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11・かゆくなる薬
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(……?)
痛みや熱感は引いた。だが。
(……かゆ、い?)
傷口が治る過程で発生する痒み。アレに似たものが、じわじわと乳首と乳輪の表面に発生してきた。
気のせいかと思ったが、痒みはどんどん強くなる。やがて我慢できないほどの強さになり、リオは再び拘束具の中で暴れる羽目になった。
「んんんーっ!!」
「何を言っているかまるで分らんというのも興醒めだな。口枷を外すぞ」
アーネストがつまらなさそうに猿轡をはずす。
溜まっていた唾液が唇の端から零れ落ちるのも構わずに、リオは悲鳴を上げた。
「か、痒い! 胸が痒い!」
「そういう薬だ。不必要な痛みを取り除くと同時に、せっかく鋭敏化した神経が眠らないように適度な刺激を与え続ける」
「これのどこが適度なんだ!」
性感や痛みには多少耐えることはできても、痒みは耐えようがない。
胸がじりじりする。かきむしりたくてたまらない。リオは頭が狂いそうになった。
「やだ! 手枷を外してくれ、アーネスト!!」
「まだ早い。そのまましばらく痒みを受け入れろ」
「無理だ……! ああ、おかしくなりそうだ。なんでもいい、触手でも洗濯ばさみでもいい。とにかく、これをどうにかしてくれ!」
「やれやれ。……では、乳首開発の第一段階を耐えた褒美に、こちらに刺激を与えてやる」
ずぞ、という湿った音がした。いつの間にか分娩台近くまで触手が這い寄ってきていた。触手はリオの脚と脚の間から立ち上がり、剥き出しの肛門に極太触手を当て、なぜか甘勃ちしているペニスに細い触手を何本かまとわりつかせる。
ペニスへを直接刺激するのは、基本的に『褒美』の時だけだ。
強烈な痒みに身もだえていたリオは、それから逃れるように、下半身に意識を集中させた。
「ああ……くれるのなら、早く! はやく!」
「あれだけ躾けたというのに、色気のないおねだりだな?」
「ッ、お……おちんぽと、おまんこを、いっぱい可愛がってください!」
焦るあまり淫語がおざなりになってしまったが、それだけリオは必死だった。少しでも気がまぎれるのであれば、腹が破れペニスが溶け落ちるまで犯してくれて構わないとすら願った。
果たして、触手は待ち望んだ刺激をリオに恵んでくれた。
ずるるるる……と、信じられない質量の触手が後孔に吸い込まれていき、リオの腹を内側から膨らませる。亀頭や竿や睾丸にも粘ついた触手が絡みつき、上下に激しくしごき始めた。
慣れ親しんだ快楽が下半身を蹂躙していく。拘束された両脚が痙攣し、爪先がぴんと反った。
「あああっ!」
ずぼ、ずぼ、ずぼ。
肉壁をかき分けて巨大な触手が往復する。それに合わせて腹が膨らんだりへこんだりする。ちょうど前立腺あたりに硬い瘤があり、それが性感帯をえぐるたびに甘い快楽電流が下腹部を走り抜けた。
待ち望んだ快楽。しかも前への刺激という御褒美つき。
だが、いつもなら頭が真っ白になるのに、今回はそのようにならなかった。
乳首の痒みがひどすぎて、意識が千々に分散してしまう。
下半身は気持ちよくて、上半身は痒くてたまらなくて、でも全身が拘束されているのでどうしようもできない。
リオは半狂乱になった。
「あっ、あっ、手、……ッ、んぁ、手を、外してくれ……手だけでいいから……!」
「許可できんな」
「そこをどうか……! あ、あ、あ、あ、もう、気が狂いそうだ……!」
「どうしても乳首を掻きたいか?」
アーネストの問いに、リオは無我夢中で頷いた。
「掻きたい……! 掻かねば、死んでしまう!」
「乳首以外は触らないと誓えるか」
「乳首以外は触らない!」
「よし、良いだろう」
ようやく、両手の拘束を外してもらえた。
リオは即座に両手をそれぞれの乳首の上に置き、真っ赤に腫れあがったそこを指先で掻きむしった。
「あっ……ああ……!」
「要求が通った時にはどう言えばいいのだったかな?」
「あ、ありがとうございます、『ご主人様』……気持ちいいです。ああ、気持ちいいです!」
爪を立て、思う存分痒い所を掻く。指先をとめると痒みが再発してしまうが、触り続けている限りは大丈夫で、下半身を犯されている気持ちよさが無事に脳まで届いた。
親指と人差し指で自分の乳首を摘まみ、ぷっくり膨れた乳輪が引き連れるほど強く引っ張る。上下左右、思うがままに角度を変えて刺激して、リオは蕩けた表情を浮かべた。
「あっ……あぁ、気持ちいいです……!」
「――後ろだけでイけるようになったのと同様、乳首もまた、訓練すればそこだけで絶頂できるようになる」
アーネストの声はとても静かで、無我夢中で快楽を貪るリオの無防備な脳にすんなり響く。
「人によっては一日二日程度の調教でその領域まで行くが、お前の場合はすこし難渋しそうだな。まったくの未開発だった上に、感覚自体が鈍かった」
「あっ……ぁあっ……」
「『乳首を触ると気持ちがいい』。まずはそれを身体に叩き込め。いいな、リオ。復唱しろ」
「は……い……。乳首を、触ると……んっ、気持ちがいいです……!」
「今日一日は、好きに胸をいじくりまわすことを許す。後悔しないよう、思う存分可愛がってやれ。明日からは乳首での自慰も俺の管理下に置くぞ」
「はい……ッ」
乳首をいじくりまわしながら、リオはアーネストの言葉を深く吟味することもできず、機械的に頷いた。今は彼に反抗するだけの余裕がない。少しでも手を止めれば頭がおかしくなってしまう。そんな強迫観念でいっぱいになったリオは、唯一自由になった両手で自分の胸を絶え間なく可愛がり続けた。
「――さて、『表』行きになるまで、お前はどこまで進むことができるかな」
ぼそりとアーネストが呟くが、その声は小さすぎて、リオの耳に届いてはいなかった。
ただ、かつて無垢な騎士だった青年は、不定形の触手による下半身凌辱を受け入れ、真っ赤に腫れあがった胸元を自らの手で掻きむしって悦んでいた。
痛みや熱感は引いた。だが。
(……かゆ、い?)
傷口が治る過程で発生する痒み。アレに似たものが、じわじわと乳首と乳輪の表面に発生してきた。
気のせいかと思ったが、痒みはどんどん強くなる。やがて我慢できないほどの強さになり、リオは再び拘束具の中で暴れる羽目になった。
「んんんーっ!!」
「何を言っているかまるで分らんというのも興醒めだな。口枷を外すぞ」
アーネストがつまらなさそうに猿轡をはずす。
溜まっていた唾液が唇の端から零れ落ちるのも構わずに、リオは悲鳴を上げた。
「か、痒い! 胸が痒い!」
「そういう薬だ。不必要な痛みを取り除くと同時に、せっかく鋭敏化した神経が眠らないように適度な刺激を与え続ける」
「これのどこが適度なんだ!」
性感や痛みには多少耐えることはできても、痒みは耐えようがない。
胸がじりじりする。かきむしりたくてたまらない。リオは頭が狂いそうになった。
「やだ! 手枷を外してくれ、アーネスト!!」
「まだ早い。そのまましばらく痒みを受け入れろ」
「無理だ……! ああ、おかしくなりそうだ。なんでもいい、触手でも洗濯ばさみでもいい。とにかく、これをどうにかしてくれ!」
「やれやれ。……では、乳首開発の第一段階を耐えた褒美に、こちらに刺激を与えてやる」
ずぞ、という湿った音がした。いつの間にか分娩台近くまで触手が這い寄ってきていた。触手はリオの脚と脚の間から立ち上がり、剥き出しの肛門に極太触手を当て、なぜか甘勃ちしているペニスに細い触手を何本かまとわりつかせる。
ペニスへを直接刺激するのは、基本的に『褒美』の時だけだ。
強烈な痒みに身もだえていたリオは、それから逃れるように、下半身に意識を集中させた。
「ああ……くれるのなら、早く! はやく!」
「あれだけ躾けたというのに、色気のないおねだりだな?」
「ッ、お……おちんぽと、おまんこを、いっぱい可愛がってください!」
焦るあまり淫語がおざなりになってしまったが、それだけリオは必死だった。少しでも気がまぎれるのであれば、腹が破れペニスが溶け落ちるまで犯してくれて構わないとすら願った。
果たして、触手は待ち望んだ刺激をリオに恵んでくれた。
ずるるるる……と、信じられない質量の触手が後孔に吸い込まれていき、リオの腹を内側から膨らませる。亀頭や竿や睾丸にも粘ついた触手が絡みつき、上下に激しくしごき始めた。
慣れ親しんだ快楽が下半身を蹂躙していく。拘束された両脚が痙攣し、爪先がぴんと反った。
「あああっ!」
ずぼ、ずぼ、ずぼ。
肉壁をかき分けて巨大な触手が往復する。それに合わせて腹が膨らんだりへこんだりする。ちょうど前立腺あたりに硬い瘤があり、それが性感帯をえぐるたびに甘い快楽電流が下腹部を走り抜けた。
待ち望んだ快楽。しかも前への刺激という御褒美つき。
だが、いつもなら頭が真っ白になるのに、今回はそのようにならなかった。
乳首の痒みがひどすぎて、意識が千々に分散してしまう。
下半身は気持ちよくて、上半身は痒くてたまらなくて、でも全身が拘束されているのでどうしようもできない。
リオは半狂乱になった。
「あっ、あっ、手、……ッ、んぁ、手を、外してくれ……手だけでいいから……!」
「許可できんな」
「そこをどうか……! あ、あ、あ、あ、もう、気が狂いそうだ……!」
「どうしても乳首を掻きたいか?」
アーネストの問いに、リオは無我夢中で頷いた。
「掻きたい……! 掻かねば、死んでしまう!」
「乳首以外は触らないと誓えるか」
「乳首以外は触らない!」
「よし、良いだろう」
ようやく、両手の拘束を外してもらえた。
リオは即座に両手をそれぞれの乳首の上に置き、真っ赤に腫れあがったそこを指先で掻きむしった。
「あっ……ああ……!」
「要求が通った時にはどう言えばいいのだったかな?」
「あ、ありがとうございます、『ご主人様』……気持ちいいです。ああ、気持ちいいです!」
爪を立て、思う存分痒い所を掻く。指先をとめると痒みが再発してしまうが、触り続けている限りは大丈夫で、下半身を犯されている気持ちよさが無事に脳まで届いた。
親指と人差し指で自分の乳首を摘まみ、ぷっくり膨れた乳輪が引き連れるほど強く引っ張る。上下左右、思うがままに角度を変えて刺激して、リオは蕩けた表情を浮かべた。
「あっ……あぁ、気持ちいいです……!」
「――後ろだけでイけるようになったのと同様、乳首もまた、訓練すればそこだけで絶頂できるようになる」
アーネストの声はとても静かで、無我夢中で快楽を貪るリオの無防備な脳にすんなり響く。
「人によっては一日二日程度の調教でその領域まで行くが、お前の場合はすこし難渋しそうだな。まったくの未開発だった上に、感覚自体が鈍かった」
「あっ……ぁあっ……」
「『乳首を触ると気持ちがいい』。まずはそれを身体に叩き込め。いいな、リオ。復唱しろ」
「は……い……。乳首を、触ると……んっ、気持ちがいいです……!」
「今日一日は、好きに胸をいじくりまわすことを許す。後悔しないよう、思う存分可愛がってやれ。明日からは乳首での自慰も俺の管理下に置くぞ」
「はい……ッ」
乳首をいじくりまわしながら、リオはアーネストの言葉を深く吟味することもできず、機械的に頷いた。今は彼に反抗するだけの余裕がない。少しでも手を止めれば頭がおかしくなってしまう。そんな強迫観念でいっぱいになったリオは、唯一自由になった両手で自分の胸を絶え間なく可愛がり続けた。
「――さて、『表』行きになるまで、お前はどこまで進むことができるかな」
ぼそりとアーネストが呟くが、その声は小さすぎて、リオの耳に届いてはいなかった。
ただ、かつて無垢な騎士だった青年は、不定形の触手による下半身凌辱を受け入れ、真っ赤に腫れあがった胸元を自らの手で掻きむしって悦んでいた。
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