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第3章 聖都シュラリス
20話 秘匿の探り
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ドウメキが目を覚ますと、外はどんよりとした曇りだった。さてどうするかと思い、まずは適当に着替えて隣の部屋をノックする。すると、タイミングを計ったようにカソック姿のテオファンが出てきた。
「あ」
「おはようございます」
「テオファン、今日は……」
「私はノルトラ大聖堂へ行こうと思っています。ドウメキさんは好きにしていいですよ」
ノルトラ大聖堂。聖都の中央にある建物の方へ行くらしい。だが、好きにしていいと言われても、ドウメキには特に聖都でやりたいことなどない。マウラの方はといえば、昨日はさんざん聖都でやりたいことをドウメキに語っていたが。
恐らく彼女は彼女なりにやりたいことをやるのだろう。となると、ドウメキもあまりそちらについていくのは都合が良くないように思えた。邪魔になってしまうのは避けたい。
「俺もついていっていい?」
「……」
テオファンは一瞬渋い顔をしたが、外の天気を一瞥すると「では、行きましょう」とストラを翻した。
昨日と同じ路面機関車に乗ること数分。アパルトマンからは見えなかったが、すぐに巨大な大聖堂が機関車の走る先に現れた。周りの風景も変わってきており、店舗等の商業施設は消え失せはじめ、平らで舗装された地面とシンプルな街灯ばかりになる。
シュラリスの中心地。信仰の本拠地。いくら聖都が物流と交易の要と言えど、聖域である大聖堂の周りには『俗世』を置いてはいけないのだろう。
かたん、と静かに機関車が停車する。軽く汽笛が鳴り、テオファンはそのままさらりと降りた。
「あ、テオファン。お金」
「この停留所では必要ありません」
無賃乗車になるのではと焦ったが、どうやら大聖堂前では運賃はいらないらしい。信仰の近くで金銭のやりとりを禁止しているからだろうか。運転手も特に何も言わず、ふたりが降りたことを確認すると再び黒い煙を吐き出させ、汽車が動かしていった。
余所余所しい風景の中、しゅこしゅこと音を立てて遠ざかる汽車をぼんやりと見ていると、ドウメキを置いてテオファンはさっさと先へと歩いていってしまった。周りの守護聖職者たちの視線をわずかに感じながら、ドウメキは彼の後を追いかける。
大聖堂前という名前がついている停留所といえど、実際は大聖堂の『門』の前に停車するだけだ。その本体はもっと歩いた場所にあり、周りが平べったいおかげですぐに建物は視界に入ってくるが、実距離は遠い為それなりに歩くことになる。
地面は綺麗にレンガで舗装されており、テオファンのボタンブーツの硬い底はコツコツと音を立てた。一方のドウメキのブーツは何ひとつ音を立てずに、硬質な粘土を蹴り上げる。
あまり削れた跡が残っていない舗装レンガは、どうやら何かの大きな図形を描いているようで、くすんだ青と赤のレンガが、白のレンガの中にいくつも混ざっていた。その色分けによって、緩やかで大きな曲線が地面に縁どられている。
また、テオファンを追いかけているドウメキが踏んだすぐ横には『EVOLUTIO』と刻まれた小さな金属のプレートも埋め込まれていた。数メートル先には似たようなプレートがまた青い線の上に置かれていたが、その上に何が書かれているのかまではわからない。
ドウメキはプレートを見て首を傾げると、一歩を大きく踏み出してそれを避けた。
「テオファン。ここが大聖堂?でも、聖典封解儀はまだ先だろ」
「下見ですよ」
「したみぃ?」
下見。それは、ドウメキも何度かしたことはある。
殺しにいく際は、必ず下見をするのだ。相手の生活習慣、住んでいる家、人間関係。すべて調べて、抜かりがないようにする。仕事は完璧に行わなくてはいけない。
誰にそう教えてもらったわけでもないが、ドウメキの心に染みついていることだった。
(でもなぁ)
テオファンと出会ったあの夜も、すべて完璧なはずだった。なのに、奇妙な邪魔が入ったのだ。
(……なんでだろ)
今までミスなどしたことはなかった。あの依頼人にも、決して間違いは犯さないと――
「あ」
はた、と、とても大事なことに気が付いて足を止める。さっと血の気が引く感覚がした。これは、どういうことだ。
テオファンはだいぶ先に行ってしまっている。待ってくれ、今、話さなくてはいけないことがある。テオファン、俺は――。
「おい」
「え?」
だが、伸ばした手がテオファンに届く前に、ドウメキの肩を誰かがポンと叩いた。感触からしてごつごつとした男の手だ。ゆっくりとその手の先を振り返れば、にこりともしていない帽子の人物が深い眉間のしわと共に立っていた。
肩には長い銃をかけており、被った帽子と丈の短いカソック姿から、彼が守護聖職者であることがわかった。
しかし、どうしていきなり声をかけられたのだろう。ドウメキが不安そうな目で見つめていると、守護聖職者はひとつ咳ばらいをする。
「お前の所属は?」
「え」
所属。それは、テオファンの所属のことだろうか。テオファン、と名前を呼べば、赤毛の青年はやや不満そうな表情でくるりと体の向きを変えた。しかし、それ以上こちらに近づいてくる気配はない。
「……なんですか」
「説明。俺、たぶん怪しまれてる」
ちょいちょいと守護聖職者を指さすドウメキ。テオファンは目だけを動かして彼の姿を確認すると、再びドウメキに視線を戻した。
「……はぁ」
ざわり。返ってきた冷たい答えに、ドウメキの背中を汗が流れる。もしかして、この流れは――
「何を言っているんですか」
「ちょっと!おい!」
やはり予想した通り。これは、所謂『他人のフリ』である。その上、都合の悪い事に、ドウメキの声に反応して他の守護聖職者たちも集まってきた。
この聖職者が囲んだ大聖堂の前で、聖職者でもなんでもない男がひとり。怪しいという言葉以外にあり得ないだろう。ドウメキはあっという間に守護聖職者たちに囲まれ、銃をつきつけられてしまった。
「待ってくれ、怪しいものじゃない」
そういって許してもらえるほど大聖堂の警備は緩くない。モダモダとしている間に、テオファンは集まった人の間を縫うように消えてしまった。
(あいつ……!俺のことを結局置いていった!)
相方の冷たさには肩が落ちる。しかし、ここで時間を潰してもいられない。「何者だ」と尖った声で問うてくる守護聖職者の銃を一度跳ね上げると、その隙にグッと背をかがめて彼らの間を押し広げた。脚元を狙われた聖職者たちはもんどり打ってほつれると、ドミノ倒しのように連鎖的に転んでいく。
「あ!待て!」
「い、いやだ!」
髪の毛を引っ張られながらも、その隙にドウメキは人の檻を抜け出して大聖堂――より少し逸れた方面へと走っていく。押し転んだ守護聖職者が彼の後を追おうとしたが、すぐにドウメキの奇妙なシルエットは消えてしまった。
(ドウメキには悪かったが、忍び込めたな)
ドウメキが起こした騒ぎのおかげで、大聖堂の周辺の警備は一時的に薄くなった。テオファンはそれを狙い、ある意味囮として彼を同行させたのだ。多少の罪悪感はあるので後で美味しいものでも奢ってやろう。あのドウメキのことだ、それくらいで機嫌は治る。
手薄になった人の目を盗み、大聖堂の裏口へと歩いていく。走れば逆に目立つ。堂々と、さもここへ来る許可を得ている客人の顔をする。それでいて、帽子は深くまで下げて目元を隠した。
「……」
大聖堂の内部地図に関しては、ありがたいことに書物に記されていた。この建物自体が信仰の象徴であるがゆえ、その地図も『信仰の歴史を知る』という意味で知れ渡っていたのだ。だから、こちらの扉から侵入することがどのような意味を持っているのかは十分に知っていた。
この裏口から繋がっている大聖堂内部の不自然な行き止まり。まるでその先にあるものを隠すかのような地図の書き方。そう、『青い月』と似たような隠された何かが、そこにはあるに違いなかった。
テオファンは軽く左右を確認すると、裏扉の取手を軽く押す。鍵はかかってなかった。そのままわずかに開くと、扉に背をつけたままスルリと中へと侵入した。
「……」
内部はひどく暗かった。小さな窓が遠くの高い天井付近に備え付けられているだけで、その汚れた窓ガラスの向こうには灰色の空が広がっている。曇りの日の自然光など、大した灯りにもならないだろう。
テオファンが一歩踏み出すとぎしりと床が軋み、すぐそばを何かが走っていった。……ネズミだろうか?
まずは視界の確保をしようと両手を軽く組み、聖媒に神力を通す。すると、指にはめた五つのリングが淡い白光を放ち始めた。そのわずかな明かりを頼りに、テオファンは床や壁を照らし上げる。
「……倉庫」
部屋の至るところに、古びた本や壊れた家具が無造作に積まれている。誰かがここに忍び込んだら、この光景を見てただの倉庫だと思ってそのまま部屋を後にしているだろうが、テオファンはそうではなかった。
(おかしい)
扉の鍵は開いていた。つまり、ここを頻繁に使う人がいるということであり、かつ誰でも入っていいということだ。誰かが間違ってここに入っても「倉庫だ」と思って立ち去る為、なんら問題がないからだろう。
だからこそ、この厳重な警備を持っている大聖堂では違和感がある。テオファンは再度周りを照らした。
「ん……」
放置されている家具には埃が積もっている。長年触れられてこなかった証だ。だが、床はどうか。床には埃が積もって白くなっている場所と、そうではない黒っぽい木目が艶々と現れている場所がある。これが意味することは、ここをつい最近誰かが通ったということだ。
「……」
白い埃の痕をたどる。この埃を取った人物はただの倉庫に迷い込んだ者にしては、ずいぶんと奥まで歩いている。一歩踏み出すたびにブーツの底と床板がぶつかり、乾いた音を立てた。
そして籠った臭いのする中、背もたれの金具とその周辺の床だけが妙に綺麗な椅子を見つけた。クッションにはこんもりと埃が積もっている為、この椅子には誰も長い事座っていないのだろう。だから、この椅子に人の手が触れた際には、座るとはまた別の用途で使われたことが考えられる。
(動かす?こうか?)
金属部分を手に持ち、椅子をズルズルと引きずってはみたが、特に反応はない。ただの勘違いかと思い、どうした何もないのかと言わんばかりに軽く椅子を蹴飛ばした。
すると、コトン、と軽い音がした。
「!?」
振り返る。辺りを素早く光で照らす。音の方へ灯りと視線を向ければ、床の一部が僅かに盛り上がっていた。一度周囲を確認すると、近づきしゃがみこんで盛り上がった床板に触れた。ざらりとした木の感触。しかし埃は一切ついておらず、手袋をした手でその縁をなぞっていけば鋭い角に指先があたった。
そのまま隙間に指を引っかけると、テオファンは床――即ち、床に開いた蓋を持ち上げた。
あの床蓋は地下への入り口だったようで、下には金属製の細い梯子が続いていた。塗装は剥げており、ここを何回も人が通ったということを示している。ならば空気もそれほど悪くないだろうと思い、テオファンは梯子を下っていった。
コンコンコンと規則正しい音が何回かしたところで、テオファンの靴の底は梯子より広い面に着いた。上を見上げてみれば、結構な地下まで来たことが窺える。さて、ここからが本番だと思い、テオファンは手を前に突き出してあたりを照らした。
――さて、鬼が出るか蛇が出るか。ここにあるものをしかと脳に焼き付けてやろうじゃないか。
「――壁画……?」
光に照らされ浮かび上がり、びっしりと描かれていたのは、絵だった。
壁にも、天井にも、色彩様々な模様が描かれている。使われている絵の具の材質はわからない。あるのは模様だけではなく、酷く平面的な人や、黒い生物もあった。あれはノルトラ大聖堂だろうか。ざっと見回してみるに、インフルト大陸及びニフェゼド誕生の歴史ようなものを描いているようだ。
「……」
指輪の光で壁を照らしながら、その歴史が現代へと移り変わっていく流れに沿うように歩いていくテオファン。この絵画の特徴から察するに、いまから十世紀は昔に描かれているだろう。それが、今もこうして保存されているということは、誰かが意図的に管理をしていることに違いなかった。
「……聖ペロキア戦争、レーディフの大改訂、大洪水……」
最初は黒い生き物がたくさん地上にいる絵。その隣には様々な色の光が地上へ降り注ぐ絵。人間が理解できる古代よりもっと昔の事なのだろう。超古代を過ぎれば、テオファンにも理解できる歴史上の出来事が記されていた。
たどる。辿る。壁画に触れ、手袋越しに絵の具の凹凸を感じる。どくどくと心臓が脈打っているのがわかる。聖書にある『神話』の歴史がすべて絵で示されている。
テオファンは緑の眼を一度も瞬きせず、照らされた絵を舐めるように見つめた。これだ。己が知りたかったことはここにある。
そうして歩いていくうちに、ここが小さな教会の形をとっていることに気が付いた。誰がどういった目的を持っていたのかはわからないが、ここはノルトラ大聖堂の地下にある秘密の祈りの場らしい。では、キャンバスとは言い難い削れた壁や天井に描かれているのは、隠された歴史であるということか。
「――あ」
やがて、歩いていたテオファンの足がとまった。壁はぐるりと祭壇までつながっており、その祭壇付近の壁には巨大な布がかけられている。この布には埃が積もっており、すなわち今まで誰もこの下の真実を見たことがないことを示していた。
「……」
誘われるように、壇上へと上がる。木製の机が男性一人分の重みを受けて悲鳴をあげた。だが、興奮のあまりに靴を脱ぐことも忘れたテオファンは、無礼にも机の上に立った。
あと少し。あと少しで、ニフェゼドの秘密がわかる。冷えた地下であるのに汗がひどい。ごくりと生唾を飲み込むと、テオファンはその真紅の布に手をかけた――
「なにをしている!!」
いつもは冷静沈着なテオファン。もし、今もその冷静さがあったのならば、人の気配を感じた際にすぐ隠れられるように部屋全体に糸を張り巡らせていただろう。だが、彼は肝心な時に周りが見えなくなるきらいがあった。普段の周到さが逆に振れてしまう『欠点』なのだろう。だから、この地下教会の別の入り口から誰かが入ってきたことにも、怒鳴られるまで気づくことが出来なかった。
びくりと肩を震わせ、驚きのあまり出そうになった悲鳴を飲み込む。そして急いで壇上から降りると、指輪の灯りを消して咄嗟に出口へと走ろうとした。が、
「逃がすな!」
老人の鋭い一喝と共に、ひうんひうんと何かが空気を切る音がし、テオファンに足に重みが絡みつく。踏み出した足から重心を崩したテオファンは、そのままバランスを崩して床に強かに顎をぶつけた。
「いって……」
「うごくな!」
駆けつけた若い男に髪をつかまれ、両手を背後へと回される。両足には投げられた金属製の鎖が絡まっており、万事休すといったところだ。
せめてもの抵抗と首を捻って、自身を捉えた男の方へと視線を向ける。男は聖印を片手に持っており、それから光を発していた。まだ二十代ほどの茶髪の男だった。
聖職者なのだろうが、テオファンのように黒いカソックは身に着けていない。白と赤、金のラインで縁どられたゆったりとしたローブ状の服装――服装が表すのは、ノルトラ大聖堂に努める聖院聖職者の身分。それも、最高主皇の秘書だ。
つまり、次に己の前に来るのは。
「……なんじゃね、君は」
「……ザチャリア、最高主皇殿」
白い髭と、鳥を象った取っ手をつけた銀のステッキ。足元まで隠す純白のローブ。頭の上には縦に長い主皇帽があり、黒に限りなく近い碧眼は重たい瞼の下でぎらりと光っている。
彼こそがザチャリア。ニフェゼド教の最高の立場であり、聖典封解儀の執行人そのもの。
「ここは立ち入り禁止のはずだが」
「迷って、しまって……いや、」
どう考えても迷い込むような場所ではない。ここで下手に嘘をついて誤魔化したところで、すぐにわかって懲罰を受けるだけだろう。ならば、とテオファンは腹を括った。
「私はテオファンと言います。ニフェゼド教の真実を知りにここへ来ました。そして絵画を見つけました。……ザチャリア最高主皇、ニフェゼドの潔白さがあるのならば、この布の下にあるものを私は知れるはず。……主皇」
一切の隠し事をせずに打ち明ける。床に押さえつけられたままの姿勢で、まっすぐな声で問いかける。テオファンを押さえつけている秘書が「黙れ!」と後ろに回した手を捻り上げてきたが、テオファンは呻き声をあげるだけで止まらない。
「ザチャリア主皇、私には、私たちには正しいものを知る権利が――っゥう!?」
強く腕を締め上げられ、言葉が詰まる。非戦闘員とはいえ、秘書というのだからそれなりの護身術は身に着けているのだろう。
すでに言葉による抗議はできそうにもない為、テオファンはザチャリアを見つめた。お願いだ、と。
すると、ザチャリアは何度か長いひげを撫でた後、長く、怠惰そうに息を吐いた。
「なるほど。鼠は鼠なりの意志があるか」
「……」
ザチャリアはテオファンのほうへと視線を向けていない。さきほどの真紅の布、ひいてはその布の下のものを見つめている。テオファンは押さえつけられた姿勢から抵抗もせず、ただ最高主皇の次の答えを待った。
その間、約数秒。だがテオファンには何時間にも感じられた。
「……お主が、聖典封解儀でしかと働けば、答は自ずと見えてくるだろう」
「それは、つまり……私が聖典封解儀で優秀な成績を残せば、この布の下を明かしてくれると?」
「トーマス。鼠を離せ」
ふっと体にかかっていた重圧が外れ、足の鎖も取り除かれる。はっとしたテオファンが急いで起き上がろうとしたが、すかさず秘書の男がその腕を掴みあげる。
「そいつを地上まで連れていけ」
「ザチャリア主皇、先ほどの問いには『肯定』と受け取っていいのでしょうか!?」
「キュリアキのように抜け目のない小童だ。トーマス、目隠しをさせろ。余計なものを見せんように」
「はい」
テオファンの目元に布が巻き付けられ、手首には再び鎖が巻かれる。どうやら別口から出られるらしいが、視界をふさがれた状態で歩かされるようだ。多少の不快感はあるが、牢に入れられないぶんマシなのだろう。
それに――あのザチャリアが多少なりとも『チャンス』をくれた。そう受け取って間違いはない。
「いくぞ」
目隠しをされた状態で腕を強く引かれる。神力の糸を出そうかと思ったが、相手が高位聖職者ならば小細工はすぐにわかるだろう。ここは潔く諦め、このトーマス秘書に従うことにしよう。
「……ザチャリア主皇。聖典封解儀に、私は全力をかけます」
空気の流れを感じる中、動かぬ老人にそう声をかける。返事はないまま、扉が開く音がした。
「あ」
「おはようございます」
「テオファン、今日は……」
「私はノルトラ大聖堂へ行こうと思っています。ドウメキさんは好きにしていいですよ」
ノルトラ大聖堂。聖都の中央にある建物の方へ行くらしい。だが、好きにしていいと言われても、ドウメキには特に聖都でやりたいことなどない。マウラの方はといえば、昨日はさんざん聖都でやりたいことをドウメキに語っていたが。
恐らく彼女は彼女なりにやりたいことをやるのだろう。となると、ドウメキもあまりそちらについていくのは都合が良くないように思えた。邪魔になってしまうのは避けたい。
「俺もついていっていい?」
「……」
テオファンは一瞬渋い顔をしたが、外の天気を一瞥すると「では、行きましょう」とストラを翻した。
昨日と同じ路面機関車に乗ること数分。アパルトマンからは見えなかったが、すぐに巨大な大聖堂が機関車の走る先に現れた。周りの風景も変わってきており、店舗等の商業施設は消え失せはじめ、平らで舗装された地面とシンプルな街灯ばかりになる。
シュラリスの中心地。信仰の本拠地。いくら聖都が物流と交易の要と言えど、聖域である大聖堂の周りには『俗世』を置いてはいけないのだろう。
かたん、と静かに機関車が停車する。軽く汽笛が鳴り、テオファンはそのままさらりと降りた。
「あ、テオファン。お金」
「この停留所では必要ありません」
無賃乗車になるのではと焦ったが、どうやら大聖堂前では運賃はいらないらしい。信仰の近くで金銭のやりとりを禁止しているからだろうか。運転手も特に何も言わず、ふたりが降りたことを確認すると再び黒い煙を吐き出させ、汽車が動かしていった。
余所余所しい風景の中、しゅこしゅこと音を立てて遠ざかる汽車をぼんやりと見ていると、ドウメキを置いてテオファンはさっさと先へと歩いていってしまった。周りの守護聖職者たちの視線をわずかに感じながら、ドウメキは彼の後を追いかける。
大聖堂前という名前がついている停留所といえど、実際は大聖堂の『門』の前に停車するだけだ。その本体はもっと歩いた場所にあり、周りが平べったいおかげですぐに建物は視界に入ってくるが、実距離は遠い為それなりに歩くことになる。
地面は綺麗にレンガで舗装されており、テオファンのボタンブーツの硬い底はコツコツと音を立てた。一方のドウメキのブーツは何ひとつ音を立てずに、硬質な粘土を蹴り上げる。
あまり削れた跡が残っていない舗装レンガは、どうやら何かの大きな図形を描いているようで、くすんだ青と赤のレンガが、白のレンガの中にいくつも混ざっていた。その色分けによって、緩やかで大きな曲線が地面に縁どられている。
また、テオファンを追いかけているドウメキが踏んだすぐ横には『EVOLUTIO』と刻まれた小さな金属のプレートも埋め込まれていた。数メートル先には似たようなプレートがまた青い線の上に置かれていたが、その上に何が書かれているのかまではわからない。
ドウメキはプレートを見て首を傾げると、一歩を大きく踏み出してそれを避けた。
「テオファン。ここが大聖堂?でも、聖典封解儀はまだ先だろ」
「下見ですよ」
「したみぃ?」
下見。それは、ドウメキも何度かしたことはある。
殺しにいく際は、必ず下見をするのだ。相手の生活習慣、住んでいる家、人間関係。すべて調べて、抜かりがないようにする。仕事は完璧に行わなくてはいけない。
誰にそう教えてもらったわけでもないが、ドウメキの心に染みついていることだった。
(でもなぁ)
テオファンと出会ったあの夜も、すべて完璧なはずだった。なのに、奇妙な邪魔が入ったのだ。
(……なんでだろ)
今までミスなどしたことはなかった。あの依頼人にも、決して間違いは犯さないと――
「あ」
はた、と、とても大事なことに気が付いて足を止める。さっと血の気が引く感覚がした。これは、どういうことだ。
テオファンはだいぶ先に行ってしまっている。待ってくれ、今、話さなくてはいけないことがある。テオファン、俺は――。
「おい」
「え?」
だが、伸ばした手がテオファンに届く前に、ドウメキの肩を誰かがポンと叩いた。感触からしてごつごつとした男の手だ。ゆっくりとその手の先を振り返れば、にこりともしていない帽子の人物が深い眉間のしわと共に立っていた。
肩には長い銃をかけており、被った帽子と丈の短いカソック姿から、彼が守護聖職者であることがわかった。
しかし、どうしていきなり声をかけられたのだろう。ドウメキが不安そうな目で見つめていると、守護聖職者はひとつ咳ばらいをする。
「お前の所属は?」
「え」
所属。それは、テオファンの所属のことだろうか。テオファン、と名前を呼べば、赤毛の青年はやや不満そうな表情でくるりと体の向きを変えた。しかし、それ以上こちらに近づいてくる気配はない。
「……なんですか」
「説明。俺、たぶん怪しまれてる」
ちょいちょいと守護聖職者を指さすドウメキ。テオファンは目だけを動かして彼の姿を確認すると、再びドウメキに視線を戻した。
「……はぁ」
ざわり。返ってきた冷たい答えに、ドウメキの背中を汗が流れる。もしかして、この流れは――
「何を言っているんですか」
「ちょっと!おい!」
やはり予想した通り。これは、所謂『他人のフリ』である。その上、都合の悪い事に、ドウメキの声に反応して他の守護聖職者たちも集まってきた。
この聖職者が囲んだ大聖堂の前で、聖職者でもなんでもない男がひとり。怪しいという言葉以外にあり得ないだろう。ドウメキはあっという間に守護聖職者たちに囲まれ、銃をつきつけられてしまった。
「待ってくれ、怪しいものじゃない」
そういって許してもらえるほど大聖堂の警備は緩くない。モダモダとしている間に、テオファンは集まった人の間を縫うように消えてしまった。
(あいつ……!俺のことを結局置いていった!)
相方の冷たさには肩が落ちる。しかし、ここで時間を潰してもいられない。「何者だ」と尖った声で問うてくる守護聖職者の銃を一度跳ね上げると、その隙にグッと背をかがめて彼らの間を押し広げた。脚元を狙われた聖職者たちはもんどり打ってほつれると、ドミノ倒しのように連鎖的に転んでいく。
「あ!待て!」
「い、いやだ!」
髪の毛を引っ張られながらも、その隙にドウメキは人の檻を抜け出して大聖堂――より少し逸れた方面へと走っていく。押し転んだ守護聖職者が彼の後を追おうとしたが、すぐにドウメキの奇妙なシルエットは消えてしまった。
(ドウメキには悪かったが、忍び込めたな)
ドウメキが起こした騒ぎのおかげで、大聖堂の周辺の警備は一時的に薄くなった。テオファンはそれを狙い、ある意味囮として彼を同行させたのだ。多少の罪悪感はあるので後で美味しいものでも奢ってやろう。あのドウメキのことだ、それくらいで機嫌は治る。
手薄になった人の目を盗み、大聖堂の裏口へと歩いていく。走れば逆に目立つ。堂々と、さもここへ来る許可を得ている客人の顔をする。それでいて、帽子は深くまで下げて目元を隠した。
「……」
大聖堂の内部地図に関しては、ありがたいことに書物に記されていた。この建物自体が信仰の象徴であるがゆえ、その地図も『信仰の歴史を知る』という意味で知れ渡っていたのだ。だから、こちらの扉から侵入することがどのような意味を持っているのかは十分に知っていた。
この裏口から繋がっている大聖堂内部の不自然な行き止まり。まるでその先にあるものを隠すかのような地図の書き方。そう、『青い月』と似たような隠された何かが、そこにはあるに違いなかった。
テオファンは軽く左右を確認すると、裏扉の取手を軽く押す。鍵はかかってなかった。そのままわずかに開くと、扉に背をつけたままスルリと中へと侵入した。
「……」
内部はひどく暗かった。小さな窓が遠くの高い天井付近に備え付けられているだけで、その汚れた窓ガラスの向こうには灰色の空が広がっている。曇りの日の自然光など、大した灯りにもならないだろう。
テオファンが一歩踏み出すとぎしりと床が軋み、すぐそばを何かが走っていった。……ネズミだろうか?
まずは視界の確保をしようと両手を軽く組み、聖媒に神力を通す。すると、指にはめた五つのリングが淡い白光を放ち始めた。そのわずかな明かりを頼りに、テオファンは床や壁を照らし上げる。
「……倉庫」
部屋の至るところに、古びた本や壊れた家具が無造作に積まれている。誰かがここに忍び込んだら、この光景を見てただの倉庫だと思ってそのまま部屋を後にしているだろうが、テオファンはそうではなかった。
(おかしい)
扉の鍵は開いていた。つまり、ここを頻繁に使う人がいるということであり、かつ誰でも入っていいということだ。誰かが間違ってここに入っても「倉庫だ」と思って立ち去る為、なんら問題がないからだろう。
だからこそ、この厳重な警備を持っている大聖堂では違和感がある。テオファンは再度周りを照らした。
「ん……」
放置されている家具には埃が積もっている。長年触れられてこなかった証だ。だが、床はどうか。床には埃が積もって白くなっている場所と、そうではない黒っぽい木目が艶々と現れている場所がある。これが意味することは、ここをつい最近誰かが通ったということだ。
「……」
白い埃の痕をたどる。この埃を取った人物はただの倉庫に迷い込んだ者にしては、ずいぶんと奥まで歩いている。一歩踏み出すたびにブーツの底と床板がぶつかり、乾いた音を立てた。
そして籠った臭いのする中、背もたれの金具とその周辺の床だけが妙に綺麗な椅子を見つけた。クッションにはこんもりと埃が積もっている為、この椅子には誰も長い事座っていないのだろう。だから、この椅子に人の手が触れた際には、座るとはまた別の用途で使われたことが考えられる。
(動かす?こうか?)
金属部分を手に持ち、椅子をズルズルと引きずってはみたが、特に反応はない。ただの勘違いかと思い、どうした何もないのかと言わんばかりに軽く椅子を蹴飛ばした。
すると、コトン、と軽い音がした。
「!?」
振り返る。辺りを素早く光で照らす。音の方へ灯りと視線を向ければ、床の一部が僅かに盛り上がっていた。一度周囲を確認すると、近づきしゃがみこんで盛り上がった床板に触れた。ざらりとした木の感触。しかし埃は一切ついておらず、手袋をした手でその縁をなぞっていけば鋭い角に指先があたった。
そのまま隙間に指を引っかけると、テオファンは床――即ち、床に開いた蓋を持ち上げた。
あの床蓋は地下への入り口だったようで、下には金属製の細い梯子が続いていた。塗装は剥げており、ここを何回も人が通ったということを示している。ならば空気もそれほど悪くないだろうと思い、テオファンは梯子を下っていった。
コンコンコンと規則正しい音が何回かしたところで、テオファンの靴の底は梯子より広い面に着いた。上を見上げてみれば、結構な地下まで来たことが窺える。さて、ここからが本番だと思い、テオファンは手を前に突き出してあたりを照らした。
――さて、鬼が出るか蛇が出るか。ここにあるものをしかと脳に焼き付けてやろうじゃないか。
「――壁画……?」
光に照らされ浮かび上がり、びっしりと描かれていたのは、絵だった。
壁にも、天井にも、色彩様々な模様が描かれている。使われている絵の具の材質はわからない。あるのは模様だけではなく、酷く平面的な人や、黒い生物もあった。あれはノルトラ大聖堂だろうか。ざっと見回してみるに、インフルト大陸及びニフェゼド誕生の歴史ようなものを描いているようだ。
「……」
指輪の光で壁を照らしながら、その歴史が現代へと移り変わっていく流れに沿うように歩いていくテオファン。この絵画の特徴から察するに、いまから十世紀は昔に描かれているだろう。それが、今もこうして保存されているということは、誰かが意図的に管理をしていることに違いなかった。
「……聖ペロキア戦争、レーディフの大改訂、大洪水……」
最初は黒い生き物がたくさん地上にいる絵。その隣には様々な色の光が地上へ降り注ぐ絵。人間が理解できる古代よりもっと昔の事なのだろう。超古代を過ぎれば、テオファンにも理解できる歴史上の出来事が記されていた。
たどる。辿る。壁画に触れ、手袋越しに絵の具の凹凸を感じる。どくどくと心臓が脈打っているのがわかる。聖書にある『神話』の歴史がすべて絵で示されている。
テオファンは緑の眼を一度も瞬きせず、照らされた絵を舐めるように見つめた。これだ。己が知りたかったことはここにある。
そうして歩いていくうちに、ここが小さな教会の形をとっていることに気が付いた。誰がどういった目的を持っていたのかはわからないが、ここはノルトラ大聖堂の地下にある秘密の祈りの場らしい。では、キャンバスとは言い難い削れた壁や天井に描かれているのは、隠された歴史であるということか。
「――あ」
やがて、歩いていたテオファンの足がとまった。壁はぐるりと祭壇までつながっており、その祭壇付近の壁には巨大な布がかけられている。この布には埃が積もっており、すなわち今まで誰もこの下の真実を見たことがないことを示していた。
「……」
誘われるように、壇上へと上がる。木製の机が男性一人分の重みを受けて悲鳴をあげた。だが、興奮のあまりに靴を脱ぐことも忘れたテオファンは、無礼にも机の上に立った。
あと少し。あと少しで、ニフェゼドの秘密がわかる。冷えた地下であるのに汗がひどい。ごくりと生唾を飲み込むと、テオファンはその真紅の布に手をかけた――
「なにをしている!!」
いつもは冷静沈着なテオファン。もし、今もその冷静さがあったのならば、人の気配を感じた際にすぐ隠れられるように部屋全体に糸を張り巡らせていただろう。だが、彼は肝心な時に周りが見えなくなるきらいがあった。普段の周到さが逆に振れてしまう『欠点』なのだろう。だから、この地下教会の別の入り口から誰かが入ってきたことにも、怒鳴られるまで気づくことが出来なかった。
びくりと肩を震わせ、驚きのあまり出そうになった悲鳴を飲み込む。そして急いで壇上から降りると、指輪の灯りを消して咄嗟に出口へと走ろうとした。が、
「逃がすな!」
老人の鋭い一喝と共に、ひうんひうんと何かが空気を切る音がし、テオファンに足に重みが絡みつく。踏み出した足から重心を崩したテオファンは、そのままバランスを崩して床に強かに顎をぶつけた。
「いって……」
「うごくな!」
駆けつけた若い男に髪をつかまれ、両手を背後へと回される。両足には投げられた金属製の鎖が絡まっており、万事休すといったところだ。
せめてもの抵抗と首を捻って、自身を捉えた男の方へと視線を向ける。男は聖印を片手に持っており、それから光を発していた。まだ二十代ほどの茶髪の男だった。
聖職者なのだろうが、テオファンのように黒いカソックは身に着けていない。白と赤、金のラインで縁どられたゆったりとしたローブ状の服装――服装が表すのは、ノルトラ大聖堂に努める聖院聖職者の身分。それも、最高主皇の秘書だ。
つまり、次に己の前に来るのは。
「……なんじゃね、君は」
「……ザチャリア、最高主皇殿」
白い髭と、鳥を象った取っ手をつけた銀のステッキ。足元まで隠す純白のローブ。頭の上には縦に長い主皇帽があり、黒に限りなく近い碧眼は重たい瞼の下でぎらりと光っている。
彼こそがザチャリア。ニフェゼド教の最高の立場であり、聖典封解儀の執行人そのもの。
「ここは立ち入り禁止のはずだが」
「迷って、しまって……いや、」
どう考えても迷い込むような場所ではない。ここで下手に嘘をついて誤魔化したところで、すぐにわかって懲罰を受けるだけだろう。ならば、とテオファンは腹を括った。
「私はテオファンと言います。ニフェゼド教の真実を知りにここへ来ました。そして絵画を見つけました。……ザチャリア最高主皇、ニフェゼドの潔白さがあるのならば、この布の下にあるものを私は知れるはず。……主皇」
一切の隠し事をせずに打ち明ける。床に押さえつけられたままの姿勢で、まっすぐな声で問いかける。テオファンを押さえつけている秘書が「黙れ!」と後ろに回した手を捻り上げてきたが、テオファンは呻き声をあげるだけで止まらない。
「ザチャリア主皇、私には、私たちには正しいものを知る権利が――っゥう!?」
強く腕を締め上げられ、言葉が詰まる。非戦闘員とはいえ、秘書というのだからそれなりの護身術は身に着けているのだろう。
すでに言葉による抗議はできそうにもない為、テオファンはザチャリアを見つめた。お願いだ、と。
すると、ザチャリアは何度か長いひげを撫でた後、長く、怠惰そうに息を吐いた。
「なるほど。鼠は鼠なりの意志があるか」
「……」
ザチャリアはテオファンのほうへと視線を向けていない。さきほどの真紅の布、ひいてはその布の下のものを見つめている。テオファンは押さえつけられた姿勢から抵抗もせず、ただ最高主皇の次の答えを待った。
その間、約数秒。だがテオファンには何時間にも感じられた。
「……お主が、聖典封解儀でしかと働けば、答は自ずと見えてくるだろう」
「それは、つまり……私が聖典封解儀で優秀な成績を残せば、この布の下を明かしてくれると?」
「トーマス。鼠を離せ」
ふっと体にかかっていた重圧が外れ、足の鎖も取り除かれる。はっとしたテオファンが急いで起き上がろうとしたが、すかさず秘書の男がその腕を掴みあげる。
「そいつを地上まで連れていけ」
「ザチャリア主皇、先ほどの問いには『肯定』と受け取っていいのでしょうか!?」
「キュリアキのように抜け目のない小童だ。トーマス、目隠しをさせろ。余計なものを見せんように」
「はい」
テオファンの目元に布が巻き付けられ、手首には再び鎖が巻かれる。どうやら別口から出られるらしいが、視界をふさがれた状態で歩かされるようだ。多少の不快感はあるが、牢に入れられないぶんマシなのだろう。
それに――あのザチャリアが多少なりとも『チャンス』をくれた。そう受け取って間違いはない。
「いくぞ」
目隠しをされた状態で腕を強く引かれる。神力の糸を出そうかと思ったが、相手が高位聖職者ならば小細工はすぐにわかるだろう。ここは潔く諦め、このトーマス秘書に従うことにしよう。
「……ザチャリア主皇。聖典封解儀に、私は全力をかけます」
空気の流れを感じる中、動かぬ老人にそう声をかける。返事はないまま、扉が開く音がした。
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