異端の召喚者

第一話

私が生まれたハイマ家は由緒正しい召喚士の家系だ。分家だけど。
とても小さいが屋敷を持っていてそこに家族私と兄、両親で暮らしいている。

召喚士、それは異なる世界から獣や幻獣、人、そして神獣を召喚することが出来るもの達のことである。召喚士が召喚する動物達のことを総じて召喚獣という。
召喚士達にはそれぞれ、召喚出来る召喚獣によって階級分けがされる。一番上は神獣、その次に人、幻獣、獣と分けられるのだ。

はれて、私は召喚士の試験に合格し今日召喚士になった。試験は魔力量の確認とテストだけだった。
いざ、召喚だ！
「汝、空に愛されしもの、我が願いにこたえここに来たれ」

あれ？何も現れないぞ？本当はランダムで鳥を召喚する召喚術で、魔法陣すら必要としない初級中の初級召喚術で召喚士だったら誰でも出来るやつ。出来なかったらやばい！
修行してる時に召喚士の師匠に作って貰った魔法陣を使って中級の幻獣を召喚しようとしたけど失敗した。
あの時は実力と学びが足りないのかと思ったけど、もしかして私は召喚能力自体がないのでは？！落ちこぼれじゃん！

えー、どうしよう。明後日、家に召喚獣見せなきゃならないのに！
そう、召喚士になったら召喚獣を家族に見せ報告するというのがハイマ家の決まりである。
兄さんはレッドウルフを家族に見せてたし。
多分、見せなきゃがっかりされる！もしかしたら絶縁されるかも！
私、大ピンチー！

追い出されたら、まずはリドルのとこに居候させてもらおうかな？
リドルは近所に住む一歳年上の幼馴染だ。
あたしは召喚獣のために師匠のご友人に本を貸して貰って、低位の聖魔術と水属性の魔術を使えるようになったらから、多少は役に立つはず。

聖魔術は簡単に言えば人を癒す魔術だ。例えば怪我を治したり病気を癒したり、高位の聖魔術になると蘇生させることが出来るようになるらしい。
私は小さい怪我や浅い切り傷位なら治すことが出来るし時間をかければ大きな怪我だって治せる。

水の魔術は水を操ったり、綺麗で清潔な水を生み出すことが出来る。
私はせいぜい少しの水を浮かせたり、少量の水を生み出すことしか出来ないけど。

かなりの上級術者になると、町一つ分の生活用水を生み出すことが出来るらしい。

まぁ、とにかくなるようになるさ！