悪いスライムじゃないよ?

DM.a

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説明するのも大変なのに納得させるのは、ムリ

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俺は今王都に居る。
あれから直ぐに出発して4時間で王都に着いた。
何気にドラゴンで魔力が増えたのかもしれない、休憩なしで飛んで来れた。
記憶ではこの建物だな。
門兵が此方を伺っている。フードを外して近づくと。

「!お嬢様、お帰りなさいませっ!」

「ただいま、お父様達は居るかしら?」

「はいっ!お嬢様の事を思い塞いでおりますが、もう大丈夫でしょう」

「そう、迷惑を掛けたわね」

「いえ、お嬢様のお元気な姿を見れば」

「ありがと」

玄関に近づいて行くと、ドアが勢いよく開いて両親が出て来た。

「アリサっ!今迄何処に行ってたんだっ!皆心配して、うぅぅ・・・」

「あなた、帰って来たのだしお説教は後でアリサも疲れてるだろうからゆっくりお風呂に入って来なさい」

「はい、お父さま、お母さま、申し訳ございません」
「お風呂を先に頂きます」

この世界に来て初めてのお風呂は気持ちよかったですねぇ
さて、これからが本番だなっと。

「お父さま、お母さま、失礼します」

「うむ、それでアリサは何処に行ってたのだ?」

「はい、実はダンジョンにオークエンペラーが出たと聞いたのでダンジョンに行っていました」

「!何をっ、ボイルの為とはわかるがっお前が危ないことをする必要はないんだっ!」

「そうよ、ボイルには悪いけど薬の材料は今探してる所なんだから少し我慢してもらうわ」

「いえっ、可愛い弟が苦しんでるのを見てるのが辛くて早く集めないと、と思い」

「馬鹿なっ、それでお前の命が危ぶまれたりすればボイルの気持ちはどうなるっ!」

「申し訳ありません、それでも気が急いてしまいました」

「まぁ、無事に戻ってきたんですから。これからは無茶はしないでね?」

「ありがとうございます。お母さま」
「それで、一応薬の素材は手に入れてきましたが」

「な、なんだとっ!手に入ったのかっ!?」

「はい、手には入ったんですが・・・」

「が?どうしたんだ?」

「解体してませんので、解体の手配をお願いします」

「解体?本体は何処にあるんだ?荷車か何かで運んでるのか?」

「いえ、それで家で解体をして貰えるのでしょうか?」

「あ、あぁ執事のセバスが元冒険者だから解体は出来ると思うが」

「お嬢様、セバスにお任せください。ボイル様の薬の材料を私めが責任を持って解体致しましょう」

「そう、なら何処に運べば良いかしら?」

「キッチン裏の広場にお願い出来ますか」

「わかりました、移動しましょう」

「アリサ、物は来てるのかい?」

「はい、行きましょう」

キッチン裏に移動して皆には離れて貰ってから収納から出しました。

ドンッ

「!アリサっ、何時の間に収納の魔術をっ!?」

「その事に付いては後でお話しします。先にセバス、お願いね」

「かしこまりました。」

「では、お父さま、お母さま、お話を部屋に戻って致しましょう」



「それでは、今回の事に付いてお話しますが、最後まで聞いてくださいね」

「うむ、それは問題無いが」

「話を途中で止めないで下さい。質問は最後にしてください」

「わかった」

「では、私アリサは貴族として生きて行くことが出来なくなりました」

「そ、それは」

「話を止めないで下さい、お父さま」

「し、しかし」

「あなた」

「わ、わかった」

「ありがとうございます、お母さま」
「理由はダンジョンの中で暴漢に襲われ穢されました、ですのでこの先婚姻は無理だと思います」
「それから、私は一度ダンジョン内で死んだみたいです」
「みたいと言うのは殺された記憶が無いからですが、暴漢を問い詰めた所死んだことを確認したみたいです」
「で、何故死んだはずの私が此処に居るかと言うと神か悪魔かわかりませんが蘇生されたみたいです」
「目が覚めた時に隣に羽の生えたピンク色のスライムが居ました」
「首の下には大量の血痕が残ってました、凡そ生きてるのが不可能な位に」
「気が付いたらスライムは消えていました」
「それから色々と調べてみると全属性魔法が使えるようになっていました」
「収納もその一つです、オークエンペラーも私が倒してまいりました」
「あっそれと暴漢は5人居ましたが1人に付き金貨1000枚をギルドに奴隷として引き取って貰いました」
「1週間以内には私のカードに振り込まれると思います。それで手打ちに致しました」
「以上が今回の顛末です」

「お、お前は何故そんなに冷静に話してるんだっ!本当なら大変どころじゃないじゃないかっ!」

「そうですね、自分でも変だとは思いますが・・・一度死んだ影響かもしれませんね」

「アリサ、私には真実かどうかわかりませんが。これからどうするの?」

「はい、私は冒険者として旅に出ようかと思っています」

「!何故だっ、そんな事が有ったのに冒険者になどっ!」

「そうですね、普通なら冒険者に成ろうなんて思いませんでしょうね」
「ただ、この力は1貴族が抱えられるほど小さい物ではありません」
「お父さま?」

「な、なんだ・・・」

「申し訳ありません、ルーデンス家がどうのじゃ無いのです。先ほども言いましたが全属性なのです」

「あ、あぁそう言ってたね・・・」

「はい、空も飛べれば空間転移もできます」

「!?」

「そこまでの力を持ってしまったのです。ですのでこの家から出て行くのが良いのです」
「お分かり頂けましか」

「わかったが、納得はできんっ!」

「私も納得は出来ないわ、力が有るのが分からなければ問題ないのじゃないの?」

「確かに見つからなければ問題はないのでしょう」

「ならっ」

「多分無理だと思います」

「それは、何故なの?」

「仮に領地でスタンピードが発生したとしたら?」
「仮に王都で事件に巻き込まれたとしたら?」
「仮に家族、王族が病気で貴重な素材が必要になるとしたら?」
「私は、戸惑わずに力を使うと思います」

「そ、それは・・・」

「この力がもし王家に知られたら、どうなるかは火を見るよりも明らかでしょう」

「少し、考えさせてくれ」

「わかりました、部屋で休んでますね」
「お父さま、お母さま、失礼いたします」


ふぅ、どっと疲れたわ。
さて、答えはどうなるのか。
まぁどっちにしても出て行くんだがなっ。てへっ

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