異端の召喚者

苺魏

文字の大きさ
上 下
4 / 7

第四話

しおりを挟む
「師匠、何言ってるの?」
「だから、召喚できないんだったらそこら辺の獣と契約して従魔にすればいいんじゃないって」
「一日で出来ると思う?」
「頑張ったらできるんじゃない?」
「どう考えても無理。最速でも、1ヶ月かかるわよ 」
「そう?まぁ、頑張って!獣使いケモナーの杖貸してあげるから」

獣使いの杖とは獣と契約する時に使う杖で、プロの獣使いは使わず、見習いくらいしか使わない。なくても契約できるからだ。

師匠は森まで私を連れて行くと、縛りの術かけて去っていった。
「大丈夫、ここそんな強いヤツ出ないから~。あと、1時間は森から出られないよ~」

と言い残して。
「もう、師匠~」

縛りの術は人や動物、物を特定の場所に縛り付ける術である。
罪人などを牢にとどめておく時にも使う。
私の場合は森に縛り付けらた感じ。

ただし術を使う側がかける側より格上じゃないと失敗するけど。

師匠強引すぎる。
どうしよう。

師匠に師事した時に獣使いとか魔物使いビーストテイマーとかの本は一通り読んだけど、そんなやり方知ってるだけじゃ実戦は出来ないって。言葉で説明されただけでなんでも出来るようになってら人はなんにでも慣れるわ!
狩りの仕方 息を殺し、獲物を待つ。そして獲物が来たら矢を放つ。コツは獲物を動くものとして捉えること。
とか!そんなんでできるか!化け物か!

てか、こんな無駄なことしてる暇ないんだった。
召喚士兼獣使いになるのも悪くはないかも!
うん!頑張ってみよう!

確かこのコルスタの森には低位から中位の獣が住んでいて、その中でも一番弱いのがチトというネズミの一種、黒い毛に赤色の目をしていて大きさ手に乗るくらいなんだけど、認めてもらえるわけないからこれは却下で。

なんでか知らないけどコルスタの森には虫が存在しない。だから一番低位なのがネズミなのだ。それでも生態系が成り立っているんだから凄いんだけど。

家に認めて貰うためにはせめて中位の獣がいる。
中位となると私には難しい。

普通の獣使いは見習いの頃に、数匹の低位の獣と契約する。
低位の獣でも育てれば強くなるし、霊獣へと昇華することもある。
その獣達を修行しながら強く育てることで、獣使いになった時点でどんなに弱くても中位の獣くらいなら御することが可能になるのだ。
ただ獣を育てることをサボったり真面目に修行しなければ、獣使い自体なれない。全ての職業には試験があるからだ。
もちろん召喚士の試験もある。
私はそれに合格したから召喚士になれたのだ。魔力の測定とぺーパーテストしかなかったけど。

霊獣は獣があるきっかけで強くなり、昇華することで誕生する。生まれた時から霊獣ということではないため、霊獣を召喚することは出来ないのだ。
もし、霊獣を使役したいなら獣を召喚して育てることが一番だ。
稀に普通の獣の中でも霊獣に昇華するという先天的な力を持つ個体も生まれるらしい。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません

abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。 後宮はいつでも女の戦いが絶えない。 安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。 「どうして、この人を愛していたのかしら?」 ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。 それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!? 「あの人に興味はありません。勝手になさい!」

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

立派な王太子妃~妃の幸せは誰が考えるのか~

矢野りと
恋愛
ある日王太子妃は夫である王太子の不貞の現場を目撃してしまう。愛している夫の裏切りに傷つきながらも、やり直したいと周りに助言を求めるが‥‥。 隠れて不貞を続ける夫を見続けていくうちに壊れていく妻。 周りが気づいた時は何もかも手遅れだった…。 ※設定はゆるいです。

【完】あの、……どなたでしょうか?

桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー  爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」 見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は……… 「あの、……どなたのことでしょうか?」 まさかの意味不明発言!! 今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!! 結末やいかに!! ******************* 執筆終了済みです。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

怖いからと婚約破棄されました。後悔してももう遅い!

秋鷺 照
ファンタジー
ローゼは第3王子フレッドの幼馴染で婚約者。しかし、「怖いから」という理由で婚約破棄されてしまう。

処理中です...