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第十二章

12-3沼地の神殿

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 12-3沼地の神殿


 あたしたちはガルイさんに連れられてリザードマンの国ベンゲルへとやって来た。
 

 「長はいるか!? 大竜様、黒龍様をお連れしたぞ!」


 初めて見るリザードマンの国にあたしは興味をそそられた。
 ユグリアでもリザードマンの人とは話したことあったけど彼らは見た目ほど狂暴じゃない。
 個体差も有るだろうけどおおむね言葉が通じるから意思表示が出来るので対話によるトラブル回避もしやすい。

 リザードマン国は意外な事にリザードマン以外の人間や亜人も数人見て取れた。


 「ガルイさん、ここにはリザードマン以外の人たちもいるのですの?」

 「二年前に偽ジュリ教を討伐した後に他の部族の者とも交易を始めました。我らとしても土地に手を出さないのであれば交易による物品の入手は貴重なものとなります。我らでは鉄は作れませんからな」


 そう言えばガルイさんはライトプロテクターを身に着けているがどう見てもサイズ的には合っていない。
 申し訳程度に急所を隠している感じだ。
 武器もよくよく見れば槍などの先端は鋭い黒曜石で出来ている様だ。

 そんな話をしながら一番大きな建物に連れられて行く。


 「長よ、大竜様、黒龍様をお連れした!」


 ガルイさんはひときわ大きな声でこの建物の主を呼ぶ。
 すると奥の方から声がしてひときわ大きなリザードマンが出てきた。

 「騒がしいな、どなたをお連れしたというのだ?」

 見ると体中に細かい傷が無数にあるものの皮膚は他のリザードマンより硬そうにごつごつしている。
 まるでワニの様なその趣きは間違いなくこのリザードマンたちを束ねる風格を持っていた。


 「長よ、大竜黒龍様をお連れした。水竜に口添えをしてくれるそうだ!」

 「おおっ、黒龍様とな!? むっ? こちらの人の姿をされている少女が黒龍様か?」

 長はすぐにコクに気付いた。
 そして大きな体を折り曲げ膝まづく。

 「わざわざこのような所まで来ていただき感謝いたします。私はリザードマンを束ねる長、ゲリルと申します。黒龍様でお間違いありませぬな?」

 「はい、私が黒龍です。聞けば水竜の若造がだいぶ息巻いているとか?」

 「は、仰せの通りでございます。我々も犠牲が出ておりどのようにすれば水竜の心を穏やかにできるか思案に窮しておりました。太古の竜、黒龍様がお口添えいただけるというならばきっと水竜も耳を傾けてくれるでしょう。なにとぞ我らにお力をお貸しくださいませ」

 そう言って頭を下げるゲリルさん。

 コクは「いいでしょう」と言って頷く。
 それを聞いたゲリルさんは大喜びになる。


 うーん、リザードマンって聞いていた以上に紳士的で話の通じる人たちね?
 あたしは今までの先入観を完全に打ち砕かれていた。


 「それでは黒龍様、本日はもう遅くなります。ささやかながらもてなしの宴をさせていただきたく思います。どうぞわが家へお越しください」

 そう言ってゲリルさんはあたしたちを家の中に案内するのだった。


 * * * * *


 「それで、ガルイさん、その水竜ってこの町の近くにいるのですの?」

 あの後あたしたちも自己紹介し、コクの今の主があたしだと言う事に大いに驚かれ夕刻の宴に参列している所だった。
 その席には戦士長のガルイさんも出席していたのであたしは色々と聞いてみる。

 「水竜は『水の神殿』と呼ばれる古代遺跡の近くにいます。ただ、ここは我々も魚を捕る狩猟場として昔から重宝している所。そこ以外ではなかなか魚も取れにくく非常に困っているのですよ」


 「水の神殿」だって?
 あたしはその神殿が気になって聞いてみる。


 「ガルイさん、その『水の神殿』とは一体なんですの?」

 「ああ、あそこは古代魔法王国時代に作られた神殿と言われています。大きな沼の中心にある島に昔からありまして不思議とその近くからは常に湧水が出ており魚が大きくなるのはうってつけの場所なのですよ」


 うーん、魔法王国時代かぁ。
 そこにもちょっと興味があるな。


 「神殿には何が有るのですの?」

 「あそこは遠の昔に盗掘に有っており今は何もありませんよ。何を目的に立てられたかは知りませんが我々では読めない石板が残っているくらいですね」

 そう言ってガルイさんは魚料理を美味しそうに飲み込む。


 しかし沼地かぁ。
 なんか確実に濡れそうだな。
 その神殿にもちょっと興味があるし水竜が終わったらその石板てのも見に行くのもいいかもしれない。
 あたしは蝦を食べながらそんな事を思っていたのだった。


 * * * * *


 「そういう事で、主様おっぱいください!」

 「は? どう言う事ですのコク??」


 部屋に戻るなりコクはそう言ってあたしに抱き着いてくる。

 「今までもなるべく力を使わずに魔力を溜めこの体を成長させようとしましたがやはり人間の食事で魔力を溜めるには難しいのです。かといって竜の姿でその辺の者を無残に食い殺すのも忍びない。ですからやはりここは一番効率のいい主様のおっぱいを要求します! きっと水竜の若造ですから少し痛い目に合わせないと言う事を聞かないかもしれません。ですから今のうちに主様から魔力をいただければ非常に助かります!」

 一気にコクはそう言ってうるうるした目で懇願してくる。


 うっ
 か、可愛い。


 確かにコクの言う事も一理ある。
 コクたち黒龍も力の源は魔力である。
 魔力を蓄積して形あるマナにし、そして体を成長させる。
 
 しかし今までのごたごたでそれほど多くの魔力を蓄積できなかったのだろう。
 でもあたしはコクに聞いてみる。

 「魔力供給は分かりますが、何故おっぱいなのです? 私が手をつきそこから魔力を与えたのではだめですの?」

 「主様、質のいい魔力とは主様の感情も関係してくるのです。上澄みの薄い魔力よりやはり主様の濃厚な魔力が一番いいのです。ですから主様のおっぱいからいただくのが一番いいのです!」


 何故興奮気味で言うのだ?


 「それにしてもおっぱいでなくても良いのではないのですわ?」

 「いえ、主様が感じていただき気持ちよくなればなるほど濃厚な味わいの魔力がいただけます!」


 何だって?
 あ、あたしが感じて気持ちよくなると濃厚な魔力の味わいになるだってぇ!?


 「あ、あのコクぅ?」

 「大丈夫です、体は小さくてもディメルモ様に仕込まれた技は使えます! さあ、おっぱいください!!」

 鼻息荒くなってきたコク。
 そんな小さなコクにあたしは押されてベッドに座り込んでしまった。

 「さあ、主様!!」

 「ちょ、ちょっとコクぅっですわ!!」

 既にあたしの衣服ははぎ取られプルンと胸が出てしまう。
 コクは表情を輝かせながらその先端に口をつけ舐め回しながら魔力を吸い始める。

 「んんっ! コ、コクぅっ!!」

 コクはいきなりあたしの胸に吸い付くと同時にその小さな手でいろいろと愛撫してくる。
 
 「あんっ! だ、駄目ですわぁ、コクぅ~」


 何てこと!?
 コクがテクニシャン!?
 それはティアナをも凌駕する指捌き!
 あたしの背筋に思わず電気が流れるかの様な快感が走る。


 「ぅんん~、主様ぁ~美味しいですぅ~♡」

 こそばゆい中にも時折強い刺激をくわえながら優しく舐め回して魔力を吸いだしていく。

 体から乳房に魔力がどんどん流れていくのが分かる。
 しかしその代わりに得も言われぬ快感が与えられてしまう。


 や、やばい、このままじゃ、あたし‥‥‥


 思わず太ももをもじもじとさせてしまう。


 「いいなぁ、コクちゃん、あたしにもおすそ分けくださいよぉ~」

 「なんか今日のエルハイミはいつも以上にエロハイミな表情ね? まさかコクに吸われて感じまくっているの?」


 いきなりかけられたその声にあたしは心底驚く。


 「のっぴゃぁぁああああぁっ!? い、イオマにシェルぅ!? い、いつの間に??」

  
 よだれを垂らしながら指をくわえるイオマ、顔を赤くしながら息が荒くなっているシェル。
 
 「最初からいたわよ。なんだかんだ言ってエルハイミはコクには甘いんだから、うらやましい」
 
 「そうですよ、お姉さま。なんだかんだ言ってコクちゃんの言いなりになっておっぱいあげるんだから。私にもください!」


 なっ、最初から見てたの!?


 しかしそんな事はお構いなしにコクは一所懸命魔力を吸っている。

 「ねえ、エルハイミ、ちょとだけでいいからあたしも吸っていいかな?」

 「あ、シェルさん、ずるい! それなら私も!!」


 だ、駄目だ、この二人も既に目が肉食獣だ!!
 ただでさえあたしの心が揺れやすいってのにこれ以上色々されたら戻れなくなっちゃいそう!!

 ティアナ助けてぇっ!!



 「黒龍様の邪魔でいやがります、お前たちはこっちに来るでいやがります!」


 いきなり現れたクロエさんはシェルとイオマの首根っこをひょいっと持ち上げプラプラと部屋から出ていこうとする。

 「ふう、黒龍様が終わったら次は私でいやがります。主様、そこのワインの瓶でいいでいやがりますからね////」

 そう言ってクロエさんは今度こそきゃいきゃい言っている二人を連れて部屋を出て行ってしまった。
 
 
 ちょ、クロエさんワイン瓶でいいって何がどういう事よ!!!?
 そのワイン瓶って大瓶で太いのよっ!? 


 「うう~ん、主しゃまぁ~♡♡♡」

 「うっきゃぁ~、魔力全部持って行かれますわぁっ!!!!」



 結局全部吸われつくされてあたしは色々で気絶してしまうのだった。
  
  
   
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