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新たな仲間
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「さて、君達が捕縛した二人だが……。」
シャインの手によって俺とレインの前に例の二人が引きずり出される。
体をこれでもかというほど、ロープでぐるぐる巻きにされている。
「どうやら、アーロン殿の殺害には関与していないそうだ。」
「……本当ですか?」
レインはあからさまに疑いの目を向ける。
レインからしたら陽炎部隊の事はもはや信用ならないのだろう。
眼の前の二人はものすごい勢いで首を縦に振っている。
「あぁ。本当だ。」
すると、グロールが出てくる。
「そうですか!グロール副隊長が言うのならそうなんですね!」
「……。」
そのあからさまな態度の違いにシャインは少しがっかりしている。
「……まぁ、仕方ないですよ。そもそも敵なんですから。」
「……とは言ってもねぇ……。状況的にはもっと信頼して欲しい物だけどね……。」
流石にかわいそうになり、フォローを入れる。
確かに今後更に状況は厳しくなるだろう。
勇者を殺そうとするということは王国を敵に回すのと同じだ。
出来れば、そのあたりの真意も知っておきたい所だが……。
「ん?どうしたんだい?」
「……いえ。何でも。」
問いただすべきときでは無いだろう。
レインさんもそうだが、もう少し信頼を深めてからでも遅くはない。
これについてはグロールさんと話して決めるとしよう。
「アルフレッド。あの二人だが、俺達に協力したいと言っている。どうする?」
「だめに決まってます!そんなの信用できません!」
グロールの発言に珍しく反対する。
「だが、このまま返すわけにもいかん。捕縛し続けるのも簡単では無いだろう。」
「……何故俺なんですか?」
こういうのに慣れているのはこの人だろう。
するとグロールはまっすぐこちらを見つめながら話してくる。
「良いか?俺やレインはお前のためにここにいる。エドワードもお前を見張るためにいる。つまり、俺達はお前が中心となっているんだ。今後、仲間が増えていくだろう。その中心となるのはお前だ。」
「……でも、こういうのはあなたの方が慣れてんるんじゃ?」
グロールは首を横に振る。
「いいや、今後、俺がずっとついていてやれるとも限らん。どんな状況に陥っても良いようにこういったことにも慣れていくんだ。」
「……わかりました。」
レインさんの方を向く。
「レインさんの意見を聞かせて下さい。」
「あの二人はいつも真面目に働かないで有名です。私達と協力したいと言ってもこの場を逃れるための嘘に過ぎません!」
「……だが、実力は確かだ。あの二人はコンビでよく仕事をこなしていた。俺の時代も新人ながら数々の任務をこなしてきてくれていたからな。」
グロールさんの意見も聞き、答えは決まった。
いや、恐らくグロールさんがこの話を持ち出した時点でグロールさんの中ではこうなることが予測できていたのだろう。
「……あの二人は連れていきます。グロールさんが目を光らせていればあの二人も馬鹿なことは出来ないでしょう。蜃気楼の人達もいる中で好き勝手は出来ないと思いますから。」
「……そうだな。だが、レインの言った通り、不真面目だ。俺達に協力をする理由を持たせてやることが大事だぞ。」
グロールのアドバイスに俺は頷く。
「はい。困ったことがあったらいつでも頼りにさせてもらいますからね。グロールさん。」
「ふ、良いだろう。いつでも頼ってくれていいぞ。」
「……私も!私も頼ってくださいね!」
少々仲間はずれにされたのが悲しかったのか、レインさんが割り込んでくる。
「あ、私達も頼ってくれていいんだからね?どうやら我々は信頼されていないようだが。」
「……まぁ、シャインさんもよろしくお願いします。」
まぁ、この人達も信頼できない訳では無い。
利用価値がある間は協力関係でいてくれるはずだ。
何はともあれ、今後の事について考えなくては。
保有スキル
『隠密』 強制的に相手の認識外になる
『不意打ち』 相手が認識していない場合攻撃力が二倍。
『奇襲』 相手が認識していない場合攻撃力が五倍。
『俊足』 発動してから三十秒間、速度が五倍。
『回復』 致命傷以外なら即座に回復可能。
『ファイアボール』火の玉を放つ。
『ライトニング』 雷撃を放つ。
『模倣』 相手の動き、言動等を習得出来る。
『調合』 薬を即座に調合出来る。
『キャンプ』 好きな場所にキャンプを展開可能。
『剣聖』 全ての能力が五倍。
シャインの手によって俺とレインの前に例の二人が引きずり出される。
体をこれでもかというほど、ロープでぐるぐる巻きにされている。
「どうやら、アーロン殿の殺害には関与していないそうだ。」
「……本当ですか?」
レインはあからさまに疑いの目を向ける。
レインからしたら陽炎部隊の事はもはや信用ならないのだろう。
眼の前の二人はものすごい勢いで首を縦に振っている。
「あぁ。本当だ。」
すると、グロールが出てくる。
「そうですか!グロール副隊長が言うのならそうなんですね!」
「……。」
そのあからさまな態度の違いにシャインは少しがっかりしている。
「……まぁ、仕方ないですよ。そもそも敵なんですから。」
「……とは言ってもねぇ……。状況的にはもっと信頼して欲しい物だけどね……。」
流石にかわいそうになり、フォローを入れる。
確かに今後更に状況は厳しくなるだろう。
勇者を殺そうとするということは王国を敵に回すのと同じだ。
出来れば、そのあたりの真意も知っておきたい所だが……。
「ん?どうしたんだい?」
「……いえ。何でも。」
問いただすべきときでは無いだろう。
レインさんもそうだが、もう少し信頼を深めてからでも遅くはない。
これについてはグロールさんと話して決めるとしよう。
「アルフレッド。あの二人だが、俺達に協力したいと言っている。どうする?」
「だめに決まってます!そんなの信用できません!」
グロールの発言に珍しく反対する。
「だが、このまま返すわけにもいかん。捕縛し続けるのも簡単では無いだろう。」
「……何故俺なんですか?」
こういうのに慣れているのはこの人だろう。
するとグロールはまっすぐこちらを見つめながら話してくる。
「良いか?俺やレインはお前のためにここにいる。エドワードもお前を見張るためにいる。つまり、俺達はお前が中心となっているんだ。今後、仲間が増えていくだろう。その中心となるのはお前だ。」
「……でも、こういうのはあなたの方が慣れてんるんじゃ?」
グロールは首を横に振る。
「いいや、今後、俺がずっとついていてやれるとも限らん。どんな状況に陥っても良いようにこういったことにも慣れていくんだ。」
「……わかりました。」
レインさんの方を向く。
「レインさんの意見を聞かせて下さい。」
「あの二人はいつも真面目に働かないで有名です。私達と協力したいと言ってもこの場を逃れるための嘘に過ぎません!」
「……だが、実力は確かだ。あの二人はコンビでよく仕事をこなしていた。俺の時代も新人ながら数々の任務をこなしてきてくれていたからな。」
グロールさんの意見も聞き、答えは決まった。
いや、恐らくグロールさんがこの話を持ち出した時点でグロールさんの中ではこうなることが予測できていたのだろう。
「……あの二人は連れていきます。グロールさんが目を光らせていればあの二人も馬鹿なことは出来ないでしょう。蜃気楼の人達もいる中で好き勝手は出来ないと思いますから。」
「……そうだな。だが、レインの言った通り、不真面目だ。俺達に協力をする理由を持たせてやることが大事だぞ。」
グロールのアドバイスに俺は頷く。
「はい。困ったことがあったらいつでも頼りにさせてもらいますからね。グロールさん。」
「ふ、良いだろう。いつでも頼ってくれていいぞ。」
「……私も!私も頼ってくださいね!」
少々仲間はずれにされたのが悲しかったのか、レインさんが割り込んでくる。
「あ、私達も頼ってくれていいんだからね?どうやら我々は信頼されていないようだが。」
「……まぁ、シャインさんもよろしくお願いします。」
まぁ、この人達も信頼できない訳では無い。
利用価値がある間は協力関係でいてくれるはずだ。
何はともあれ、今後の事について考えなくては。
保有スキル
『隠密』 強制的に相手の認識外になる
『不意打ち』 相手が認識していない場合攻撃力が二倍。
『奇襲』 相手が認識していない場合攻撃力が五倍。
『俊足』 発動してから三十秒間、速度が五倍。
『回復』 致命傷以外なら即座に回復可能。
『ファイアボール』火の玉を放つ。
『ライトニング』 雷撃を放つ。
『模倣』 相手の動き、言動等を習得出来る。
『調合』 薬を即座に調合出来る。
『キャンプ』 好きな場所にキャンプを展開可能。
『剣聖』 全ての能力が五倍。
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