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第7話 乃愛①
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土曜日の昼、俺は乃愛と麗奈の家の前に来ていた
相変わらずでかい家だな
住宅街にあるこの家は目の前で見ると違和感が凄い
そう乃愛と麗奈の家はお金持ちなのだ
そしてなんで今日ここに来たのかというと、昨日の夜乃愛からLINEがあって乃愛の家にお呼ばれ?されたのだ
チャイムを鳴らすとすぐにドアが開き
部屋着姿の乃愛が顔を出した
「よっ!」
「亮君ー入って入って」
広い玄関で靴を脱いでスリッパに履き替えてリビングまで進む
「あれ?麗奈とおばさんは?」
おばさんとは麗奈と乃愛の母だ
「ママは今日出かけてるよー麗奈ねえも友達と遊びに行ってる」
誰かしらいるもんだと思ってたら、乃愛と二人っきりなんて予想外だ
これってお家デートと言うやつでは?
まあでもそういうの乃愛は意識してないんだろうなー
だったら俺もできるだけそういうのは意識しないようにするしかないか
「今日は何するんだ?」
誘われた時なにをするかまでは言われてなかったので一応聞いておく
「映画鑑賞ー!」
「だと思った」
昔から乃愛は映画を観るのが好きで定期的に俺とか麗奈を誘って一緒に見ていた
だから乃愛の家に来たのはこれが初めてではないし、定期的にお邪魔させてもらってる
俺も映画を見るのは好きだし乃愛が選んだ映画は大体面白いので実は俺も久しぶりに誘われて結構嬉しかった
「でどんな映画観るの?何系?」
「せっかくだし当てて!何系だと思う?」
映画を観る前だからかいつも以上にテンションが高い乃愛
せっかくだし、乗ってやるか
うーん今まで観てきた傾向で行くと
「青春恋愛系だな!それも泣ける系」
「ぶっぶー!正解は亮君が苦手そうなホラーでしたー」
どっちかというと乃愛の方が苦手そうだけど、でも自分で選んでるし意外と得意だったりするのかもしれない。俺が怖がってたらバカにしてきそう……
よし、出来るだけ怖がらないよう努力するぞ
といっても別にホラーが苦手なわけではないので多分平気だ
それから机の上にお菓子と飲み物を用意して俺たちはソファーの上に座った
にしてもでかいテレビだな
流石に映画館とまではいかないが普通のテレビ以上に迫力は伝わりやすいと思う
「じゃあ再生するねー」
映画を観始めて20分くらいたっただろうか
映画の展開としては冒頭が終わりホラー要素がちょこちょこ出てきたようなとこだ
そんな時俺は隣に座っている乃愛の様子がおかしいことに気づく
いつの間にかソファーの上で体育座りを始めた乃愛はプルプルと震えているように見える
まだ全然怖いとこじゃないと思うんだけどなあ
そう思っていると、俺の服が引っ張られた
「亮君、怖い」
その様子は思わず抱きしめたくなるような小動物的可愛さがあった
「一旦止めるか?」
俺がそう言うと乃愛は首を振りながら
「それは映画に失礼」
「お、おう。そうか……」
おもわずツッコミたくなったが乃愛にも色々考えがあるのだろう
にしてもこのまま観て平気なのだろうか
それから30分してその映画の中で一番怖いのではないかと思う場面に突入していた
乃愛とは言うと俺の真横にきて俺に軽く抱きつきながら怖いシーンが来ると目を閉じたり目を逸らしたりしていた
俺はというと乃愛が着ている服が大きめということがあってか乃愛の胸がちらりと見えていてそれを見てはいけないと思いつつ何度も見ては目を逸らしてと別の意味で悶々としていた
エロとホラーの大渋滞だ
すると
「きゃっ――」
俺でも結構怖いと思うようなシーンがいきなり出てきて、それと同時に乃愛が俺に思いっきり抱き着いてきた
麗奈が抱き着いてきた時は意識できてなかったが、めっちゃ軟らかくてめちゃくちゃいい匂いがする
それから乃愛は映画が終わるまで抱き着いたまま離れなかった
俺は抱き着かれてから何も考えないようにしてたせいで後半の映画の記憶がなかった
エンドロールが流れだすと乃愛は顔を上げて
「終わった……?」
そんな風に言いながらテレビの画面を観て安心していた
「それじゃあそろそろ離れてほしい……」
俺もそろそろ限界かもしれない
「あっ――」
乃愛は自分がしてることに気づくと急いで俺から離れた
「ご、ごめんっ。怖かったから……」
乃愛にとっても恥ずかしかったのか毛先をいじって視線をずらしている
乃愛の様子が落ち着いてきたのを見計らって俺は気になっていたことを聞いてみた
「なんでホラー系苦手なのに観ようとしたんだ?」
「えっとね。この映画前から見たいと思ってて、でも一人じゃ怖くて見れなかったの。でも亮君となら観れるかなって、それで今日は最後まで観れた。亮君ありがとう」
なんとも可愛らしい理由だった
「そうだったのか!どういたしまして」
乃愛がちゃんと映画を観れたのかはともかく満足できたなら良かった
「あと、亮君はどうだった?」
「ん?普通に面白かったぞ」
ラストは覚えてないけど
「映画もそうだけど、……乃愛の抱き心地は?」
「はあ!?」
いきなりの質問にらしくない声が出てしまう
抱き心地と言われても、実際は乃愛に抱かれてたからな……
でも乃愛も冗談で言ってるわけではないと思うので正直に言おう
「……かわいかった」
「うっへへー。ありがとっ」
「――――っ」
恥ずかしがるというより素直に喜んでいる乃愛の反応が新鮮でそれでいて可愛すぎる
「二人きりだとこんな反応になるのか……」
この前は嫌がられたのにと、つい口に出てしまった言葉に乃愛が反応する
「二人きりの時は乃愛も、亮君にいっぱい可愛がってほしい……でも人前ではまだ言っちゃダメ」
可愛がってほしいって……だめだ、今の乃愛に言われると全部いけない意味にとらえてしまいそうになる
ていうかまだってどういうことだ?
そのうち外でも言っていいってこと?
そう思っていると、乃愛が続けて
「人前でそういうこと言うのは付き合ってからじゃないとダメ。周りに誤解されちゃう」
「――――っ」
今日の乃愛はどこか変だ。いつもはこんなアピールというか、甘えるようなことは直接言ってこないのに
ていうかもうこれって乃愛が俺の事を好きなのって確定なのでは……
「お、おう」
そう思うと俺はそれ以外に何も言えず、乃愛の方を直視できなかった
「この後何する?」
乃愛にそう言われて俺は
「俺この後用事あるから、そろそろ帰ろっかな」
本当は用事はないけどこれ以上乃愛と一緒にいるのもまずい気がした
「そっか残念。また遊びに来てね」
次来るときにはもっと耐性をつけなきゃいけないそう思った
相変わらずでかい家だな
住宅街にあるこの家は目の前で見ると違和感が凄い
そう乃愛と麗奈の家はお金持ちなのだ
そしてなんで今日ここに来たのかというと、昨日の夜乃愛からLINEがあって乃愛の家にお呼ばれ?されたのだ
チャイムを鳴らすとすぐにドアが開き
部屋着姿の乃愛が顔を出した
「よっ!」
「亮君ー入って入って」
広い玄関で靴を脱いでスリッパに履き替えてリビングまで進む
「あれ?麗奈とおばさんは?」
おばさんとは麗奈と乃愛の母だ
「ママは今日出かけてるよー麗奈ねえも友達と遊びに行ってる」
誰かしらいるもんだと思ってたら、乃愛と二人っきりなんて予想外だ
これってお家デートと言うやつでは?
まあでもそういうの乃愛は意識してないんだろうなー
だったら俺もできるだけそういうのは意識しないようにするしかないか
「今日は何するんだ?」
誘われた時なにをするかまでは言われてなかったので一応聞いておく
「映画鑑賞ー!」
「だと思った」
昔から乃愛は映画を観るのが好きで定期的に俺とか麗奈を誘って一緒に見ていた
だから乃愛の家に来たのはこれが初めてではないし、定期的にお邪魔させてもらってる
俺も映画を見るのは好きだし乃愛が選んだ映画は大体面白いので実は俺も久しぶりに誘われて結構嬉しかった
「でどんな映画観るの?何系?」
「せっかくだし当てて!何系だと思う?」
映画を観る前だからかいつも以上にテンションが高い乃愛
せっかくだし、乗ってやるか
うーん今まで観てきた傾向で行くと
「青春恋愛系だな!それも泣ける系」
「ぶっぶー!正解は亮君が苦手そうなホラーでしたー」
どっちかというと乃愛の方が苦手そうだけど、でも自分で選んでるし意外と得意だったりするのかもしれない。俺が怖がってたらバカにしてきそう……
よし、出来るだけ怖がらないよう努力するぞ
といっても別にホラーが苦手なわけではないので多分平気だ
それから机の上にお菓子と飲み物を用意して俺たちはソファーの上に座った
にしてもでかいテレビだな
流石に映画館とまではいかないが普通のテレビ以上に迫力は伝わりやすいと思う
「じゃあ再生するねー」
映画を観始めて20分くらいたっただろうか
映画の展開としては冒頭が終わりホラー要素がちょこちょこ出てきたようなとこだ
そんな時俺は隣に座っている乃愛の様子がおかしいことに気づく
いつの間にかソファーの上で体育座りを始めた乃愛はプルプルと震えているように見える
まだ全然怖いとこじゃないと思うんだけどなあ
そう思っていると、俺の服が引っ張られた
「亮君、怖い」
その様子は思わず抱きしめたくなるような小動物的可愛さがあった
「一旦止めるか?」
俺がそう言うと乃愛は首を振りながら
「それは映画に失礼」
「お、おう。そうか……」
おもわずツッコミたくなったが乃愛にも色々考えがあるのだろう
にしてもこのまま観て平気なのだろうか
それから30分してその映画の中で一番怖いのではないかと思う場面に突入していた
乃愛とは言うと俺の真横にきて俺に軽く抱きつきながら怖いシーンが来ると目を閉じたり目を逸らしたりしていた
俺はというと乃愛が着ている服が大きめということがあってか乃愛の胸がちらりと見えていてそれを見てはいけないと思いつつ何度も見ては目を逸らしてと別の意味で悶々としていた
エロとホラーの大渋滞だ
すると
「きゃっ――」
俺でも結構怖いと思うようなシーンがいきなり出てきて、それと同時に乃愛が俺に思いっきり抱き着いてきた
麗奈が抱き着いてきた時は意識できてなかったが、めっちゃ軟らかくてめちゃくちゃいい匂いがする
それから乃愛は映画が終わるまで抱き着いたまま離れなかった
俺は抱き着かれてから何も考えないようにしてたせいで後半の映画の記憶がなかった
エンドロールが流れだすと乃愛は顔を上げて
「終わった……?」
そんな風に言いながらテレビの画面を観て安心していた
「それじゃあそろそろ離れてほしい……」
俺もそろそろ限界かもしれない
「あっ――」
乃愛は自分がしてることに気づくと急いで俺から離れた
「ご、ごめんっ。怖かったから……」
乃愛にとっても恥ずかしかったのか毛先をいじって視線をずらしている
乃愛の様子が落ち着いてきたのを見計らって俺は気になっていたことを聞いてみた
「なんでホラー系苦手なのに観ようとしたんだ?」
「えっとね。この映画前から見たいと思ってて、でも一人じゃ怖くて見れなかったの。でも亮君となら観れるかなって、それで今日は最後まで観れた。亮君ありがとう」
なんとも可愛らしい理由だった
「そうだったのか!どういたしまして」
乃愛がちゃんと映画を観れたのかはともかく満足できたなら良かった
「あと、亮君はどうだった?」
「ん?普通に面白かったぞ」
ラストは覚えてないけど
「映画もそうだけど、……乃愛の抱き心地は?」
「はあ!?」
いきなりの質問にらしくない声が出てしまう
抱き心地と言われても、実際は乃愛に抱かれてたからな……
でも乃愛も冗談で言ってるわけではないと思うので正直に言おう
「……かわいかった」
「うっへへー。ありがとっ」
「――――っ」
恥ずかしがるというより素直に喜んでいる乃愛の反応が新鮮でそれでいて可愛すぎる
「二人きりだとこんな反応になるのか……」
この前は嫌がられたのにと、つい口に出てしまった言葉に乃愛が反応する
「二人きりの時は乃愛も、亮君にいっぱい可愛がってほしい……でも人前ではまだ言っちゃダメ」
可愛がってほしいって……だめだ、今の乃愛に言われると全部いけない意味にとらえてしまいそうになる
ていうかまだってどういうことだ?
そのうち外でも言っていいってこと?
そう思っていると、乃愛が続けて
「人前でそういうこと言うのは付き合ってからじゃないとダメ。周りに誤解されちゃう」
「――――っ」
今日の乃愛はどこか変だ。いつもはこんなアピールというか、甘えるようなことは直接言ってこないのに
ていうかもうこれって乃愛が俺の事を好きなのって確定なのでは……
「お、おう」
そう思うと俺はそれ以外に何も言えず、乃愛の方を直視できなかった
「この後何する?」
乃愛にそう言われて俺は
「俺この後用事あるから、そろそろ帰ろっかな」
本当は用事はないけどこれ以上乃愛と一緒にいるのもまずい気がした
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