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第十話:王子のお茶会
しおりを挟む「ようこそリリアーヌ殿。お待ちしていましたよ」
「お招きありがとうございましてですわ、ソリオン様」
にっこりと女性たちを魅了するスマイルでじっと私を見るソリオン様。
流石にゲームの中でリリアーヌを嫉妬の権化とさせ、主人公のマリアーナをいじめさせるだけは有るなぁ。
当人には自覚ないみたいだけど、この年で女の子たらすとは!
流石王子の中で一番のイケメン!
私がそんな事を思っていると隣でふるふると震える生物がいる。
「あ、あのぉ、リリアーヌ様私がこんな所へ来てもいいのでしょうか?」
「何を言っているのですの!? マリアーナと私はマブダチ、一心同体ですわ!! 良いですわよねソリオン様!?」
「は、はははっ、あ、相変わらずマリアーナさんと仲がよろしいようですね、リリアーナ殿は。うらやましいですね。私とももっと仲良くなってもらいたいものです」
「ソリオン様はお優しいですからね」
後ろから声がした。
そしてこの声は‥‥‥
「ラズベル‥‥‥」
「酷いじゃないですか姉さま、ソリオン様のお茶会に同伴させてもらえるとばかり思っていたのに、マリアーナさんを連れて来て僕を置いてきぼりにするなんて。僕、一応姉さまの弟なんですけど?」
ラズベルはそう言ってにこやかにソリオン様に挨拶をする。
「リリアーヌ様ぁ! やっといらしたのですわね!? ご機嫌麗しゅうございます」
「こんにちわ、リリアーヌ様!」
あー、イザーラとアスラーズ、こいつらも来ていたんだ。
まあ貴族には一応みんな招待状が行っているらしいからこうなるのだろうけど。
「ははは、リリアーヌ殿は本当に人気者だ。許嫁として鼻が高いですね」
びきっ!
なんかみんながソリオン様とにらみ合っている?
「あ、あのぉ、リリアーヌ様本当に私なんかここにいていいのでしょうか?」
ふるふるふる
ズッキューン!!
「も、勿論ですわよ! マリアーナはずっと私と一緒ですわよ!!」
がしっ!
私がマリアーナの手を握ると頬を染め小さな声で「ありがとうございます(ぽっ)」とか言っていてめちゃくちゃ可愛い!!
ああっ!
もう我慢できそうにないっ!!
「おーっほっほっほっほっ、リリアーヌさん御機嫌ようですわ!」
私がマリアーナを押し倒そうか迷っているとその高飛車な声が聞こえてきたのだった。
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