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-monster children-
#13-monster children-
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私が思っているよりも遺物というのは危険な物らしい。
誇張なしにあとほんの数ミリずれたり、ほんの深く差しただけで地域一帯が押しつぶされていた事を思うとストレスで呼吸困難に陥りそうだ。
冬華が所持しているレンズを通して見ることで少し前の状態がわかる過去視の眼鏡や、少年から貰った黒布の印象が強かったので見誤っていたようだが、遺物とは本当はこういう物なのかもしれない。
先程のコンパス状の遺物も便利な道具という位にしか捉えていなかったが、もしかするとあれも≪太陽の矢≫のように恐ろしい事に使われたのではないかと思うと途端に怖くなってしまった。
「もしかして≪迷子探し≫も悪い人が暗殺に利用したりとかしてる?」
「あれは私が直々に作らせたもので誰かの手に渡ったことなど無い。ゆえに悪用された事も無い。」
いわくつきの品でなかった事に胸をなでおろしていると、強風で乱れた髪と尻尾の毛並みを整え終えたのか葛ノ葉さんが本題にレールを戻してくれる。
「先ほどの様な物は流石に手は出せませんが、私の持つ遺物では足りぬでしょうか。」
「どのような物をもっておるのだ?」
問われた狐人は懐に手を入れ、神社で売っているようなお守り袋から掌へコロリと石を取り出し少年の前へ置いた。
「この殺生石でございます。これで棟梁様も満足してくださるでしょうか。」
「殺生石?」
どこかで聞いた事はあるが詳しくは知らないので友人に説明をせがむように顔を向けるも、ガスマスクで喋りづらいからか無視されてしまう。
仕方なく視線を石に戻すと鑑定ついでに塵塚少年が摘まみ上げ、数秒間軽く眺めただけで差出人の前へと置き直し簡単な解説してくれた。
「確かに本物のようだがこれでは足らぬだろうな。かつて都で悪さをした九尾が封じられたという殺生石の伝説は確かに有名だが、割られて散った岩ないし石は各地に存在するゆえ、一つ一つの価値はすこぶる低い。重ねてこれは小欠片。偽物でないだけましではあるが元の大岩から零れた破片など古狸の前ではただの石ころも同然だろうよ。」
「……作用に御座いますか。」
手に戻ってきた石を袋に入れ懐に戻しながら肩を落とす姿は少し可哀そうだが、これならいけると嘘をつけば今以上に状況が悪化しかねないので仕方がないだろう。
相談者がもはやこれしかないといった風に口を引き結んで決意の顔を上げた矢先、対面から刺すような言葉が飛ぶ。
「間違っても直に謝って許しを乞おうなどと考えるな。それで腹の虫がおさまるような相手であれば狐狸の関係はここまで拗れなどしなかったのだからな。力も十分に制御できぬ貴様など赤子よりも簡単に捻り殺され、余計に両種の溝が深くなるだけで迷惑だ。」
自分に取れる最後の手段を絶たれ、もはやどうすればいいのかという具合に視線を漂わせる姿は見て居られない。
「塵塚君は調停師って言うくらいなんだから何とか出来るんでしょ?」
「私は直接手は下さん。」
「助手様よいのです。人の世では法で対処するのが普通と聞き及んでおりますが、我々怪異の世では不可侵の掟がありますので仕方がないのです。」
「不可侵の掟?」
相変わらず喋りづらそうなガスマスクからも声が上がる。
どうやら私よりは怪異に詳しいらしい彼女でも知らないことだったようだ。
「簡単に申しますと怪異と怪異、或いは怪異と人間の間におこったいざこざは凡そ当事者同士で解決しなければならないという決まりがあるのです。今回であれば金子様の属する佐渡狸と私の属する葛ノ葉狐の問題ですので、今回は両家の間で解決しなければならず例え塵塚様であっても過度に関わることは許されないのです。」
「そういうことだ。怪異の中にはその気になれば町ごとどころか、文献からその存在の痕跡をも消すことの出来る者が稀にいてな。そのような者があれこれ他者の問題に首を突っ込んでは皆安心して暮らすことも出来ぬゆえ、もうずいぶん前に作られた掟なのだ。」
「その割にこうして、相談は受けるんですか?」
「別に私の始めたことではないが、紆余曲折あって調停師も兼任しておるからな。先代の様に火事場に直接赴いて口を出す様なことはせぬが、過去の文献を収めた旧館への案内や伝手の紹介、事によっては遺物を貸すくらいの事は許されているのだ。掟の例外として身内の代理としてなら私も存分に好き勝手できるのだが今回の件は対象外だ。」
怪異の世界にもルールとかあるんだと感心しつつ、今更ながら少年の怪異部分を初めて感じた。
正直今日スポンジ君を目にするまで怪異というもの自体眉唾物だと思っていたので、ただ古い喋り方をするお菓子好きの子供だと思っていたのに、急に遠い存在に感じてしまい胸の内に僅かな寂しさが生まれる。
考えても仕方ない事は置いておき、気を取り直して今相談に来ている狐の話に戻るが、これはなかなか大事になっているのではなかろうか。
正直縁談が一方的に破談となったことに怒っているだけであれば時が解決し得るのかもしれないが、顔も見ていないのに袖にした相手ともう一度場を設けるとなれば話は変わって来る。馬鹿にされていると感じるのは仕方ないし狸側の更なる憤慨は必至だろう。
よしんば狸側が受け入れたとしても、これは私の想像でしかないが長年争ってきた相手へ許しを請う形になってしまうし、やはり狐側ももう一度と申し込むのは嫌なのではなかろうか。
言葉にすると聞こえは悪いがやはり遺物で買収する、詫びの品でイーブンな形を取り繕うのが一番手っ取り早そうだが、先程の殺生石とかいう石程度ならまだしも≪太陽の矢≫レベルの物でなければ納得しない相手が首を縦に振る物となると、国家予算でも足りないとすら思える。
卓上がすっかり無音になり縁側で河童がお天道様に照らされてカラッカラッになる中、いつの間にか席を立っていた少年がお菓子の追加をもって台所から戻って来る。
新たな練り切りを配り終えると席の横にあるポットの中と各々の前に置かれた湯呑を確認し、減っている物にはとくとくと注ぎ足し一度啜ってから口を開いた。
「とかく私は手は出さぬが一応の案は考えてこの場に臨んでいる。実行したとてうまくいくとは限らぬが、聞いて帰るか?」
それをもっと早くに、せめて席を立つ前に言えとも思ったが、最早どうすればいいのか分からず行き詰っていたちゃぶ台会議に現れた一筋の光に、相談者は最後の希望に縋るような目で話の先を懇願したのだった。
◇ ◇ ◇
「休憩!漏れる漏れる!」
キリの良い所まで話し終えた所で作中ではマメ、或いは台座と呼称されている大女は手洗いへと駆け込んでいった。
彼女の話を纏めていた羽曳野冬華もここで一度万年筆のキャップを閉じ、少し連続して使い過ぎたかと凝り固まった目頭を揉んでマッサージしつつカップを傾けるも、その中身はいつの間にか空になっていたようで一滴も残っておらず、今一度喉を潤さんと今度はカフェオレを持って席へ戻る時にふと目に入った窓向こうの様子から、近々チビ助が到着することを察する。
何故ならマメとの到着時からたった今まで降り続けていた横殴りの豪雪は全て幻想であったかのようになりを潜め、代わりに陽が沈む姿を背景にオレンジ色に照らされた暮雪が僅かに舞っているのだから、これはあのチビ助が到着したという報せに他ならないのだ。
「なんかいつの間にか天気良くなってんじゃん。いっちょ雪合戦などいかがですかなお嬢さん」
手洗いから帰って来た大女から提案されるが、仮に相手が隻腕であったとしても勝てるヴィジョンが全く浮かばない文系女は丁重にお断りし、代わりにおやつから此処までの間に書いた内容の監修を求めた。
「あれ?金子さん葛ノ葉さんのデートの話は?」
「全カットよ」
「そんなー。あんなに細かく覚えてたのに」
「あまり失恋話を描くのは好きじゃないのよ。必要な時が来ない限り書かないわ」
「必要な時って?」
新しく入れ直した珈琲を一口飲み、考える様に顎に手をやってから羽曳野冬華は答える。
「インターネットで十万人以上に読まれて、なおかつ大半の読者からのリクエストがあった時かしら」
「ちなみに今ってどれくら読まれてるの?」
「……さあ続きを書きたいから早く席に着きなさい。このペースじゃ今日中にキリのいい所まで終わらないわよ」
教えてよーとせがむ主人公の言葉を聞こえていないかのように無視し、月間閲覧数17のうだつの上がらぬ小説家うぃんぐらす・うぃんたーふらわー先生は静かにペンの蓋を取って背に被せた。
◇ ◇ ◇
誇張なしにあとほんの数ミリずれたり、ほんの深く差しただけで地域一帯が押しつぶされていた事を思うとストレスで呼吸困難に陥りそうだ。
冬華が所持しているレンズを通して見ることで少し前の状態がわかる過去視の眼鏡や、少年から貰った黒布の印象が強かったので見誤っていたようだが、遺物とは本当はこういう物なのかもしれない。
先程のコンパス状の遺物も便利な道具という位にしか捉えていなかったが、もしかするとあれも≪太陽の矢≫のように恐ろしい事に使われたのではないかと思うと途端に怖くなってしまった。
「もしかして≪迷子探し≫も悪い人が暗殺に利用したりとかしてる?」
「あれは私が直々に作らせたもので誰かの手に渡ったことなど無い。ゆえに悪用された事も無い。」
いわくつきの品でなかった事に胸をなでおろしていると、強風で乱れた髪と尻尾の毛並みを整え終えたのか葛ノ葉さんが本題にレールを戻してくれる。
「先ほどの様な物は流石に手は出せませんが、私の持つ遺物では足りぬでしょうか。」
「どのような物をもっておるのだ?」
問われた狐人は懐に手を入れ、神社で売っているようなお守り袋から掌へコロリと石を取り出し少年の前へ置いた。
「この殺生石でございます。これで棟梁様も満足してくださるでしょうか。」
「殺生石?」
どこかで聞いた事はあるが詳しくは知らないので友人に説明をせがむように顔を向けるも、ガスマスクで喋りづらいからか無視されてしまう。
仕方なく視線を石に戻すと鑑定ついでに塵塚少年が摘まみ上げ、数秒間軽く眺めただけで差出人の前へと置き直し簡単な解説してくれた。
「確かに本物のようだがこれでは足らぬだろうな。かつて都で悪さをした九尾が封じられたという殺生石の伝説は確かに有名だが、割られて散った岩ないし石は各地に存在するゆえ、一つ一つの価値はすこぶる低い。重ねてこれは小欠片。偽物でないだけましではあるが元の大岩から零れた破片など古狸の前ではただの石ころも同然だろうよ。」
「……作用に御座いますか。」
手に戻ってきた石を袋に入れ懐に戻しながら肩を落とす姿は少し可哀そうだが、これならいけると嘘をつけば今以上に状況が悪化しかねないので仕方がないだろう。
相談者がもはやこれしかないといった風に口を引き結んで決意の顔を上げた矢先、対面から刺すような言葉が飛ぶ。
「間違っても直に謝って許しを乞おうなどと考えるな。それで腹の虫がおさまるような相手であれば狐狸の関係はここまで拗れなどしなかったのだからな。力も十分に制御できぬ貴様など赤子よりも簡単に捻り殺され、余計に両種の溝が深くなるだけで迷惑だ。」
自分に取れる最後の手段を絶たれ、もはやどうすればいいのかという具合に視線を漂わせる姿は見て居られない。
「塵塚君は調停師って言うくらいなんだから何とか出来るんでしょ?」
「私は直接手は下さん。」
「助手様よいのです。人の世では法で対処するのが普通と聞き及んでおりますが、我々怪異の世では不可侵の掟がありますので仕方がないのです。」
「不可侵の掟?」
相変わらず喋りづらそうなガスマスクからも声が上がる。
どうやら私よりは怪異に詳しいらしい彼女でも知らないことだったようだ。
「簡単に申しますと怪異と怪異、或いは怪異と人間の間におこったいざこざは凡そ当事者同士で解決しなければならないという決まりがあるのです。今回であれば金子様の属する佐渡狸と私の属する葛ノ葉狐の問題ですので、今回は両家の間で解決しなければならず例え塵塚様であっても過度に関わることは許されないのです。」
「そういうことだ。怪異の中にはその気になれば町ごとどころか、文献からその存在の痕跡をも消すことの出来る者が稀にいてな。そのような者があれこれ他者の問題に首を突っ込んでは皆安心して暮らすことも出来ぬゆえ、もうずいぶん前に作られた掟なのだ。」
「その割にこうして、相談は受けるんですか?」
「別に私の始めたことではないが、紆余曲折あって調停師も兼任しておるからな。先代の様に火事場に直接赴いて口を出す様なことはせぬが、過去の文献を収めた旧館への案内や伝手の紹介、事によっては遺物を貸すくらいの事は許されているのだ。掟の例外として身内の代理としてなら私も存分に好き勝手できるのだが今回の件は対象外だ。」
怪異の世界にもルールとかあるんだと感心しつつ、今更ながら少年の怪異部分を初めて感じた。
正直今日スポンジ君を目にするまで怪異というもの自体眉唾物だと思っていたので、ただ古い喋り方をするお菓子好きの子供だと思っていたのに、急に遠い存在に感じてしまい胸の内に僅かな寂しさが生まれる。
考えても仕方ない事は置いておき、気を取り直して今相談に来ている狐の話に戻るが、これはなかなか大事になっているのではなかろうか。
正直縁談が一方的に破談となったことに怒っているだけであれば時が解決し得るのかもしれないが、顔も見ていないのに袖にした相手ともう一度場を設けるとなれば話は変わって来る。馬鹿にされていると感じるのは仕方ないし狸側の更なる憤慨は必至だろう。
よしんば狸側が受け入れたとしても、これは私の想像でしかないが長年争ってきた相手へ許しを請う形になってしまうし、やはり狐側ももう一度と申し込むのは嫌なのではなかろうか。
言葉にすると聞こえは悪いがやはり遺物で買収する、詫びの品でイーブンな形を取り繕うのが一番手っ取り早そうだが、先程の殺生石とかいう石程度ならまだしも≪太陽の矢≫レベルの物でなければ納得しない相手が首を縦に振る物となると、国家予算でも足りないとすら思える。
卓上がすっかり無音になり縁側で河童がお天道様に照らされてカラッカラッになる中、いつの間にか席を立っていた少年がお菓子の追加をもって台所から戻って来る。
新たな練り切りを配り終えると席の横にあるポットの中と各々の前に置かれた湯呑を確認し、減っている物にはとくとくと注ぎ足し一度啜ってから口を開いた。
「とかく私は手は出さぬが一応の案は考えてこの場に臨んでいる。実行したとてうまくいくとは限らぬが、聞いて帰るか?」
それをもっと早くに、せめて席を立つ前に言えとも思ったが、最早どうすればいいのか分からず行き詰っていたちゃぶ台会議に現れた一筋の光に、相談者は最後の希望に縋るような目で話の先を懇願したのだった。
◇ ◇ ◇
「休憩!漏れる漏れる!」
キリの良い所まで話し終えた所で作中ではマメ、或いは台座と呼称されている大女は手洗いへと駆け込んでいった。
彼女の話を纏めていた羽曳野冬華もここで一度万年筆のキャップを閉じ、少し連続して使い過ぎたかと凝り固まった目頭を揉んでマッサージしつつカップを傾けるも、その中身はいつの間にか空になっていたようで一滴も残っておらず、今一度喉を潤さんと今度はカフェオレを持って席へ戻る時にふと目に入った窓向こうの様子から、近々チビ助が到着することを察する。
何故ならマメとの到着時からたった今まで降り続けていた横殴りの豪雪は全て幻想であったかのようになりを潜め、代わりに陽が沈む姿を背景にオレンジ色に照らされた暮雪が僅かに舞っているのだから、これはあのチビ助が到着したという報せに他ならないのだ。
「なんかいつの間にか天気良くなってんじゃん。いっちょ雪合戦などいかがですかなお嬢さん」
手洗いから帰って来た大女から提案されるが、仮に相手が隻腕であったとしても勝てるヴィジョンが全く浮かばない文系女は丁重にお断りし、代わりにおやつから此処までの間に書いた内容の監修を求めた。
「あれ?金子さん葛ノ葉さんのデートの話は?」
「全カットよ」
「そんなー。あんなに細かく覚えてたのに」
「あまり失恋話を描くのは好きじゃないのよ。必要な時が来ない限り書かないわ」
「必要な時って?」
新しく入れ直した珈琲を一口飲み、考える様に顎に手をやってから羽曳野冬華は答える。
「インターネットで十万人以上に読まれて、なおかつ大半の読者からのリクエストがあった時かしら」
「ちなみに今ってどれくら読まれてるの?」
「……さあ続きを書きたいから早く席に着きなさい。このペースじゃ今日中にキリのいい所まで終わらないわよ」
教えてよーとせがむ主人公の言葉を聞こえていないかのように無視し、月間閲覧数17のうだつの上がらぬ小説家うぃんぐらす・うぃんたーふらわー先生は静かにペンの蓋を取って背に被せた。
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