砂国女王記

苺魏

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目の前には見渡す限りの砂色の砂漠が広がっていた。何故、こんな所に?

あれ?私学校にいたよね?今日は友達を驚かそうと早めに登校して…え?いやまじでなんで????見渡す限り砂漠、砂漠、砂漠。

頭の中がはてないっぱいになりそう。いや、なってるか。


…これは、ファンタジー小説で流行りの異世界転移なのかもしれない…。

何分か熟考した末思いついたのはこんなありふれた安易な考えだった。

とにかく、何とか状況は理解した。
けどね
「ありえんでしょおおおおおおおおおおおおお!!!??!はぁぁぁぁあ!???!!」

うん、スッキリした。
はたから見たら砂漠で叫んでるやばい女だ。大丈夫、誰もいないはずだから。こんな砂漠に来る人なんていないでしょ、うん。
隠れることができそうな場所もないし人影も無いから人はいない、と思う。

突然強い風が吹く。

すると風でなびいた髪が視界にはいった。焦げ茶色の色をしているはずの髪はまるでルージュのような真紅の色をしていた。

髪を掴んでまじまじと見てみる。さっきのは見間違いではなかった。本当に髪はルージュで染めたような色をしている。
目をこすりながら見てもやっぱり真紅色。
それが意味するのはこの身体は私の身体では無いということだ。
そういえば、さっき叫んだ時も自分の声に違和感を…感じなかったわ。そんな自分の声なんて聞かないし、聞こうとも思わないから、うん。

え、じゃあ異世界転移じゃなくて…異世界転生てこと?

とにかく身体確認しよ…。

前世?は160cmあったけど視点が少し低いような気がする。あと腕とか足が目を疑うほどに細い。まるで骨のようだ。

しかも今更なんだけど、服を着ていない。いや真っ裸な訳じゃなくて、ボロ布をなんか巻き付けて大事なところを隠してる。

ここが何処かも分かった。記憶?も引き継いでいたみたいだ。
と、いうか突然前世の記憶を思い出したタイプの異世界転生だと思われる。
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