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第六話:噂
しおりを挟む「ごきげんよう、皆さん、そしてマリアーナさん」
「あっ、リ、リリアーヌ様おはようございますぅ!!」
「ひっ! ご、ご機嫌麗しゅうございますリリアーヌ様!」
「ご、ご機嫌麗しゅうございます!!」
「ご機嫌麗しゅうございますリリアーヌ様。あ、わ、私用事がございましたわ! 失礼いたしますわ!!」
教室に来ると今日もいじめられているマリアーナ。
しかし私が挨拶するといじめていた令嬢たちは蜘蛛の子を散らすかのように逃げて行く。
ふるふるふる
ズッキューン!!
もう、マリアーナ朝から可愛いい!!
だめ、このままじゃベッドに連れ込んじゃいたくなる!!
「おはよう、リリアーヌ殿。おや、そちらは確か‥‥‥」
「あら、ソリオン様。ご機嫌麗しゅうございます」
「お、おはようございます。ソリオン様」
よだれを拭いているとソリオン王子様がやって来た。
第三王子ではあるものの、兄弟の中では一番の美形と噂され人気は高い。
侯爵令嬢の私とは許嫁なのでこうして教室でも気さくに話しかけてくれるのだけど、ゲームの中では逆だった。
私が王子にべったりとしていると王子はそれを嫌がりいじめられているマリアーナを助けてフラグを立ちまくる。
それが面白く無い私は更にマリアーナに意地悪をする訳だけど‥‥‥
「その、リリアーヌ殿。最近あなたに対してあまり良くない噂がありまして‥‥‥」
マリアーナの手をしっかりと握って可愛さ成分を補給している私に言いにくそうにソリオン王子様は話して来る。
「リリアーヌ殿が所かまわず女生徒に、その、手を出していると言う噂が‥‥‥」
「はぁ? 私が見境無しに手を出すはずありませんわ! 私はマリアーナ一筋ですわよ!?」
思わず本音が出てしまう。
そして固まる空気。
はっ!?
しまった、マリアーナの可愛さに思わず本音が!!
「ま、まあ、リリアーヌ殿のお友達を思う気持ちは良く分かりますが、こう言った噂はあまり良くない印象がありますので‥‥‥」
そう言ってソリオン王子はマリアーナをじろりと見る。
びくっ!
それにマリアーナがビクついてしまう。
むかっ!
なぁ~にぃ~私のマリアーナにガン飛ばしてんのよ!?
思わずマリアーナを抱き寄せる私。
それを見て一瞬たじろぐソリオン様。
「と、とにかく程々にしてくださいよ。あなたは私の大切な許嫁なのですから」
そう言ってソリオン様はもう一度マリアーナにガンを飛ばして向こうへ行ってしまった。
まったく、何なのよ?
「あ、あのリリアーヌ様‥‥‥」
「はい?」
私に抱きしめられて赤くなっているマリアーヌ。
ずきゅーん!!
ぶはっ!
「きゃーっ! リリアーヌ様ぁっ!! か、【回復魔法】!!」
今日もいつも通りにマリアーナの可愛さに鼻血を流す私だったのだ。
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