキ)
明日、開かれる誕生会にヤエちゃんより招待された、ボクには正直縁の無かった相手。
その近くには、茶髪のセミロング、メイドのカチューシャをつけたような女生徒が斜を構え立っている。
侑陽 アケミ(ユウヒ アケミ)
お嬢様の付き人……というところだろうか。
お嬢様を護るためなら、人を殺すのも惜しまないそんな気迫すら感じる。
「この度の私の祝い事に、貴方もご参加頂けると聞いて……」
そうマキちゃんがボクに言う。
その斜め後ろからの付き人の威圧されているのを察しられぬ用に……
「うん……ヤエちゃんに誘われて、迷惑だったら断って頂いても……」
そう告げるが、マキちゃんは優しく微笑む。
「いえ、あなたのような、社会不適合者に祝って貰えるなんて、とても光栄です」
笑顔の裏に隠れる……不適な何かにその付き人以上の恐怖を感じる。
「ただ……一つ先に謝っておきますね……」
詫びいれる表情すら無い不気味な笑みで……
「私の誕生日会は、この島の大きな泉の中央にある孤島の別荘で行われます……もしも、そこにいま巷で噂の殺人鬼なんかが紛れ込んだとしても……私を恨まないでくださいね?」
そうボクにマキちゃんが告げると、徐に付き人がボクに向かって歩み寄ってくる。
殺意……をうっすらと感じる……
が、ボクに向いていたアケミさん……付き人の目はボクを反れ後ろに向いた。
「あなたは……?」
付き人が向けた何者かにマキちゃんが尋ねた。
「あははっ……ごめんね、帰宅しようと思ったら僕のお友達が見えたものだから……」
茶色の短髪の女性……昨日の夜に運命的な出会いをした女生徒。
ナギちゃんが……マキちゃんの付き人の威圧的なオーラを相殺している。
「ねぇ……えっと、マキさん? 僕も、その誕生日会とやらにお呼ばれされちゃってもいいかな?」
そうナギちゃんは不適に微笑む。
付き人のアケミさんが……敵意的な目をナギちゃんに向けるが……
「えぇ、構いませんよ……」
そう、微笑を崩さずにマキちゃんは了承する。
「わぁ、よかった……」
ナギちゃんは演技かかった喜びをする。
アケミさんを真似するようにボクの横でナギちゃんは斜を構える。
ボクがマキちゃんに何かしようものなら、アケミさんが容赦しないというように……
その反対の意思をナギちゃんがその付き人に示すように……。
「さようなら……とうたさん」
最初の言葉を再びマキちゃんは繰り返した。
アケミさんは黙ってボク等二人を睨みつけ……
ナギちゃんは負けじと不適な笑みでその目を睨み返した。
気がつくと、二人はボク等の目の届かない場所へと遠ざかっていた。
ボクとナギちゃんは家路を辿る。
彼女の家はこのあたりなのだろうか……
「ナギちゃんの家はこの辺りなの?」
ボクはそう尋ねる。
「とーたちゃん、意外とやり手だねぇ、知り合ったばかりの女の子に家の場所を尋ねるなんて」
悪戯にナギちゃんは笑う。
「いや……当たり前のようにボクについてきてるから……そのもう一つ」
ボクはそう続けて尋ねる。
「ここ最近のニュースの殺人鬼って……ナギちゃん?」
ボクはそんな疑問をあっさりと投げかけた。
あははっ……といつものように、楽しそうに彼女は笑う。
「……もし、そうだと言ったら?」
不気味に……愛しく……可愛らしく……不適に……彼女は笑う。
「……別に、どうもしないよ」
ボクは偽り無く……彼女にそう告げる。
「もし、ナギちゃんがボクを殺そうとするなら……きっとボクは抵抗するけど、その結果に、ナギちゃんの行いに文句は言わない」
あははっとその言葉がくすぐったいようにナギちゃんは笑い……
「……とーたちゃんを殺すのも生かすのも僕の役目だから……」
ナギちゃんは嬉しそうに笑う。
「だから、とーたちゃんの事、僕が護ってあげるね」
そうナギちゃんはボクに向かい笑った。
不自由なボクは、狙われ護られて……
自由な彼女は、狙って……守る……
だからこそ、相違、相似するボク等は共にいる事が許されたのだろう……。
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