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第八章

第183話8-8エマ―ジェリアの鬱憤(閑話)

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 まったく、ソウマ君にはいいかげんにしてもらいたいものですわ!


 イザンカ王国であわやラーミラス王女と仲を進展させられる所だったというのに、今度は事も有ろうか女神様の娘であるタルメシアナちゃんだなんてですわ!!
 
 確かに最近のソウマ君はちょっとたくましくなって、将来の私の旦那様にふさわしくなり始めていますわ。
 でもでも、年上のお姉さんキラーだけでなく最近では年下の女の子にもやたらと好かれるとは一体どう言う事ですの!?


 納得いきませんわ!


 ソウマ君には私の恥ずかしい所を見られてしまった責任を取ってもらってお嫁さんにもらってもらわなければなりませんわ。
 それなにの自覚が足りませんわ!


 確かに、年下の子に優しくするソウマ君もそれはそれで良いのですが、その優しさがソウマ君を駄目にするのですわ!
 ソウマ君はその優しさを律し、調和と融和でソウマ君の立ち位置を維持しなければならないのですわ、何故それが分からないのですの、ソウマ君?


 しかし、強敵ですわ。

 ラーミラス王女はその地位と権力、タルメシアナちゃんに関してはやはり女神様の娘と言う事もありそのアドバンテージは計り知れないのですわ。
 さらにソウマ君も年下にはやたらと優しいですし、二人とも「お兄ちゃん」などと言う殺し文句まで使ってますわ!


 まずいですわ、お姉さんにはなれまくっているソウマ君が妹属性に目覚めてしまったら私の立場が‥‥‥


 本来なら女神様であるエスハイミ様の言う通り手など出してはいけないのに、コク様が二人目を作るとか言い出して女神様を引き連れて消えてしまいましたわね……
 おかげでタルメシアナちゃんもあの無垢な笑顔でソウマ君も引き付けられている様だし……
 女神様にはちゃんとソウマ君に言いつけてもらいたかったですわ。


 でも、女性同士で子作りだなんてですわ……

 確かにセキの話では女神様が子作り出来る理由も聞きましたが、女性同士だなんて、私には考えられませんわ。
 
 あ、でもでも、女性ならではの優しさや気配りが有るともモノの本ではありましたわね?
 それがとても良くてそちらの方面に目覚めてしまう小説もたくさんありましたわ。
 私には理解できませんが、でも子作りまで出来てしまうのであればそれはそれで理想となってしまうのでしょうか?

 でも、女性同士であーんな事や、こーんな事をしてしまうなんてですわ//////!
 き、きっとコク様の様な大人の女性にまだ可憐なお姿の女神様が‥‥‥


 キャーっ!!


 想像するだけで桃色一色、あの小説の様に「可愛い子猫ちゃんだね」などと言うのでしょうか!?
 い、いえ、女神様の方が小柄だから逆にコク様が女神様を押し倒して‥‥‥

 い、いけませんわ! 
 清らかなる女神様が、そんないけない事で落ちてしまうなんて!

 しかも女神様と私は似ているし!

 ああ、もし私だったらもの凄く嫌がって逃げるのにコク様の様な長身の女性に押さえられたら逃げ出せるモノなのでしょうかしら?


 め、女神様、逃げてぇですわっ!!
 でないと、でないと女神様の純潔がぁ!


 あ、でも女神様がコク様を妊娠させるのだから、やはり逆なのでしょうかしら?
 こ、小柄な女神様が大柄なコク様にのしかかって……


 きゃー、きゃーっ!!


 そんな私と似ている女神様がコク様と!?
 私がケダモノの様にコク様に襲いかかる姿が容易に想像されてしまいますわ!!!!

 い、いけませんわ!

 私にはソウマ君と言う心に決めた人がいるのにぃですわっ!
 
  
 はーはー、しかもクロエさんのお話では一旦お部屋に行かれると当分出てこないとか言っていましたわよね?
 そ、そんなに長く激しくされるのでしょうか?

 確かに女神様もコク様も人ではありませんわ。
 ですから人間の体力や限界など、モノともしないのですわ。
 となればずっとあーんな事やこーんな事を!?

 もう、愛溢れる状態がずっとその部屋で!?


 きゃーきゃーきゃーっ!!


 そ、そんにされたらおかしくなってしまいますわ!!
 それなのに、それなのにずっと続けるだなんて!

 どうしましょう、どうしましょう?
 もしかして私もソウマ君とするときはそのくらいの気構えで行かないとなかなか子供は授からないものなのでしょうか?
 
 だとすると、栄養剤や回復のポーションなどもそっと枕元などにしまっておく必要がありますわね?
 
 こ、子作りとはかくも体力を使うモノとは!
 やはり物の本などでは知り得ない真実があるモノですわね。

 ああ、だとしたらもう少し詳しく知っておくべきでしたわね?
 とは言え、直接聞くのは恥ずかしいですし……


 ああっっ!
 誰か私の悩みに相談してもらいたいですわ!!!!


 * * * * *


 「ん? エマどうしたの赤い顔して、よだれも垂れているわよ?」

 「はっ!? い、いえ、なんでもありませんわ! と、所でセキはその、あの……」

 「ん? なに?」

 「そ、その、女神様たちの、その、こ、こづ……くぅ…… ああっ、やっぱり何でもありませんわぁっ!!」

 「ん? エスハイミ母さんの所の小遣いの事? さあ、倹約家であるコクの事だからエスハイミ母さんが余計な事しないようにきっと手綱を引いてるんじゃない? 女は子供を産むと強くなるって言われてるみたいだしね」

 「は、はぁ? コク様って倹約家なんですの?」

 「そうそう、昔一緒に旅していた時にねぇ~」


 ……いくらセキ相手でもやはり聞けませんでしたわね。
 結局セキの昔話で永遠と二時間も話を聞かされてしまいましたわ。



 はぁ、誰か相談相手になってもらえないでしょうかしらですわ……
  
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