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〈第一章 僕のこと③ 透編〉
しおりを挟む 涼は、散々人の体を弄び、雅哉の倍以上のキスマークをつけて満足したようだ。
ベッドを背にして座り込み、背後から腕を回して俺を抱きこんでスリスリと肩に顔を埋めている。
もちろんシャワーを浴びて服も着た後だ。
「ハル……」
何度も名前を呼んではスリスリ……スリスリ……。
「ハルゥ……」
スリスリ……スリスリ……。
鬱陶しい。
「ハ……ル……」
「なんだよ!」
「ハル……」
名前を呼ぶだけの涼に、がっくりと項垂れてから肩に乗せられている涼の頭をそっと撫でてやった。
そうすると、涼は嬉しそうに肩を震わせた。
「ふふっ。ハル」
「はいはい、涼」
スリスリ……。なでなで……。
「ハル」
「涼」
スリスリ……。なでなで……。
なんだこのやり取り。
「ねぇ、ハル。ハルは、誰のもの?」
「涼」
「ふふっ。ハルは、誰が一番なの?」
「……涼」
「雅哉のことはどう思ってるの?」
「…………」
なんて言えってんだ……。
嫌いだなんて思ってないし、この後に及んでまだ友達に戻れないかと思っている。
「雅哉の事考えたね?」
なんで不機嫌になるんだ。
「そりゃ、名前が出たら考えるって」
「今のなし。もう考えちゃダメ」
なんだそりゃ。
「僕の事だけ考えて」
「……いつも考えてるよ」
いつだって頭の中を涼でいっぱいにされて、涼の事を考えない日なんてない。
「ふふっ。ハル……」
「なんだよ……」
スリスリ……。なでなで……。
「ハルゥ……」
スリスリスリスリ……。
ずっとやり続けそうだ。
「もういい加減にしろって。母さんが帰る前にご飯作るんだろ?」
「そうだね。ハルも手伝ってくれる?」
「手伝ってやるから行くぞ」
ようやく解放されて、キッチンへ行く。
エプロンをつけて、ごく普通の対面キッチンで、二人で手を洗う。
ハンドソープを泡立てていたら、涼が隣に並んで手を重ねてきた。
指と指の間を指先でなぞられる。
俺の指先から手の平を涼の指の腹だけを使って上下に巧みに動かして丹念に洗われる。
最後は恋人繋ぎをするように合わせようとする。
なんか……エロい。
「やめろ」
水を出してさっさと泡を流した。
「ちぇっ」
不満顔の涼なんて無視するに限る。
冷蔵庫を開けて二人で材料を取り出す。
材料を見る限りでは、今日はごく一般的なカレーのようだ。
「玉ねぎ剥いて」
そう言って渡されたのは、頭の部分を切り落とされた玉ねぎ。
それをシンクの上で剥こうとしたら、背後から手が伸びてきて俺を抱き込むようにしながら玉ねぎに触れた。
涼の指が玉ねぎの皮を掴んで、頭を切り落とされた部分から根元に向かってゆっくり丁寧に剥いていく。
玉ねぎを優しく労るように、何度も涼の指が上下に行き来する。
段々と茶色の皮を剥がされて玉ねぎが白くなっていく。
その白くなった玉ねぎに指を這わせた。
なんか……エロい。
「やめろ。涼がやったら俺が手伝う意味がないだろ?」
「ちぇっ」
背後に立っていた涼を肘で小突けば、すぐに離れた。
「ハルは、炒める係だよ」
俺は、鍋の前に立って、涼が入れる切り刻まれたカレーの材料を炒めるだけだった。
全ての材料を入れ終わったらしい涼は、また俺の背後に立って手を伸ばしてきた。
俺の木ベラを持つ手を包むように握られた。
俺がガシガシと炒めていた木ベラを、円を描くようにグルーンッ、グルーンッとやさぁしく回す……。
エロい……。
「だから、やめろって!」
涼がやると全部エロく見える……。
エロいカレーとかどんなだよ。
「ちぇっ」
「なんだよ……そのちぇってやつ……」
材料が炒められれば、水を入れてそのまま煮込む。
蓋を閉めた瞬間にギューッと背後から強く抱きしめられた。
首筋にチュッと口付けられてゾクリとした。
「おい!」
「ダメ? 煮込む時間に色々できちゃうよ?」
「ダメに決まってんだろ!」
何を考えているんだ。
さっき散々俺を弄んだだろうが。
「キッチンでしようって約束したよね?」
「ざっけんな。」
「じゃあ、我慢するから少しだけ」
抗議しようと涼の方へ顔を向ければ、キスで口を塞がれた。
もがいても涼に抱き込まれていると逃げられない。
「んんっ──!ううんっ──はっ、ぷはっ──んんんっ──!」
呼吸、呼吸をさせてくれ!
しばらく続けられたディープキスの後に、酸欠で顔を真っ赤にし呼吸を荒くしていると、うっとりと呟かれた。
「可愛い……」
いつも可愛いなんて言いやがって……。
羞恥心で更に赤くなった顔を逸らす。
「はぁぁ……ハルゥ、愛してるぅぅぅ……」
ギューッと抱きしめてきて苦しいぐらいだ。
どうして恥ずかしくもなく毎回同じことが言えるんだ……。
言われた方は恥ずかしいというのに。
涼の手が胸をサワサワと触ってきて、尻に股間を押し付けてくる。
勃ってやがる……。
「この! 変態!」
「ふふっ。真っ赤な顔でそんな事言うんだから、我慢できなくなりそう」
罵られて喜ぶなんてやっぱり変態だ。
カレーの具が煮えるまで、涼のいたずらと格闘していた。
ベッドを背にして座り込み、背後から腕を回して俺を抱きこんでスリスリと肩に顔を埋めている。
もちろんシャワーを浴びて服も着た後だ。
「ハル……」
何度も名前を呼んではスリスリ……スリスリ……。
「ハルゥ……」
スリスリ……スリスリ……。
鬱陶しい。
「ハ……ル……」
「なんだよ!」
「ハル……」
名前を呼ぶだけの涼に、がっくりと項垂れてから肩に乗せられている涼の頭をそっと撫でてやった。
そうすると、涼は嬉しそうに肩を震わせた。
「ふふっ。ハル」
「はいはい、涼」
スリスリ……。なでなで……。
「ハル」
「涼」
スリスリ……。なでなで……。
なんだこのやり取り。
「ねぇ、ハル。ハルは、誰のもの?」
「涼」
「ふふっ。ハルは、誰が一番なの?」
「……涼」
「雅哉のことはどう思ってるの?」
「…………」
なんて言えってんだ……。
嫌いだなんて思ってないし、この後に及んでまだ友達に戻れないかと思っている。
「雅哉の事考えたね?」
なんで不機嫌になるんだ。
「そりゃ、名前が出たら考えるって」
「今のなし。もう考えちゃダメ」
なんだそりゃ。
「僕の事だけ考えて」
「……いつも考えてるよ」
いつだって頭の中を涼でいっぱいにされて、涼の事を考えない日なんてない。
「ふふっ。ハル……」
「なんだよ……」
スリスリ……。なでなで……。
「ハルゥ……」
スリスリスリスリ……。
ずっとやり続けそうだ。
「もういい加減にしろって。母さんが帰る前にご飯作るんだろ?」
「そうだね。ハルも手伝ってくれる?」
「手伝ってやるから行くぞ」
ようやく解放されて、キッチンへ行く。
エプロンをつけて、ごく普通の対面キッチンで、二人で手を洗う。
ハンドソープを泡立てていたら、涼が隣に並んで手を重ねてきた。
指と指の間を指先でなぞられる。
俺の指先から手の平を涼の指の腹だけを使って上下に巧みに動かして丹念に洗われる。
最後は恋人繋ぎをするように合わせようとする。
なんか……エロい。
「やめろ」
水を出してさっさと泡を流した。
「ちぇっ」
不満顔の涼なんて無視するに限る。
冷蔵庫を開けて二人で材料を取り出す。
材料を見る限りでは、今日はごく一般的なカレーのようだ。
「玉ねぎ剥いて」
そう言って渡されたのは、頭の部分を切り落とされた玉ねぎ。
それをシンクの上で剥こうとしたら、背後から手が伸びてきて俺を抱き込むようにしながら玉ねぎに触れた。
涼の指が玉ねぎの皮を掴んで、頭を切り落とされた部分から根元に向かってゆっくり丁寧に剥いていく。
玉ねぎを優しく労るように、何度も涼の指が上下に行き来する。
段々と茶色の皮を剥がされて玉ねぎが白くなっていく。
その白くなった玉ねぎに指を這わせた。
なんか……エロい。
「やめろ。涼がやったら俺が手伝う意味がないだろ?」
「ちぇっ」
背後に立っていた涼を肘で小突けば、すぐに離れた。
「ハルは、炒める係だよ」
俺は、鍋の前に立って、涼が入れる切り刻まれたカレーの材料を炒めるだけだった。
全ての材料を入れ終わったらしい涼は、また俺の背後に立って手を伸ばしてきた。
俺の木ベラを持つ手を包むように握られた。
俺がガシガシと炒めていた木ベラを、円を描くようにグルーンッ、グルーンッとやさぁしく回す……。
エロい……。
「だから、やめろって!」
涼がやると全部エロく見える……。
エロいカレーとかどんなだよ。
「ちぇっ」
「なんだよ……そのちぇってやつ……」
材料が炒められれば、水を入れてそのまま煮込む。
蓋を閉めた瞬間にギューッと背後から強く抱きしめられた。
首筋にチュッと口付けられてゾクリとした。
「おい!」
「ダメ? 煮込む時間に色々できちゃうよ?」
「ダメに決まってんだろ!」
何を考えているんだ。
さっき散々俺を弄んだだろうが。
「キッチンでしようって約束したよね?」
「ざっけんな。」
「じゃあ、我慢するから少しだけ」
抗議しようと涼の方へ顔を向ければ、キスで口を塞がれた。
もがいても涼に抱き込まれていると逃げられない。
「んんっ──!ううんっ──はっ、ぷはっ──んんんっ──!」
呼吸、呼吸をさせてくれ!
しばらく続けられたディープキスの後に、酸欠で顔を真っ赤にし呼吸を荒くしていると、うっとりと呟かれた。
「可愛い……」
いつも可愛いなんて言いやがって……。
羞恥心で更に赤くなった顔を逸らす。
「はぁぁ……ハルゥ、愛してるぅぅぅ……」
ギューッと抱きしめてきて苦しいぐらいだ。
どうして恥ずかしくもなく毎回同じことが言えるんだ……。
言われた方は恥ずかしいというのに。
涼の手が胸をサワサワと触ってきて、尻に股間を押し付けてくる。
勃ってやがる……。
「この! 変態!」
「ふふっ。真っ赤な顔でそんな事言うんだから、我慢できなくなりそう」
罵られて喜ぶなんてやっぱり変態だ。
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