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本当の名
しおりを挟む優「博士。統くんの事でちょっと...。」
百樹「ん?なんだね?同居人と上手くいってないのかね?」
優「いえ、最初は戸惑いましたけど、いいやつなんで...それは大丈夫なんですけど...。」
百樹「私も鏡くんと一緒になんとか戻り方を研究してるところだよ、彼女相当頭が良いね…色んなアイデアを出してくれるよ。」
優「そ、そうなんですか?前から疑問だったんですけど、器ってシンパシーのシンクロ率が高くないとだめなんですよね?なんでうちの妹に鏡さんが入ったのか不思議でならないんですけど。」
百樹「それはあれだよ、類まれなる好奇心がお互いに引き合ったらしいよ。」
優「好奇心...ですか?」
百樹「そう、科学は好奇心だよ。」
優「はぁ...まぁ、それはよしとして、同居人の統君が妙な事を言ってくるんですよ。」
百樹「妙な事?」
優「ええ、あの五十嵐未有...ちゃんから聞いた話と、僕の記憶の中の出来事を整理していくと、例の高次元思念体を呼んだのは我々なのかもしれないって...。」
百樹「われわれとは?」
優「もちろん、博士と僕です。」
百樹「...何かやったっけ?」
優「二人でやった事と言えば...アレですかね?」
百樹「でもアレは雫ちゃんを呼んだんだよね?」
優「似てたんじゃないかって言うんですよ。」
百樹「何に?」
優「本当の名前にですよ…ジャックは仮名らしいです。」
百樹「え?天之雫に似てるって...?まさか...。」
優「彼の話だと、そのまさからしいです。」
百樹「...そうか。じゃあ、そのジャックとか言う仮名も適当に名乗ってた訳ではないって事か。」
優「でも...まさかですよね?だって...鬼だし。」
百樹「いやいや、ない話ではない気がするよ。」
優「なぜです?」
百樹「日本古来から鬼を鬼神と言って信仰の対象にする風習は存在するからね...それに...。」
優「それに?」
百樹「鬼っていうのはある意味、神様のなり損ないみたいな気がするからね...。」
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