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今後の為に

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ステージを降りた後、お父様のもとに向かう。

ルディークを紹介しなきゃね。


「お父様、紹介致します。私の夫で闇の精霊王のルディークですわ。」

「ルディークだ。宜しく頼む。」

小鳥姿なルディークは可愛いだけね。


あら?

気がつかなかったですが、お父様の側に陛下がいらっしゃいますね。

私は慌ててカーテシーをしました。

「陛下、気がつかずに申し訳ありません。私はクロスティアナ・メイヴェーラ・クロッサムと申します。以後、お見知りおきを。」

「ああ、こちらこそ宜しく頼む。幼いのにこれだけ才能が溢れてる者を放置したくないのでね。出来れば王宮にて勤めて貰いたいのだが...。
魔法師団長からも貴女のことを聞いていたからな。
どうだろうか?」

魔法師団長とは、短い間だけども魔法の先生になってくださった方ですわ。魔法発表会の推薦状もこの方のですわね。

「陛下、もし勤めるとしても私は攻撃系の魔法が使えません。なので、補助系や場を盛り上げるような魔法師、もしくは魔法研究者として置いていただきたいと考えております。」

「そうか。」

「闇の精霊王としてクロスの夫として、前回みたいに精霊界でゆっくり静かに、一緒に暮らすほうが良いんだけどな...。だめか?」

目尻を下げて、困った顔をしながら言ってもだめです。

すごく心揺れちゃうけど。

「まだだめ。あの時は当時の陛下が私を欲して、なおかつ手に入らないならと戦場に放りこもうとしたから、貴方が怒って陛下を破滅させた挙げ句に国を滅ぼした後の、静かな暮らしだったでしょ?」

陛下もお父様もギョッとしておりますね。

「クロスを欲しようなど...クロスを殺そうなど...まだまだ怒りが収まらないんだが。」

「ルディ、もうあの時じゃないんだから怒らないの。今回そういうことが起こりそうなら精霊界にいくわ。だから、それまでは人間としてちゃんと生きたいの。お願い。」

ルディークは陛下をチラッと見て、

「こいつは俺が脅しとけば大丈夫だ。だが...いま厄介な感情を抱えてるやつが近くにいるな。お前の息子か?クロスは俺のものだぞ。」

陛下はさらにギョッとして、近くにいる息子...クリストル・ロ・ディーナ第一王子を呼び止めました。

「クリス!」

「父上、どうしまし...っ!?」

「おい、見るな。クロスは俺のもので俺の妻で俺の最愛だ。お前には絶対渡さないし、近づかせない。さっさと諦めろ。」

私を見て固まってしまった第一王子様に、小鳥姿から成人男性の姿になって私を隠すように抱き上げるルディーク。

女性の取り合いには、年齢的に早すぎないかしら?

なんて、おとぼけするぐらいいつものことなのですよね。

ルディークの嫉妬深さを舐めたらいけません。

お仕置きされたくないですしね。
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