未だ飛べない鳥

ジルノ

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威勢のいいたこ焼き屋の近く。人の多い前の方や葉の少ない木々の近く。
花火が空に舞い、音と同時に放出される少ない光をあてにし、あの男の子を探した。
走るのはすごく苦手で、でも感情が行動を促進させた。息も荒くなっているけれど、走って探し続ける。
どこ……あ、いた!
近くまで来ると、男の子の方も気づいた。
「??」
男の子は状況がうまく飲み込めないようで、ポカーンとしていた。
数秒経つと、男の子の目が私に語りかける。
私はすごくつまらない人間だ。目を使っての語りかけ。それを先にやられると、なぜか息がつまった。
だって、自分はそれしかほとんどできないのだから。無性に自分が嫌になった。
さっきはありがとう。助かりました。
と、心の中で呟いた。そして、やっぱり目でそれを語りかけるように伝える。何度も、何度も。
言葉にはもちろん出せないから。なぜか男の子にはそれだけで伝わる気がして。
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