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隣国の外交担当
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寮に戻って、しっかりしたドレスに着替えます。
妃教育とはいえ、外交だの公務だの実践として放り出されるのは如何なものだと思いますわ。
はぁ...けど、この外交が終わったらゆっくり旅行出来ると【お約束】を頂きましたし、仕方ないですわね。
準備が終わり、馬車に乗り込みます。
ちょっと疲れた顔で外を眺めるのは、許して頂きたいですわ...。
------
「テレシア嬢、久しぶり。」
「テレシア様!お待ちしておりましたわ!」
隣国の第三王子のチャール様と婚約者のメイリナ様が出迎えてくださいましたわ。
隣国の外交担当は既にこの二人になっております。
これからも長い付き合いになるので、仲良くなるのは必然ですわねー。
お互いにまだ学生の身ですが、実績は充分ありますし。
「あら?早く着いたのですね。遅くなり申し訳ありません。」
「良いよ良いよ。そっちは学園に行ってたんでしょ?陛下から面白い話も聞いたしね。」
チャール様、意地悪い顔をしていますわね。
可愛い顔が台無しですわ。
「私も話を聞いたときは笑いが止まりませんでしたわ。お気の毒さまって思いましたわ。」
んん?なぜお気の毒さまなのでしょうか?
軽く首を傾げてしまいましたが、とりあえずお話を進めてしまいましょう。
「とりあえず、座りましょう。それから...お仕事をしなければね。紅茶とお菓子をお願い。」
メイドに準備するようにお願いをします。
「そうだね。そうしよう。」
「ここのお菓子は美味しいので楽しみにしてましたわ。数日間宜しくお願い致しますわね!」
「ええ、宜しくお願い致しますわ。」
「そうだわ、テレシア様!今日の夜は一緒に寝ましょう!」
「ぶっ...!」
あらあら、メイリナ様大胆ですわね。
そして、チャール様は吹き出して咳き込んでしまいましたわ。
「っ...!メイリナだめだ!一緒に寝るのはだめだ!」
「チャールの許可は、いま必要としておりませんわ。」
ふいっとメイリナ様はそっぽを向いてしまいました。
「僕と一緒に寝るのは良いが、他はだめだ!同性でもだめだ!」
「チャール、心が狭いわ。そんなこと言うなら仕事以外でしばらく口をききませんわ。」
「うぐぅ...。」
お?これはメイリナ様の勝利ですかね?
「メイリナ...今度覚えてろよ...。」
ボソッと恐ろしいこと言ってますが、無視しましょ。
嫉妬深い男は嫌われますわよ。
「テレシア様!今日はパジャマパーティーですわ!いっぱいお酒も飲みましょうね!これからのことも聞きたいですし!」
「わかりましたわ。おつまみと甘味も揃えましょう。」
「ありがとうございます!」
メイリナ様は可愛いというよりも、お姉様とお呼びしたくなるぐらいの美人さんなのですけど...限られた人達だけ可愛く甘えてくるので良いですよね。
とりあえず、紅茶もお菓子も揃いましたし、お仕事しましょう。
-----
「はぁ...可愛いですわよねー。ずっと撫でてたいぐらいですわ。髪もさらさらのふわっふわで気持ちいいですもの。」
「うふふー。良いでしょ。私はいつでも触り放題なのよ。令嬢達とお茶会した後や夜会の時に人気のない場所に行って癒されるのですわ。」
「羨ましいですわ...。」
と、チャール様の髪をメイリナ様と一緒になでなでしまくります。
チャール様はいつものことなのですが、膨れっ面する姿が可愛いですわ。
でも、なでなでしないと拗ねるのでそちらも捨てがたいですわよね...。
もちろん、お仕事は終わらせています。
お仕事後の癒しタイムですわ。
「今度、お国へ帰ったらデザイナーに頼んである服を大量に持って王宮にいって、チャールのことをお飾りするのよ。」
「あら、羨ましいですわ!いっそ、これだけ可愛いのですもの。女の子みたいにめかし込んで化粧もしたいですわね。」
「あっ!それありだわ!あとでデザイナーに連絡しなきゃ!」
「しなくって良い!!!止めてくれっ!!!」
着せ替え人形になるとわかって遠い目してたチャール様が帰ってきましたわね。
「メイリナ様、後でゆっくりと...。」
「わかりましたわ、テレシア様。」
向かい合って二人でニンマリする横で、チャール様が悲壮感を出しながらため息つきました。
妃教育とはいえ、外交だの公務だの実践として放り出されるのは如何なものだと思いますわ。
はぁ...けど、この外交が終わったらゆっくり旅行出来ると【お約束】を頂きましたし、仕方ないですわね。
準備が終わり、馬車に乗り込みます。
ちょっと疲れた顔で外を眺めるのは、許して頂きたいですわ...。
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「テレシア嬢、久しぶり。」
「テレシア様!お待ちしておりましたわ!」
隣国の第三王子のチャール様と婚約者のメイリナ様が出迎えてくださいましたわ。
隣国の外交担当は既にこの二人になっております。
これからも長い付き合いになるので、仲良くなるのは必然ですわねー。
お互いにまだ学生の身ですが、実績は充分ありますし。
「あら?早く着いたのですね。遅くなり申し訳ありません。」
「良いよ良いよ。そっちは学園に行ってたんでしょ?陛下から面白い話も聞いたしね。」
チャール様、意地悪い顔をしていますわね。
可愛い顔が台無しですわ。
「私も話を聞いたときは笑いが止まりませんでしたわ。お気の毒さまって思いましたわ。」
んん?なぜお気の毒さまなのでしょうか?
軽く首を傾げてしまいましたが、とりあえずお話を進めてしまいましょう。
「とりあえず、座りましょう。それから...お仕事をしなければね。紅茶とお菓子をお願い。」
メイドに準備するようにお願いをします。
「そうだね。そうしよう。」
「ここのお菓子は美味しいので楽しみにしてましたわ。数日間宜しくお願い致しますわね!」
「ええ、宜しくお願い致しますわ。」
「そうだわ、テレシア様!今日の夜は一緒に寝ましょう!」
「ぶっ...!」
あらあら、メイリナ様大胆ですわね。
そして、チャール様は吹き出して咳き込んでしまいましたわ。
「っ...!メイリナだめだ!一緒に寝るのはだめだ!」
「チャールの許可は、いま必要としておりませんわ。」
ふいっとメイリナ様はそっぽを向いてしまいました。
「僕と一緒に寝るのは良いが、他はだめだ!同性でもだめだ!」
「チャール、心が狭いわ。そんなこと言うなら仕事以外でしばらく口をききませんわ。」
「うぐぅ...。」
お?これはメイリナ様の勝利ですかね?
「メイリナ...今度覚えてろよ...。」
ボソッと恐ろしいこと言ってますが、無視しましょ。
嫉妬深い男は嫌われますわよ。
「テレシア様!今日はパジャマパーティーですわ!いっぱいお酒も飲みましょうね!これからのことも聞きたいですし!」
「わかりましたわ。おつまみと甘味も揃えましょう。」
「ありがとうございます!」
メイリナ様は可愛いというよりも、お姉様とお呼びしたくなるぐらいの美人さんなのですけど...限られた人達だけ可愛く甘えてくるので良いですよね。
とりあえず、紅茶もお菓子も揃いましたし、お仕事しましょう。
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「はぁ...可愛いですわよねー。ずっと撫でてたいぐらいですわ。髪もさらさらのふわっふわで気持ちいいですもの。」
「うふふー。良いでしょ。私はいつでも触り放題なのよ。令嬢達とお茶会した後や夜会の時に人気のない場所に行って癒されるのですわ。」
「羨ましいですわ...。」
と、チャール様の髪をメイリナ様と一緒になでなでしまくります。
チャール様はいつものことなのですが、膨れっ面する姿が可愛いですわ。
でも、なでなでしないと拗ねるのでそちらも捨てがたいですわよね...。
もちろん、お仕事は終わらせています。
お仕事後の癒しタイムですわ。
「今度、お国へ帰ったらデザイナーに頼んである服を大量に持って王宮にいって、チャールのことをお飾りするのよ。」
「あら、羨ましいですわ!いっそ、これだけ可愛いのですもの。女の子みたいにめかし込んで化粧もしたいですわね。」
「あっ!それありだわ!あとでデザイナーに連絡しなきゃ!」
「しなくって良い!!!止めてくれっ!!!」
着せ替え人形になるとわかって遠い目してたチャール様が帰ってきましたわね。
「メイリナ様、後でゆっくりと...。」
「わかりましたわ、テレシア様。」
向かい合って二人でニンマリする横で、チャール様が悲壮感を出しながらため息つきました。
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