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第六章:ドドス共和国

6-20育乳の女神様式マッサージ

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「んはぁっ! ら、らめぇえええぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

 びくん!

 思わずそんな悲鳴を上げてしまう私。
 だってこの「育乳の女神様式マッサージ」ってその、何と言うかもの凄く効果が出そうではあるのだけどあまりにそのマッサージの仕方が良過ぎて……


「はぁはぁ、ま、まさかこんな事で…… こ、これが『育乳の女神様式マッサージ』だと言うの? 女神様式とは化け物か!?」

「あら、お客さん初めてでしたか? エルフの方って私も初めてだったので思わず力が入っちゃいました。大丈夫、ちゃんと効果出てますよ。ほら、最初の測定より少し大きく成っている」


 そう言いながら女性のマッサージ師は胸の大きさを計る定規を私の胸に当てがう。
 確かにわずかに膨らんでいる。


「ほ、本当に効果が出ている!?」


「はい、ですからまた来てくださいね? 一回きりじゃまたすぐに元の大きさに戻ってしまいますから。何度も何度も私に任せてくださいね、きっと良くしてあげますからぁ♪」

 なんかこのマッサージ師のお姉さんもの凄く楽しそうに言う。
 そしてなぜかぺろりと唇を舐める。

「お、お手柔らかにお願いします……」

 思わずそんな事を言いながら流れる汗をぬぐう。
 そしてふらふらしながらここを出て行く私。

 なんか足にも力が入りづらく、プルプルとしてしまう。


「はうぅううううぅぅぅ~お姉ちゃぁ~ん。あたしなんか頭がぼう~っとするしおっぱいの先ジンジンするぅ~」

 ふらふらと扉を出ると後ろからルラも真っ赤な顔してはぁはぁと息を荒げながら出てきた。

 うーん、これはマッサージ、これはマッサージ……


「ってぇ、ルラ大丈夫!?」

「あたしもうこれ嫌だぁ~。おっぱい触られるとおかしくなっちゃうんだもん~」


 言いながらふらつくルラを支えるとルラの胸が私の腕に当たる。


 ふみゅ。


「くっ! ただでさえ私より大きいと言うのに、更に大きく成っただとぉっ!?」

 それは確かに大きく成っていた。
 ちゃんとルラにも効果が出ていたのだ。


「リルさん、ルラさんお疲れ様~。どうだった?」

「あ、メリーサさぁ……」

 見れば先にマッサージが終わっていたメリーサさんはお肌てかてかでもの凄くすっきりした表情をしていた。

 一体何が……


「初めてだと困惑しちゃうかもしれないけど、これはマッサージよ? 大丈夫、慣れればもの凄く良いわよ!?」


「何が良いんですか!?」


 思わず突っ込みを入れてしまう私。
 もうね、いわなくても分かると思うけどルラには刺激が強すぎる。

「お姉ちゃん、もうお風呂あがろうよぉ~」

「う、うん、そうだね。最後にさっとお湯で体を流して出ようか」

 そう言いながらお湯で体を軽く流してから脱衣所に戻ろうとするとメリーサさんに引き留められる。

「リルさん、ルラさん出る前に体拭かなきゃ。びしょびしょのまま出ると怒られちゃうよ?」

「あ、そうですね。ルラ、タオルで拭いてからね」

「うん、分かったぁ~」

 この辺のお作法も日本の銭湯と同じだったか。
 違うのはこのとっても効果が出そうなマッサージくらいか……

 男湯には無いわよね、何かを大きくするようなマッサージって??


 そんな変な事を思いながら脱衣場へ出る。
 すると涼やかな風が入って来ていて心地いい。


「お姉ちゃん、あれ飲みたい~」

 ルラがそう言ってあのフルーツ牛乳みたいのを指さす。
 私は貴重品を手に括り付けた札と交換してもらい、ポーチからお金を出してフルーツ牛乳らしきものを買う。


「へぇ、リルさんもルラさんもこれ知っているの? これって牛乳に果汁を入れてあるからとっても美味しいのよね」

 見ればメリーサさんもフルーツ牛乳を買っていた。
 そしてきゅっぽん見たいので紙の蓋を開けていた。


 ……あんなものまであるのか。


「フルール牛乳~」

 ルラにもフルーツ牛乳を手渡すと喜んでふたを開けようとして苦戦している。

「ほらほら、これ使えばすぐよ。貸してみて」

 言いながらメリーサさんが使っていたきゅっぽんで蓋を取ってあげてルラに手渡す。
 ルラは私にお礼を言いながらそれをおいしそうに飲み始める。

「ありがと、お姉ちゃん。いっただきま~す」


 ごくごく。


 それを見ながら私も牛乳瓶片手に腰に手を当て角度四十五度で一気にフルーツ牛乳をあおる。
 これこそ正しい銭湯でのフルーツ牛乳の飲み方!


 ごくごくごく……


「ぷはあぁ~っ! 美味しいぃっ!!」


 これよこれ!
 火照った身体に冷たいフルーツ牛乳が染みわたっていくこの感覚!!
 甘くて美味しいフルーツ牛乳を一気飲みするのは至高のひと時。


「おおぉ、良い飲みっぷり! リルさん分かってるぅ!」

「ふふふふふ、伊達にコーヒー牛乳やヨーグルト牛乳、そしてノーマル牛乳を制していませんよ!!」

 胸を張りそう言う私だったけどルラがある事に気付く。

「お姉ちゃん、ちょっとおっぱい大きく成った?」


「ルラ、よくぞ聞いてくれました!! そうなの、測量したらわずかに大きく成ってたの!!」


 ルラは私の胸を見ながらそう言う。
 そしておもむろに突いてくる。

「うーん、でもちょっと赤いね? 痛くない??」

 つんつん♡

「あんっ♡ こ、こらルラ、人前で何やってるのよ!? い、痛くはないわよ、むしろ……」

「むしろ何かぁなぁ~?」

 赤く成る私にメリーサさんは覗き込んでくる。
 おかげで余計に赤くなってしまう。    

 そんなこんなでキャッキャしながら服を着てここを出る。
 外に出ると更に涼しい風が吹いていて心地いい。


「いやぁ~、良かった、良かった~」

「気持ちよかったよね~、お姉ちゃん」

「ふふふ、でしょ? この『銭湯』というのは大きな街には結構どこにでもあるらしいって。なんでもシーナ商会が後ろで資本を支えているとか」


 三人して外に出て気持ちいい風に当たっているとメリーサさんはそんな事を言って来る。
 これってシェルさんが絡んでいたんだ……


 ん?
 ちょっと待って??
 そう言えば育乳の女神様ってどこかで聞いたような……



 私は「シーナ商会」、「育乳の女神様」と言うワードにしばし唸るのだった。

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