206 / 221
第八章
第205話8-29強敵
しおりを挟む「ドラゴン百裂掌!!」
「ふむ、クロエよりは強力だが隙が大きすぎるぞセキ!」
セキさんがドランゴン百裂掌を放つもなんと鬼神はそれをことごとくなぎなたソードで弾いている。
そして最後の一手をガシッとつかみ横に放り投げる。
「ショーゴさん!」
ミーニャは魔力を高め手を鬼神に向けるけど、どんっ! と言う大きな音がして一瞬でミーニャの目の前まで鬼神が飛び込んでいた。
「って、操魔剣!?」
「良く分かったな、魔術師は魔法を使う瞬間が一番手薄になる」
どっ!
「ぐっ!」
ミーニャのお腹に鬼神の拳が入りミーニャは呻いてそのままその場に崩れ落ちる。
「ミーニャ!!」
「当て身だ、気を失っただけだ」
そう言いながら鬼神はミーニャをゆっくりと床に寝かせる。
しかしいくら油断したからってあのミーニャが一撃だなんて信じられない。
「くぁ~っ、よくも吹き飛ばしてくれたわね、ショーゴ!」
「体がでかくなった分力はあるが隙も大きくなっているぞ、セキ」
「ならばこれはどう!? 赤光土石流拳!!」
カッ!
どがっがっがっががががっががががぁっ!!!!
先ほどのドラゴン百裂掌なんてもんじゃない怒涛の拳の嵐がまるで土石流の様に鬼神に迫る。
しかし鬼神は慌てず飛び上がり、そして空中で何とその姿を変えた!?
「むん、転身! とぉっ!!」
飛び上がると同時に衣服が破け、その下からまるで皮の衣服のような黒地のモノが全身を覆い、所々金属のようなモノで補強をする。
そして頭も見た事の無い異形の兜に変わって行きその顔もマスクで隠れる。
首元だけマフラーのような布が残っていて風も無いのにそれがなびいていた。
「変身したの!? ショーゴっ!!」
「来い、セキっ!!」
セキさんは伸ばした爪に炎をまとい、煉獄相竜牙で鬼神に切り込む。
それを鬼神はなぎなたソードで弾き、セキさんのお腹に拳を叩き込む。
「ぐっ! で、でもっ!!」
ぱしっ!
セキさんは叩き込まれた拳をお腹にその腕を掴む。
そして鬼神が逃げられないように片手でその拳を掴んだままもう片方の腕を引き上げる。
「これなら逃げられないわ! 喰らいなさい!!」
「甘いな、肉を切らせて骨を断つのは良いが詰めが甘すぎるぞ、セキっ!!」
言いながら何と鬼神はその場で掴まれた拳になぎなたソードを放してもう片方の拳を叩き込む。
「ガレント流無手三十六式が一つウォーハンマ―!!」
どっ!
拳の上に拳をぶつけ竜族であるセキさんの強靭な肉体に対して衝撃波を叩き込んだ!?
しかもこれって、ガレント流無手体術!!
「ぐっ!」
見た目は地味でもその一撃は確実にセキさんに通ったようで衝撃波によりセキさんは思わず掴んだ鬼神の手を離してしまいよろよろと後ろに下がる。
「竜族は強靭な肉体を持つが、同じ生物。その衝撃波が内臓に伝達すればいくら竜族でもただでは済まない。セキよ竜族である傲慢が裏目に出ているぞ?」
「くうぅ、やってくれるわね、ショーゴ!!」
言いながらそれでもセキさんは燃え盛る爪で鬼神を切り裂きに行く。
しかしここで鬼神は腰から何か小さな箱のようなモノを取り出し腰正面のベルトにそれを装着させる。
「ストライクモード!!」
カッ!
鬼神が光り、あっという間に金色のプロテクターを身にまとっていた。
そしてそのプロテクターでセキさんの燃え盛る爪を防ぐとなんとセキさんの爪が折れてしまった!?
パキーンっ!!
「くっ! ストライクモードまで復活してるの!? オリハルコンの鎧じゃいくらあたしの爪でも歯が起たない!!」
言いながら一旦距離を置くセキさんに鬼神は躊躇なく飛び込む。
そしてくるっと目の前で回転してセキさんの脳天にかかと落しをする。
「三十六式が一つ、バトルアックス!!」
まさかそこから回転かかと落しが来るとは思わなかったセキさんはその攻撃をもろに受けてしまった。
どがっ!
「がはっ!!」
頭を打たれ流石によろめき倒れるセキさん。
僕は思わず声を上げる。
「セキさん!」
「強靭な肉体に頼り過ぎだぞ、セキ」
ぐったりと倒れて目は開いているモノの身動き一つ出来ないセキさん。
そんなセキさんに鬼神はそう言う。
「セキさん!! まさか死んじゃったんじゃ!?」
「軽い脳震とうだろう。しばらくは動けない。そろそろ諦めてもらえたかな?」
言いながら鬼神は落ちているなぎなたソードを拾い上げる。
そしてそれを僕に向けた。
「それでも僕はあきらめない!」
「その意気や良し! かかって来い少年!!」
僕はショートソードをかざして鬼神に突っ込んで行くのだった。
0
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説
私に姉など居ませんが?
山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」
「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」
「ありがとう」
私は婚約者スティーブと結婚破棄した。
書類にサインをし、慰謝料も請求した。
「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」
妹に陥れられ処刑決定したのでブチギレることにします
リオール
恋愛
実の妹を殺そうとした罪で、私は処刑されることとなった。
違うと言っても、事実無根だとどれだけ訴えても。
真実を調べることもなく、私の処刑は決定となったのだ。
──あ、そう?じゃあもう我慢しなくていいですね。
大人しくしてたら随分なめられた事態になってしまったようで。
いいでしょう、それではご期待通りに悪女となってみせますよ!
淑女の時間は終わりました。
これからは──ブチギレタイムと致します!!
======
筆者定番の勢いだけで書いた小説。
主人公は大人しく、悲劇のヒロイン…ではありません。
処刑されたら時間が戻ってやり直し…なんて手間もかけません。とっととやっちゃいます。
矛盾点とか指摘したら負けです(?)
何でもオッケーな心の広い方向けです。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
悪役令嬢は処刑されました
菜花
ファンタジー
王家の命で王太子と婚約したペネロペ。しかしそれは不幸な婚約と言う他なく、最終的にペネロペは冤罪で処刑される。彼女の処刑後の話と、転生後の話。カクヨム様でも投稿しています。
私はただ一度の暴言が許せない
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
厳かな結婚式だった。
花婿が花嫁のベールを上げるまでは。
ベールを上げ、その日初めて花嫁の顔を見た花婿マティアスは暴言を吐いた。
「私の花嫁は花のようなスカーレットだ!お前ではない!」と。
そして花嫁の父に向かって怒鳴った。
「騙したな!スカーレットではなく別人をよこすとは!
この婚姻はなしだ!訴えてやるから覚悟しろ!」と。
そこから始まる物語。
作者独自の世界観です。
短編予定。
のちのち、ちょこちょこ続編を書くかもしれません。
話が進むにつれ、ヒロイン・スカーレットの印象が変わっていくと思いますが。
楽しんでいただけると嬉しいです。
※9/10 13話公開後、ミスに気づいて何度か文を訂正、追加しました。申し訳ありません。
※9/20 最終回予定でしたが、訂正終わりませんでした!すみません!明日最終です!
※9/21 本編完結いたしました。ヒロインの夢がどうなったか、のところまでです。
ヒロインが誰を選んだのか?は読者の皆様に想像していただく終わり方となっております。
今後、番外編として別視点から見た物語など数話ののち、
ヒロインが誰と、どうしているかまでを書いたエピローグを公開する予定です。
よろしくお願いします。
※9/27 番外編を公開させていただきました。
※10/3 お話の一部(暴言部分1話、4話、6話)を訂正させていただきました。
※10/23 お話の一部(14話、番外編11ー1話)を訂正させていただきました。
※10/25 完結しました。
ここまでお読みくださった皆様。導いてくださった皆様にお礼申し上げます。
たくさんの方から感想をいただきました。
ありがとうございます。
様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
ただ、皆様に楽しんでいただける場であって欲しいと思いますので、
今後はいただいた感想をを非承認とさせていただく場合がございます。
申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。
もちろん、私は全て読ませていただきます。
戦争から帰ってきたら、俺の婚約者が別の奴と結婚するってよ。
隣のカキ
ファンタジー
国家存亡の危機を救った英雄レイベルト。彼は幼馴染のエイミーと婚約していた。
婚約者を想い、幾つもの死線をくぐり抜けた英雄は戦後、結婚の約束を果たす為に生まれ故郷の街へと戻る。
しかし、戦争で負った傷も癒え切らぬままに故郷へと戻った彼は、信じられない光景を目の当たりにするのだった……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる