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第七章
第35話第七章7-1新たな戦場
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7-1新たな戦場
ガレントの「鋼鉄の鎧騎士」が森に潜んでいてバビル小隊長たちがやられた。
俺は慌てて戻って来てみればそこは別の意味で大騒ぎだった。
「ヒドラが正門の方に現れたぞ!」
「傭兵部隊を動かせろ! 『鋼鉄の鎧騎士』部隊すぐに来い!!」
西の森のヒドラ討伐の為の臨時の駐屯場はあわただしくなっていた。
だが流石に戻って来た俺を見たビブラーズ隊長はすぐに異変に気付く。
「アイン! バビルたちはどうした!?」
『死んだ。ガレントの連中が待ち伏せをしていた!』
しかしビブラーズ隊長はそれを聞いてもさして驚かなかった。
苦虫をかみつぶしたような表情になりこちらを向く。
「アイン、降りて来い! いろいろ聞きたい‥‥‥」
ただそれだけ言って副隊長にヒドラの事は任せ俺をテントの中に呼ぶ。
俺は「鋼鉄の鎧騎士」から降りて言われた通り後を追うのだった。
* * *
「アイン、ガレントの連中がいたってのは本当か?」
「ああ、バビル小隊長、ハイルドともに戦死した。何とか相手の『鋼鉄の鎧騎士』だけは倒して戻れたが、精霊使いやガレントの兵が待ち伏せしていた」
俺がそう言うといつの間にか入って来ていたザシャが口をはさむ。
「精霊使いだと? まさかエルフか!?」
「良く分かったな、若いエルフの女だった。精霊魔法はお前さんほどじゃ無かったがな」
俺がそこまで言うとビブラーズ隊長は大きく舌打ちをした。
どうもザシャもある程度は予測をしていたようだ。
「ちっ、まさか本当になるとはな! ヒドラは囮だ。ガレントの野郎本気でこのイザンカを落とすつもりか!」
「ここはイージム大陸だぞ? ガレントと言えばウェージム大陸のはず。そんな連中が一体」
俺はそこまで言ってから先ほどの手際の良さを思い出した。
「まさか、こちらの『鋼鉄の鎧騎士』の数を減らすつもりだった? それでヒドラの囮か!」
「そう言う事だ。イザンカの正規軍には『鋼鉄の鎧騎士』が少ない。魔術が盛んだった為にそちらの開発が大きく遅れていた。性能も正直それほど高くない。むしろ面倒なのは俺たち傭兵部隊の『鋼鉄の鎧騎士』だ。旧型とは言え使い込まれた歴戦の機体も多い。ガレントにしてみればそちらの方が厄介だろう」
そこまで聞いて完全に理解した。
こんな所でヒドラが発生していた理由は俺たち傭兵部隊の「鋼鉄の鎧騎士」をつぶす為だ。
面倒な傭兵部隊が減れば性能で劣るイザンカの「鋼鉄の鎧騎士」を物量で押せるガレントが制覇できるのは容易くなる。
まんまとしてやられた。
「ドドス共和国はガレント軍の駐留を許しその配下になったも同然。女神教を国教とするガレントは世界から戦争の種となる『鋼鉄の鎧騎士』を排除し、ガレントの『鋼鉄の鎧騎士』だけを各国の駐留軍に配置しようとしていた。我がイザンカは自国で傭兵を含む『鋼鉄の鎧騎士』を保有するのでその申し出をずっと断っていたのだ」
ビブラーズ隊長は悔しそうにそう言う。
それを聞いて全てが繋がった。
また神かっ!
女神教は一番新しい女神を絶対神に祀り上げその教えを広めると称しガレントの連中の横暴を押し付けて来た。
事実ホリゾン公国はそれで疲弊したが為ガレントの支配から逃れる為に戦争を始めた。
それがこんな所まで!
「くそっ、また女神か!!」
「アイン?」
「ビブラーズ隊長、俺に何が出来る? ガレントの、いや、女神のそんな教え俺が叩き切ってやる!!」
歯切りをし苛立つ俺にビブラーズ隊長は静かに話し始める。
「お前が戻ったのは僥倖だ。傭兵部隊の『鋼鉄の鎧騎士』がお前を含め四体、正規軍が十五体。但し正規軍の『鋼鉄の鎧騎士』は使い物にならないと思え。アインにはすぐに正面のヒドラ討伐隊の援護に行ってもらう。話通りならおびき寄せられてガレントの『鋼鉄の鎧騎士』の襲撃を喰らう可能性が高い!」
「分かった! すぐに出る!!」
俺はそこまで言ってから自分の「鋼鉄の鎧騎士」に走って行くのだった。
ガレントの「鋼鉄の鎧騎士」が森に潜んでいてバビル小隊長たちがやられた。
俺は慌てて戻って来てみればそこは別の意味で大騒ぎだった。
「ヒドラが正門の方に現れたぞ!」
「傭兵部隊を動かせろ! 『鋼鉄の鎧騎士』部隊すぐに来い!!」
西の森のヒドラ討伐の為の臨時の駐屯場はあわただしくなっていた。
だが流石に戻って来た俺を見たビブラーズ隊長はすぐに異変に気付く。
「アイン! バビルたちはどうした!?」
『死んだ。ガレントの連中が待ち伏せをしていた!』
しかしビブラーズ隊長はそれを聞いてもさして驚かなかった。
苦虫をかみつぶしたような表情になりこちらを向く。
「アイン、降りて来い! いろいろ聞きたい‥‥‥」
ただそれだけ言って副隊長にヒドラの事は任せ俺をテントの中に呼ぶ。
俺は「鋼鉄の鎧騎士」から降りて言われた通り後を追うのだった。
* * *
「アイン、ガレントの連中がいたってのは本当か?」
「ああ、バビル小隊長、ハイルドともに戦死した。何とか相手の『鋼鉄の鎧騎士』だけは倒して戻れたが、精霊使いやガレントの兵が待ち伏せしていた」
俺がそう言うといつの間にか入って来ていたザシャが口をはさむ。
「精霊使いだと? まさかエルフか!?」
「良く分かったな、若いエルフの女だった。精霊魔法はお前さんほどじゃ無かったがな」
俺がそこまで言うとビブラーズ隊長は大きく舌打ちをした。
どうもザシャもある程度は予測をしていたようだ。
「ちっ、まさか本当になるとはな! ヒドラは囮だ。ガレントの野郎本気でこのイザンカを落とすつもりか!」
「ここはイージム大陸だぞ? ガレントと言えばウェージム大陸のはず。そんな連中が一体」
俺はそこまで言ってから先ほどの手際の良さを思い出した。
「まさか、こちらの『鋼鉄の鎧騎士』の数を減らすつもりだった? それでヒドラの囮か!」
「そう言う事だ。イザンカの正規軍には『鋼鉄の鎧騎士』が少ない。魔術が盛んだった為にそちらの開発が大きく遅れていた。性能も正直それほど高くない。むしろ面倒なのは俺たち傭兵部隊の『鋼鉄の鎧騎士』だ。旧型とは言え使い込まれた歴戦の機体も多い。ガレントにしてみればそちらの方が厄介だろう」
そこまで聞いて完全に理解した。
こんな所でヒドラが発生していた理由は俺たち傭兵部隊の「鋼鉄の鎧騎士」をつぶす為だ。
面倒な傭兵部隊が減れば性能で劣るイザンカの「鋼鉄の鎧騎士」を物量で押せるガレントが制覇できるのは容易くなる。
まんまとしてやられた。
「ドドス共和国はガレント軍の駐留を許しその配下になったも同然。女神教を国教とするガレントは世界から戦争の種となる『鋼鉄の鎧騎士』を排除し、ガレントの『鋼鉄の鎧騎士』だけを各国の駐留軍に配置しようとしていた。我がイザンカは自国で傭兵を含む『鋼鉄の鎧騎士』を保有するのでその申し出をずっと断っていたのだ」
ビブラーズ隊長は悔しそうにそう言う。
それを聞いて全てが繋がった。
また神かっ!
女神教は一番新しい女神を絶対神に祀り上げその教えを広めると称しガレントの連中の横暴を押し付けて来た。
事実ホリゾン公国はそれで疲弊したが為ガレントの支配から逃れる為に戦争を始めた。
それがこんな所まで!
「くそっ、また女神か!!」
「アイン?」
「ビブラーズ隊長、俺に何が出来る? ガレントの、いや、女神のそんな教え俺が叩き切ってやる!!」
歯切りをし苛立つ俺にビブラーズ隊長は静かに話し始める。
「お前が戻ったのは僥倖だ。傭兵部隊の『鋼鉄の鎧騎士』がお前を含め四体、正規軍が十五体。但し正規軍の『鋼鉄の鎧騎士』は使い物にならないと思え。アインにはすぐに正面のヒドラ討伐隊の援護に行ってもらう。話通りならおびき寄せられてガレントの『鋼鉄の鎧騎士』の襲撃を喰らう可能性が高い!」
「分かった! すぐに出る!!」
俺はそこまで言ってから自分の「鋼鉄の鎧騎士」に走って行くのだった。
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