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第十八章
18-17女神の分身
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18-17女神の分身
あたしたちはボヘーミャにいるかもしれない女神の分身、エリリアさんと言う人を探しにボヘーミャに行くことにした。
「さてと、そうしますともうここから離れなければいけませんわ。メルモさんを拠点に送り届けその後ゴエムをサボの港町に置いてセリアさんたちはボヘーミャに移住すると言う事でどうですかですわ?」
あたしの提案にみんな驚く。
「あのなぁ、エルハイミ簡単に言ってくれるがここからどうやって逃げ出すんだ? モルンの町を出るにしたって今はそう簡単には行かないぞ?」
「あら、こうするのですわ」
あたしはそう言って魔法陣を目の前の空間に出す。
そしてメルモさんに言う。
「モルンの拠点につなげましたわ。また潜伏活動をお願いしますわ」
「はい分かりました。それではエルハイミさんたちもお気をつけて」
そう言って彼女は魔法陣を通り抜け拠点のあの家に戻っていった。
「おい、エルハイミ何した?」
「ですからメルモさんを拠点に送り届けたのですわ」
「それって転移魔法か? しかしサボの港町やましてやボヘーミャまでの長距離なんて出来る訳無いだろう?」
うーん、それが出来ちゃうのが今のあたしなんだけどなぁ。
言っても分からないだろうからやってみるのが早いだろう。
あたしはまたまた魔法陣を出現させる。
「今度はサボの港町ですわ。多分ガレント軍の近くですわ。ゴエム、ゾナーに引き合わせますからついて来てくださいですわ」
「マジかよ‥‥‥ セリア、ドワイッシュどうやらここでお別れだ。元気でな!」
「ゴエム‥‥‥」
「ゴエム、あなた本当に戦争に?」
「ああ、やっぱりジュメルの連中に好き勝手させるのは気に入らねぇ。ゾナー様に合流する」
そう言ってニカっと笑う。
セリアさんはそんなゴエムに微笑んで感謝の言葉を言う。
「ゴエム、今までありがとう。あなたも命を無駄にはしないでね」
「ゴエム、すまん」
ドワイッシュさんもそう言ってゴエムに頭を下げる。
「なに気にすることはねぇ、落ち着いたらボヘーミャにまで会いに行く。おい、エルハイミ本当にサボの港町まで行けるのだろうな?」
別れの挨拶を終えゴエムはあたしに尋ねる。
「ええ、それでは行きますわよ。みんなはここで待っていてくださいですわ」
あたしはそう言って魔法陣に入って行くのだった。
* * * * *
「ただいまですわぁ~。ああ、疲れたぁですわぁ~」
「お帰りなさいお姉さま。だいぶ時間がかかったようですが‥‥‥」
出迎えてくれるイオマはあたしにお茶を持ってきてくれる。
確かに疲れた。
サボの港町まで飛んでゾナーに会って来たのだけど変に期待されて他の武将たちにも見つかってしばし大騒ぎになった。
口々に「無慈悲の魔女」が応援に来たとか「雷鳴の魔女」様が手伝ってくれるぞとか大騒ぎ。
ちょうどいたアラージュさんやカーミラさんにも近況報告してルジェイドさんやガラさん、ルノマンさんにも挨拶して不具合がある「鋼鉄の鎧騎士」をその場で修理してからジュメルの野望を打ち砕く為あたしはボヘーミャに行かなければならない事を解くと説明してここへ戻って来た。
ゾナーや他の人たちは残念がっていたけどあたしが裏でジュメルと事を対峙している事を聞くと頷き理解をしてくれた。
ゴエムはあたしの紹介でホリゾンの帝都エリモアから逃げ出してきたと言う事にして『狂気の巨人』との戦いにも参加したと言ったらすんなりとゾナーたちに受け入れられた。
と言うか、ゾナーとは顔見知りでホリゾンを寝返った事をソナーに大いに喜ばれていた。
うーん、ゴエムあたりでも役に立つのだろうか?
あたしはそんな事を思いながらお茶をすする。
「で、エルハイミどうするのすぐにでもここを出るの?」
シェルは外の様子を見ている。
そろそろ夕方になり周りも暗くなり始めている。
「セリアさん、準備は出来ていましてですわ?」
「ええ、大丈夫です。必要なものはもう準備出来ました」
あたしはそれを聞いて頷きすぐに魔法陣を展開する。
「ならば行きましょうですわ! シェル動きは?」
「急いだ方が良いわね。とうとうダークエルフが動いたみたいよ!」
「だ、ダークエルフが‥‥‥」
ドワイッシュさんはかなり驚いている様だ。
まあそれだけジュメルも焦って来たと言う訳だ。
「さあ、行きましょうですわセリアさん、ドワイッシュさん!」
あたしたちは急ぎ魔法陣をくぐるのだった。
* * * * *
「本当にボヘーミャなのですか‥‥‥」
魔法陣を抜けるとそこは学園の敷地内だった。
時間的にもう目立たないしもともと転移魔法の研究で生徒も授業で目にしている。
まあ「戒めの腕輪」があるから普通の生徒は校内では簡単に魔法は使えないんだけどね。
「とりあえずアンナさんにお願いしてゲストハウスを使わせてもらいましょうですわ」
「あ、お姉さまそれなら私が手続してきます。その代わりお姉さまは私と一緒の部屋ですよ?」
「イオマは寄宿舎があるでは無いのですの?」
「もう、お姉さまの行けずぅっ!」
「ふふ、イオマエルハイミは私と一緒よ!」
「いや、シェルは別部屋ですわよ? 私はコクとセキと寝ますわよ?」
「ええっ! エルハイミ、冷たいっ!!」
「ふふっ、お母様は私のモノです。イオマもシェルも大人しく冷たいベッドで寝るが良いです!」
「コク、今日は疲れましたので魔力供給無しで良いですわよね?」
「ええっ! そんな! 私の唯一の楽しみがっ!!」
「いや、コクはドーナッツでも食べてればいいんんじゃない?」
最後にセキにそう言われしょげるコク。
でもまあ今日は勘弁してもらいたい。
いろいろあり過ぎた。
そしてここボヘーミャにいるらしい女神の分身、エリリアさんも見つけ出さなければならない。
今日はゆっくり休ませてもらう事にしよう。
あたしはそう思うのだった。
あたしたちはボヘーミャにいるかもしれない女神の分身、エリリアさんと言う人を探しにボヘーミャに行くことにした。
「さてと、そうしますともうここから離れなければいけませんわ。メルモさんを拠点に送り届けその後ゴエムをサボの港町に置いてセリアさんたちはボヘーミャに移住すると言う事でどうですかですわ?」
あたしの提案にみんな驚く。
「あのなぁ、エルハイミ簡単に言ってくれるがここからどうやって逃げ出すんだ? モルンの町を出るにしたって今はそう簡単には行かないぞ?」
「あら、こうするのですわ」
あたしはそう言って魔法陣を目の前の空間に出す。
そしてメルモさんに言う。
「モルンの拠点につなげましたわ。また潜伏活動をお願いしますわ」
「はい分かりました。それではエルハイミさんたちもお気をつけて」
そう言って彼女は魔法陣を通り抜け拠点のあの家に戻っていった。
「おい、エルハイミ何した?」
「ですからメルモさんを拠点に送り届けたのですわ」
「それって転移魔法か? しかしサボの港町やましてやボヘーミャまでの長距離なんて出来る訳無いだろう?」
うーん、それが出来ちゃうのが今のあたしなんだけどなぁ。
言っても分からないだろうからやってみるのが早いだろう。
あたしはまたまた魔法陣を出現させる。
「今度はサボの港町ですわ。多分ガレント軍の近くですわ。ゴエム、ゾナーに引き合わせますからついて来てくださいですわ」
「マジかよ‥‥‥ セリア、ドワイッシュどうやらここでお別れだ。元気でな!」
「ゴエム‥‥‥」
「ゴエム、あなた本当に戦争に?」
「ああ、やっぱりジュメルの連中に好き勝手させるのは気に入らねぇ。ゾナー様に合流する」
そう言ってニカっと笑う。
セリアさんはそんなゴエムに微笑んで感謝の言葉を言う。
「ゴエム、今までありがとう。あなたも命を無駄にはしないでね」
「ゴエム、すまん」
ドワイッシュさんもそう言ってゴエムに頭を下げる。
「なに気にすることはねぇ、落ち着いたらボヘーミャにまで会いに行く。おい、エルハイミ本当にサボの港町まで行けるのだろうな?」
別れの挨拶を終えゴエムはあたしに尋ねる。
「ええ、それでは行きますわよ。みんなはここで待っていてくださいですわ」
あたしはそう言って魔法陣に入って行くのだった。
* * * * *
「ただいまですわぁ~。ああ、疲れたぁですわぁ~」
「お帰りなさいお姉さま。だいぶ時間がかかったようですが‥‥‥」
出迎えてくれるイオマはあたしにお茶を持ってきてくれる。
確かに疲れた。
サボの港町まで飛んでゾナーに会って来たのだけど変に期待されて他の武将たちにも見つかってしばし大騒ぎになった。
口々に「無慈悲の魔女」が応援に来たとか「雷鳴の魔女」様が手伝ってくれるぞとか大騒ぎ。
ちょうどいたアラージュさんやカーミラさんにも近況報告してルジェイドさんやガラさん、ルノマンさんにも挨拶して不具合がある「鋼鉄の鎧騎士」をその場で修理してからジュメルの野望を打ち砕く為あたしはボヘーミャに行かなければならない事を解くと説明してここへ戻って来た。
ゾナーや他の人たちは残念がっていたけどあたしが裏でジュメルと事を対峙している事を聞くと頷き理解をしてくれた。
ゴエムはあたしの紹介でホリゾンの帝都エリモアから逃げ出してきたと言う事にして『狂気の巨人』との戦いにも参加したと言ったらすんなりとゾナーたちに受け入れられた。
と言うか、ゾナーとは顔見知りでホリゾンを寝返った事をソナーに大いに喜ばれていた。
うーん、ゴエムあたりでも役に立つのだろうか?
あたしはそんな事を思いながらお茶をすする。
「で、エルハイミどうするのすぐにでもここを出るの?」
シェルは外の様子を見ている。
そろそろ夕方になり周りも暗くなり始めている。
「セリアさん、準備は出来ていましてですわ?」
「ええ、大丈夫です。必要なものはもう準備出来ました」
あたしはそれを聞いて頷きすぐに魔法陣を展開する。
「ならば行きましょうですわ! シェル動きは?」
「急いだ方が良いわね。とうとうダークエルフが動いたみたいよ!」
「だ、ダークエルフが‥‥‥」
ドワイッシュさんはかなり驚いている様だ。
まあそれだけジュメルも焦って来たと言う訳だ。
「さあ、行きましょうですわセリアさん、ドワイッシュさん!」
あたしたちは急ぎ魔法陣をくぐるのだった。
* * * * *
「本当にボヘーミャなのですか‥‥‥」
魔法陣を抜けるとそこは学園の敷地内だった。
時間的にもう目立たないしもともと転移魔法の研究で生徒も授業で目にしている。
まあ「戒めの腕輪」があるから普通の生徒は校内では簡単に魔法は使えないんだけどね。
「とりあえずアンナさんにお願いしてゲストハウスを使わせてもらいましょうですわ」
「あ、お姉さまそれなら私が手続してきます。その代わりお姉さまは私と一緒の部屋ですよ?」
「イオマは寄宿舎があるでは無いのですの?」
「もう、お姉さまの行けずぅっ!」
「ふふ、イオマエルハイミは私と一緒よ!」
「いや、シェルは別部屋ですわよ? 私はコクとセキと寝ますわよ?」
「ええっ! エルハイミ、冷たいっ!!」
「ふふっ、お母様は私のモノです。イオマもシェルも大人しく冷たいベッドで寝るが良いです!」
「コク、今日は疲れましたので魔力供給無しで良いですわよね?」
「ええっ! そんな! 私の唯一の楽しみがっ!!」
「いや、コクはドーナッツでも食べてればいいんんじゃない?」
最後にセキにそう言われしょげるコク。
でもまあ今日は勘弁してもらいたい。
いろいろあり過ぎた。
そしてここボヘーミャにいるらしい女神の分身、エリリアさんも見つけ出さなければならない。
今日はゆっくり休ませてもらう事にしよう。
あたしはそう思うのだった。
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