私、悪役令嬢にございます!

さいとう みさき

文字の大きさ
上 下
2 / 21

第二話:女神様

しおりを挟む

 はっ!?

 
 気が付いた。
 私は一体何を‥‥‥


 「って、ここ何処?」


 薄暗い場所にきゃしゃな椅子に座らされていた私は目の前にいる者に気付いた。

 見た目は同じ年頃の金髪碧眼の凄い美人なんだけどこめかみの横に三つずつトゲの様な癖っ毛のある女の子。
 外国人かな?

 彼女は何やらスマホを夢中でいじっている。


 と、私に気付いた。


 「あら。気付きましたわね? これって本当に難しいですわね?」

 「は、はぁ? あの、ここは??」


 周りを見るとうっすらと暗い何も無い所。
 そこにゴージャスな椅子に座った彼女はにこやかに私に微笑みながらスマホをかかげる。


 「あなたの世界のこのゲームとても面白いですわ。でも難しくてなかなかクリアー出来ませんの」

 「はぁ、それでここって?」


 「あなたは死にました。それはそれは盛大にトラックにはねられて」


 はぁ?
 何それ?
 何処かの小説みたいなテンプレ!?


 「い、いや、冗談を言っている場合じゃないわよ!? 死んだ? この私が!?」

 「はい、それでたまたまそんなあなたを見ていた私はあなたが熱心にやっていたこのスマホのゲームに興味を持ちはまってしまいまして。でも、なかなか先に進まないのですわ‥‥‥」


 いや、そんな事はどうでもいい!
 私が死んだって何の冗談よ!?


 「ですのであなたにはこの世界に行ってもらい私がこのゲームをクリアー出来るように手伝ってもらいますわ! この世界でうまく立ち回り卒業出来れば転生させたこの世界で最後まで人生を全うさせてあげますわ!」


 「いや言ってる意味わかんないから! 何それ!? あんた誰!?」


 「ああ、紹介が遅れましたわね。私は女神ですわ」


 女神!?
 何それっ!?


 「と言う訳でよろしくお願い致しますわ! では行ってらっしゃいですわ~」

 「なっ!? ちょっと、何どう言う事ぉ!? ちゃんと説明しろぉっ!!」


 にこやかに手を振る女神の前から私は奈落に落ちるかのように足元からすとんと下に落ちて行く。


 「うわぁあぁぁぁぁぁぁぁぁあぁっ!!!!」


 「頑張ってですわ~。あなたは悪役令嬢になって無事に卒業出来れば私もこのゲームがクリアー出来ますわ~」

 「そんなこと知るかぁっ! 返せ私のスマホぉっ!!!!」


 私の最後の悲鳴はそんなモノだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。 ご都合主義のハッピーエンドのSSです。 でも周りは全くハッピーじゃないです。 小説家になろう様でも投稿しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...