上 下
16 / 22

子供

しおりを挟む
「ねぇ、ルディーク。子供はどうする?」

クロスティアナはベッドに寝転んだまま、ベッドに腰掛けていたルディークに問いかける。

「俺はどっちでもいいぞ。子供達も生きているし、いっそこっちに呼び寄せて一緒に暮らすのもいいが...クロスと二人だけで暮らすのもいいしな。また子作りして子育てするのも良いんだが...二人きりの時間がな...。」

顎に手を当てて、考えながらルディークが答えました。

「アルマもシュトもアーティスも自由にのびのびやってるんだから呼ばなくっても良いんじゃない?」

「だが、クロスに会いたがっていたぞ。一回会わないとな。」

「そうねー。会うんだったら精霊界じゃないとねー。」

アルマ、シュト、アーティスは私とルディークの子供。

アルマは女性で、シュトとアーティスは男性。

一応精霊王であるルディークと人間である私の子供だから、ハーフってことになるわね。

精霊界に行き来できるし、精霊と伴侶になることができるし、人間に比べたら寿命は少し長い程度。

ハーフだから、子供達みんな魔力高くって大活躍しているみたい。

でも世界の制限があって、前世で過ごした世界に行くことはできない。

その世界では死んだ人間だから。

一応その世界で千年近く経てば行けるみたいだけど...特に用事もないし随分変わっているだろうから行く気なんて起きないのよね。

なので、子供達が精霊界に来てくれないと会うことが出来ない。


ちなみに繰り返している転生の中で、初めて二人で子供を作ろうとしたのがいまの生よりもひとつ前の前世。

それまではずっと二人きりだった。

二人きりで良いって思っていたし、子供を作るという必要性も無かった。

愛し子だからどうせ転生するし、長い長い時の中でいつかほしいと思えたら...と考えていた。

精霊と人間が子供を作るには、契約魔法を使わないと子供が出来ない仕組みになっているし、死ぬとリセットされるから転生する度に契約しなくってはならない。

世界ってうまく回っているのねーと感心してしまう。

精霊と愛し子のペアって全体で見ると少ないけど、思った以上にいるのよね。

まぁ、増えたり少なくなったりしているから...数的にはそんなに前後しないで一定数が続いているのだけど。

何回も転生を繰り返すから、そんないっぱい子供を作られると世界のバランスを壊してしまう可能性がある。

まぁ、契約しても子供が出来るかどうかは運にお任せなのだけど。


と、いままでのことを振り返っていたらルディークが手を繋いできて、目線を合わせた。

「子作りしたいなら...契約しないとな。契約しても子供がいつできるかはわからないが、いっぱい励まないとな。」

ニヤリと笑う姿は本当に魔王みたいね。

そういえば...どこかの前世で闇の精霊王は魔王、光の精霊王は女神なんて言われていたっけ?

ルディークが魔王だと言われて討伐されてしまうのでは?と判ったときは、ノリノリで役柄に殉じようとするルディークを引き摺って精霊界に避難した時が懐かしいわね。

ルディークを引き摺っている私を見て面白がって追い掛けてきた光の精霊王アリスティナが契約を迫ってきたのよね。

懐かしいわ。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~

降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。

悪役令嬢に転生したので、やりたい放題やって派手に散るつもりでしたが、なぜか溺愛されています

平山和人
恋愛
伯爵令嬢であるオフィーリアは、ある日、前世の記憶を思い出す、前世の自分は平凡なOLでトラックに轢かれて死んだことを。 自分が転生したのは散財が趣味の悪役令嬢で、王太子と婚約破棄の上、断罪される運命にある。オフィーリアは運命を受け入れ、どうせ断罪されるなら好きに生きようとするが、なぜか周囲から溺愛されてしまう。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

闇黒の悪役令嬢は溺愛される

葵川真衣
恋愛
公爵令嬢リアは十歳のときに、転生していることを知る。 今は二度目の人生だ。 十六歳の舞踏会、皇太子ジークハルトから、婚約破棄を突き付けられる。 記憶を得たリアは前世同様、世界を旅する決意をする。 前世の仲間と、冒険の日々を送ろう! 婚約破棄された後、すぐ帝都を出られるように、リアは旅の支度をし、舞踏会に向かった。 だが、その夜、前世と異なる出来事が起きて──!? 悪役令嬢、溺愛物語。 ☆本編完結しました。ありがとうございました。番外編等、不定期更新です。

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?

せいめ
恋愛
 政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。  喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。  そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。  その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。  閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。  でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。  家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。  その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。    まずは亡くなったはずの旦那様との話から。      ご都合主義です。  設定は緩いです。  誤字脱字申し訳ありません。  主人公の名前を途中から間違えていました。  アメリアです。すみません。    

愛など初めからありませんが。

ましろ
恋愛
お金で売られるように嫁がされた。 お相手はバツイチ子持ちの伯爵32歳。 「君は子供の面倒だけ見てくれればいい」 「要するに貴方様は幸せ家族の演技をしろと仰るのですよね?ですが、子供達にその様な演技力はありますでしょうか?」 「……何を言っている?」 仕事一筋の鈍感不器用夫に嫁いだミッシェルの未来はいかに? ✻基本ゆるふわ設定。箸休め程度に楽しんでいただけると幸いです。

変態婚約者を無事妹に奪わせて婚約破棄されたので気ままな城下町ライフを送っていたらなぜだか王太子に溺愛されることになってしまいました?!

utsugi
恋愛
私、こんなにも婚約者として貴方に尽くしてまいりましたのにひどすぎますわ!(笑) 妹に婚約者を奪われ婚約破棄された令嬢マリアベルは悲しみのあまり(?)生家を抜け出し城下町で庶民として気ままな生活を送ることになった。身分を隠して自由に生きようと思っていたのにひょんなことから光魔法の能力が開花し半強制的に魔法学校に入学させられることに。そのうちなぜか王太子から溺愛されるようになったけれど王太子にはなにやら秘密がありそうで……?! ※適宜内容を修正する場合があります

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

処理中です...