私、悪役令嬢にございます!

さいとう みさき

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第十五話:マリアーナの異変

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 十四歳の誕生日を迎えた私は更にマリアーナと仲を深めつついろいろなイベントをこなしていた。


 「ふう、そんな事を思い起こせばもう十五の誕生日が目前ですの? この一年間やたらと忙しかったですわね」


 自室で寝る準備をして髪の毛を梳かしてもらってからベッドに入る。
 そして自作で作ったマリアーナ人形を抱きしめて今日も可愛かったマリアーナの事を思いながら夢の世界へ!

 もう夢の中であーんな事や、こーんな事をしちゃうんだから!
 だってもうすぐ私は成人。
 大人の女になるのだから色々解禁よ!

 もう今晩も夢の中で寝かせないからね、マリアーナ!


 ぐふっ、ぐふふふふふっ!


 そうして私は目を閉じるのだった。


 * * * * *


 「マリアーナ?」

 「リリアーヌ様。私たち別れましょう‥‥‥」

 「ちょっ! マリアーナいきなり何なのですの!?」

 「リリアーヌ様はソリオン様の許嫁。どんなにお慕いしてもかなわぬ恋。だたら私は身を引くしか‥‥‥」

 「マ、マリアーナ! ちょっと待ってですわ! マリアーナぁっ!!」


 * * * * *

 
 はっ!?


 目が覚めて虚空に手を伸ばしている自分に気付く。
 私って一体どんな夢を見ていたのかな?

 ひどく動揺して汗だくになっている。


 「お嬢様。どうなされましたか?」

 メイドたちが部屋に入って来た。
 私は訳が分からず汗をぬぐってもらって一息。

 「もうすぐ十五歳の誕生日での成人となりますのに‥‥‥ 何かとても嫌な夢を見たようですわ‥‥‥」

 言いながら立ち上がり、今日もマリアーナに会える事に気持ちを切り替える。
 もうずっとこのままマリアーナたちと楽しくやっていきたい。

 そう思い私は着替え、学校に行く準備をするのだった。


 * * *


 「御機嫌よう、マリアーナ。今日も可愛いですわね!」

 「‥‥‥おはようございます、リリアーヌ様」


 ん?
 なんかマリアーナの様子がおかしい。


 「マリアーナ、実はもうすぐ私の十五歳の誕生日なのですわ。マリアーナにも是非私の誕生日会に来てほしいのですわ!」


 「リリアーヌ様、平民の私などお構いなく。謹んで辞退させていただきます」

 「はぇ?」


 なんかいつものマリアーナと違う!?

 どう言う事!?


 「あらマリアーナさん御機嫌よう」

 「マリアーナさん、今日も可愛いね!」

 「姉さんちょっと邪魔だよ。マリアーナ、何て可愛いんだ!」

 「おーっほっほっほっほっ! マリアーナさん今日も勝負よ!!」


 え?
 ええぇ??


 なんかみんなも様子がおかしい!?


 「み、皆さん御機嫌よう」

 挨拶をして見るも何故かみんな私を無視する?



 「おおっ! マリアーナ! 今日も可愛いね! どこぞの許嫁とは大違いだよ!!」


 ソリオン様までそんな事言いながら私をガン無視してマリアーナの所へ行く!?
 えっと、どう言う事?




 みんなのその冷たい態度に呆然とする私だったのだ。
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