騎士調教~淫獄に堕ちた無垢の成れ果て~

ビビアン

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6・おしおき

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「……また勝手に前でイこうとしたな?」

地獄の底から響くような声でアーネストが言う。
リオはとっさに這いずって逃げようとしたが、すぐさま何本もの触手が全身に纏わりついてアーネストの方へ引きずられた。
尻をアーネストへ突き出す姿勢にさせられ、リオはこれから何をされるか察してさーっと青ざめた。
中途半端に芯を残したペニスがぷらんと揺れた。

「あ、あ、アーネスト……ごめんなさ、」

「この期に及んでまだ射精しようとするなど、メスの自覚が足りん」

アーネストがパドルを振りかぶり、リオの尻に打ち下ろした。
凄まじい音と痛みが走った。

「いだっ」

「何度も言っているだろう」

アーネストは冷たくいいながら、立て続けにリオを打った。

「お前はメスだと。子種を漏らす側ではなく、子種を注いでもらう側だと」

「いっ、あっ、いたい、いだい、痛い!!」

アーネストの使うパドルは平たく大きくて、打たれるたびに激しい音が鳴り、真っ赤な痕がくっきりと残る。リオはここに閉じ込められてから何度もこれで打ち据えられた。

「あ、アーネスト、ッ、ごめ、ごめんなさいっ!」

途切れ途切れながらもなんとか謝罪の言葉を出し切ると、打擲がぴたりとやんだ。
リオはほっと息を吐く。剥き出しの尻がひりひりと痛い。きっと真っ赤に腫れあがっていることだろう。自分の臀部が子猿のようになっているところを想像して、リオは惨めな気持ちになった。

だが、もっと惨めになるのは、これからだ。

「違うだろう? リオ」

ほらきた、とリオは秘かに奥歯を噛みしめた。

「謝りたいときはどういう言葉を使うのか、ちゃんと教えただろう」

唐突に触手が動き、リオはそのまま寝台に放り出された。ずっと尻穴の中に入っていたものも抜け、腹の中の圧迫感が消失する。
触手らはベッドの下に潜り込んだ。役目がない時はいつもそこに隠れ、次の出番を静かに待っている。
予めそういう仕掛けになっていたのか、リオの両手を戒めていた拘束具がひとりでにはずれた。

一方、ベッドの上に放り出されたリオは、シーツの上に座り込んでアーネストを睨みつけた。
黒衣の冷酷な魔術師は、これ見よがしにパドルを手の中でパシパシと弄びながら血色の双眸を細めた。

「――まだそんな目ができるのか」

「……くっ」

下衆め、とリオは心の中で吐き捨てた。
穢らわしい魔術を使い、おぞましい生物を操り、ためらうこともなく暴力を振るい、リオに数々の羞辱を叩き込んだ張本人。
けれど彼にとっては、まだまだ序の口であるらしい。アーネストは、リオがまだ矜持を捨てていないことを見抜いていた。それを叩き折るために、さらなる恥辱を与えようとしている。

(負けるものか……!)

リオの中で萎えかかっていた反抗の意思が再び勢いを取り戻す。

自慰すら知らなかった身体は、肉欲の味を覚え込まされた。
大勢の人に慈しまれて真っすぐ育った心には、卑猥な知識が埋め込まれた。
すでにリオは無垢な魂ではなくなっている。

けれど、心だけは。

(今は雌伏の時だ……。屈辱に耐えていれば、いつかは『時』が来るはずだ)

いつまでも黙っているリオに業を煮やしたのか、一歩、アーネストが寝台に近付いてパドルで空を切った。

「どうした。言葉を忘れたか。それとも、これで打たれる方がお好みか?」

(耐えろ……!)

リオはのろのろと動いた。

シーツの上で座り直し、M字型に開脚した。さらに両手で自分の太腿を支えつつ、尻を左右に割り開く。
甘勃ちしたペニスとぽっかりと広がったアナルを自らさらけだし、リオは震える声で言った。

「わ……わたしは、ご主人様の言いつけを破りました」

ご主人様とはアーネストのことであり、ひいては革命軍、民衆全てのことである。民衆の代弁者である革命軍の総意によってアーネストがリオを調教しているから、という理屈だ。

騎士としてのリオの主君は、父と異母兄たちのみ。
ご主人様と口にするだけで、リオの中で大切な何かが軋んだ。

「下の拡張と上の奉仕練習をしなければならない貴重な時間に……」

「もっと具体的に」

「……ッ、お、お尻をいっぱい拡げてもらって、触手を舐めたりキスしたりしなくてはならない時間に、わたしは、自分の……だ、男性器を」

「まだそんな上品ぶった言葉を使いたがるか」

「お、おちんぽを弄って、気持ちよくなろうとしました……!」

アーネストがじっとりとリオを見る。
これではまだ足りないのだ。もっと淫らに謝罪しなくては、今度は全身が真っ赤に腫れあがるまで叩かれるだろう。それか、触手を使って気絶するまでいたぶられるか、もっとひどい目に遭わされるか……。

リオは一度唇を噛みしめ、覚えたばかりの卑猥な言葉を搾りだした。

「わたしは、優秀な孕み袋にならなくてはならないのに、言いつけを破ってオスイキしようとしました……! メスではなくオスとして気持ちよくなろうとしました。ご主人様、愚かなわたしに罰をお与えください。ご主人様が拡げて下さったこの穴を……おまんこをズボズボして、わたしにメスの悦びを教えてください……!」

そう言い切って、リオはさらけだした肉孔をことさら大きく拡げ、誘惑するようにゆっくりと開閉させた。
長時間触手にほじられていたせいで、穴の中には粘液がたっぷり残っており、リオが括約筋を動かすたびにとろりと滴り落ちていく。
幸か不幸か、受け入れ態勢は万全だった。

アーネストはしばらく何かを考え込んだのち、リオの寝台に上がった。

「まあ、いいだろう。及第点だ。声も固く目つきも反抗的だが、言葉遣いはだいぶ良くなった」

「……ありがとう、ございます」

リオは寝台の上にねそべり、ごろんと寝がえりを打ってうつぶせになると、腰を掲げてアーネストを誘った。

「ご主人様……わたしに、お恵みを」

アーネストが黒衣の前を寛げ、背後からリオにのしかかる。そして、そのまま無言で剛直を突き刺してきた。

「……ッ、うっ……!」

さんざん拡げたというのに、アーネストのモノを受け入れるときはどうしても息がつまる。触手とは比べ物にならない熱さと硬さがリオの媚肉を削るようにして進んでいく。
リオはシーツに突っ伏して、肉体的な衝撃と精神的な屈辱感に耐えた。痛みはまったくなく、じぃんとした微弱な快楽と、圧倒的な異物感がそこにあった。

「くっ……ううっ……あ、ああああ……っ」

「拡張は順調なようだな。かなり奥まですんなり進めるようになっている」

アーネストの声は冷ややかだった。彼も多少は快楽を感じているはずなのに、まるでそれを感じさせず、淡々とリオの肉体を評価していく。

「だが、まだ拡がっているだけだ。その様子だと後ろからの性感をいまいち拾えていないな?」

「……いえ、気持ちいいです……ッ、ふっ、ぅ、……め、メスとしての悦びで、いっぱいです……」

「……心にもないことを」

「あ、ああ、ご主人様。……早く、動いてください。わたしの穴を思う存分使ってください……!」

リオは腹に力を込めて、アーネストの性器をきゅうきゅうしめつけた。
一刻も早く終わってほしい。こんな男と身体を繋げるなんて我慢ならない。だからこそリオは自尊心を押し殺してアーネストに媚びる。

「……そろそろ次の段階に進む頃合いか」

ぼそりとアーネストが呟いて、いつもの通り、リオの中で動き始めた。
リオはシーツを噛みしめながら、ただただ、耐え忍ぶ時間を過ごした。

(絶対に……)

アーネストに気付かれないよう、拳を握りしめる。

(耐え抜いて見せる。耐えて、耐えて、耐えて。そしていつか自由になって、兄上さまたちを探しに行く……!)
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