砂国女王記

苺魏

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2話

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ここはリスガトルという王国で、国の半分は荒れ地か砂漠と残り半分は人間が入れないような深い森だ。

なんで森に入れないかは分からないけど、魔物?が住んでいて凄く危険らしい。魔物が何者かは知らないけど…。


作物を作れるような土地ではなく痩せこけた大地で、鉱物等の高く売れるような資源も発見されてないからすごく貧しい国で物を作って売ってなんとか、ぎりぎり国としての形を保っている。あと川がほとんどないらしい。
……それ、国としては詰みじゃん…。

ちなみに国で唯一川があるのは王都でここから徒歩だとかなり急いでも2週間、普通に行ったら3週間はかかる。どれくらいの距離だろ?めっちゃ遠いってくらいしか、分かんない。

やらなきゃいけないことが頭に浮かんできた。
この身体の持ち主アリャンは自分の村に急いで帰らなければならない。早く帰ろう。早歩きで。走るのは疲れるし。

アリャンが住んでいる村はこの荒れ地から歩いて30分くらいの距離にあるツィル村という小さな人口40人ほどの小さな集落だ。国境まで近いため、特産品である毛織物を隣の国に売って生計を立てている村だ。もちろんツィル村もぎりぎりの生活をしている。

この国で豊かな生活をしてるのは王都の貴族とか金持ちとかだけだろう。

状況を整理しながら歩いているとツィル村に着いた。

遊牧民族のようなテント住居とその周りにツェルミィという羊もどきな動物がいっぱいいる。

ツェルミィは毛が伸びるスピードがすごく早く、刈り取っても2週間足らずでまた刈り取れる状態になるという便利?な動物だ。ここらに生えてる超少量の草を食べてる。これで足りるのか疑問だけど。
ちなみに食べても美味しくない。

日本にいた私には見覚えのない風景だけど、アリャンにとっては見慣れたいつもの風景なのだ。
これには慣れるだろうけど、少し違和感を感じる。この違和感もすぐ消えてしまうのだろうな。
思い出したのはついさっきなのに、アリャンと『私』の記憶は混ざりあっていく。
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