266 / 610
第十章
10-8眠りに誘う者
しおりを挟む
10-8眠りに誘う者
「受けよ我がドラゴン百裂掌!!」
クロエさんの打ち出した無数の掌はヤギ頭の悪魔を襲う!
ヤギ頭の悪魔はその無数の掌を片手ではじく。
そして二人の影が交差してクロエさんがヤギ頭の悪魔を通り越した。
「ぐっ!」
そう言ってクロエさんはその場に跪く?
見るとクロエさんの左腕に一筋の赤い傷が出来ていてそこから流血を始めた!?
『ふはははははははっ! なかなかの技だがまだまだ甘い! その程度の掌では我を倒すことなど夢のまた夢だ!』
クロエさんに振り返ったヤギ頭の悪魔は高笑いをしながら矛を構える。
『ドドメだ! ‥‥‥ぐぼっ! な、なんだと!?』
だがヤギ頭の悪魔はいきなり吐血してその場に跪く。
見れば胸に大きなくぼみが出来ていてそれが大きなダメージを与えていたようだ。
「ふん、悪魔風情が私に傷をつけるとはほめてやがります。しかし私の掌はお前の心臓を確実に打ち抜いたでいやがります」
そう言ってクロエさんは傷ついた腕に自分で回復魔法をかけて傷口を塞ぐ。
そしてそのままヤギ頭の悪魔の近くまで歩いて来る。
「さあ、ドドメを刺してやるです!」
そう言って手刀を高々と振り上げる。
『くっ! まだだっ! まだやられんぞぉ!!』
そう言ってヤギ頭は「めぇぇぇえええええぇぇぇぇっっ!」っといきなり鳴いた!?
その途端あたしたちに強力な眠気が襲う。
これは精神魔法攻撃!?
普通の睡眠魔法よりずっと強力なものだ!?
「ぐっ!?」
クロエさんは片手を片目にあて大きくふらつく。
あたしたちも同じで既にシェルやイオマは眠りに落ちてしまっている。
『くはぁはははははっ、さあ眠るがいい! 羊が一匹、羊が二匹ぃ~』
さらなるヤギ頭の悪魔が織りなす脅威の呪文は聞きたくないのにあたしたちの耳にするりと入って来てしまう。
そして勝手にあたしの頭の中にのどかな牧場に木の柵を飛び越える羊たちが思い浮かばれる。
ああ、次で何匹目だっけ?
既にあたしの思考能力は低下しまくっていて認識できるのが柵を飛び越えている羊のイメージだけ。
『ほぉ~らぁ、羊が四千七百八十九匹ぃ~羊が四千七百九十匹ぃ~ ‥‥‥』
や、やばい!
もうあたしもだめぇ~!!
遠のく意識で最後に見たものは‥‥‥
『ぐぅ~ぐぅ~』
ヤギ頭の悪魔が寝ている?
「くっ、全く手間を焼かせやがるです。危うく私も眠りに落ちる所でいやがりました。黒龍様にこんな所で失態を見させるとは、許せないでいやがります!」
そう言って眠気から解放されたクロエさんは眠っているヤギ頭の悪魔の首をつかみその細腕でひょいと持ち上げる。
『はっ!? つい我も羊を数えながら寝てしまった! って、ちょっとマテ何だこの絶対不利な状況はぁっ!?』
「グダグダうるさいでいやがります! 消えろ!」
ザシュっ!
クロエさんの手刀がヤギ頭の悪魔の胸に突き刺さりそのまま背中にまで達する。
そしてその手にはいまだに動く心臓が握られていて背中に出たとたんそれを握りつぶす。
『めぇえっ! ぐぼっ!!』
最後にヤギ頭の悪魔は断末魔を発して動かなくなった。
クロエさんはそれを投げ捨てこちらに戻ってくる。
「ふんっ、手間取りやがりましたがとりあえず片付けました。黒龍様にはお恥ずかしい所をお見せしました」
そう言ってコクに頭を下げるが肝心のコクはあたしに寄りかかってまだ寝ている。
あたしは【状態回復魔法】を皆にかけて眠気を払う。
「あれ? いつの間にか終わっている??」
「お姉さま、あの悪魔は?」
「ふみゅぅ~、主様まだ眠いですぅ~」
シェルもイオマもコクも目覚めたようだ。
「流石にきつかったな、俺も半分寝てしまった」
「あれだけ強力な精神魔法攻撃だ、普通の人間では抗う事も出来んだろう」
ショーゴさんも頭を振り、クロさんでさえ目頭を指でつまんでいた。
確かに相手がドジ踏んでくれなかったらやばかったかもしれない。
「うわっ! クロエ何その血だらけ!?」
「ひっ! ク、クロエさんすごい恰好ですよ!?」
クロエさんの姿に気付いたシェルやイオマは驚いている。
「クロエさん、奇麗にしますから動かないでくださいですわ。【浄化魔法】」
あたしは血みどろのクロエさんを浄化魔法できれいにする。
そしてクロエさんはいつもの黒と白のミニスカメイド服姿に戻る。
「手間取りましたがぶちのめしてやがりました、さあ次へ行くでいやがります、主様!」
そう言ってクロエさんは肩に手を当てぶんぶんと腕を回す。
「まだまだ暴れたらないか、クロエよ」
「はいクロ様、このまま私が全部ぶちのめしてご覧にいれます!」
「クロエ、無理はしないでください?」
クロさんやコクに言われたクロエさんはにっこりと笑ってこう言う。
「任せてください!」
あたしたちは第一詰め所を後にして次へと向かうのであった。
「受けよ我がドラゴン百裂掌!!」
クロエさんの打ち出した無数の掌はヤギ頭の悪魔を襲う!
ヤギ頭の悪魔はその無数の掌を片手ではじく。
そして二人の影が交差してクロエさんがヤギ頭の悪魔を通り越した。
「ぐっ!」
そう言ってクロエさんはその場に跪く?
見るとクロエさんの左腕に一筋の赤い傷が出来ていてそこから流血を始めた!?
『ふはははははははっ! なかなかの技だがまだまだ甘い! その程度の掌では我を倒すことなど夢のまた夢だ!』
クロエさんに振り返ったヤギ頭の悪魔は高笑いをしながら矛を構える。
『ドドメだ! ‥‥‥ぐぼっ! な、なんだと!?』
だがヤギ頭の悪魔はいきなり吐血してその場に跪く。
見れば胸に大きなくぼみが出来ていてそれが大きなダメージを与えていたようだ。
「ふん、悪魔風情が私に傷をつけるとはほめてやがります。しかし私の掌はお前の心臓を確実に打ち抜いたでいやがります」
そう言ってクロエさんは傷ついた腕に自分で回復魔法をかけて傷口を塞ぐ。
そしてそのままヤギ頭の悪魔の近くまで歩いて来る。
「さあ、ドドメを刺してやるです!」
そう言って手刀を高々と振り上げる。
『くっ! まだだっ! まだやられんぞぉ!!』
そう言ってヤギ頭は「めぇぇぇえええええぇぇぇぇっっ!」っといきなり鳴いた!?
その途端あたしたちに強力な眠気が襲う。
これは精神魔法攻撃!?
普通の睡眠魔法よりずっと強力なものだ!?
「ぐっ!?」
クロエさんは片手を片目にあて大きくふらつく。
あたしたちも同じで既にシェルやイオマは眠りに落ちてしまっている。
『くはぁはははははっ、さあ眠るがいい! 羊が一匹、羊が二匹ぃ~』
さらなるヤギ頭の悪魔が織りなす脅威の呪文は聞きたくないのにあたしたちの耳にするりと入って来てしまう。
そして勝手にあたしの頭の中にのどかな牧場に木の柵を飛び越える羊たちが思い浮かばれる。
ああ、次で何匹目だっけ?
既にあたしの思考能力は低下しまくっていて認識できるのが柵を飛び越えている羊のイメージだけ。
『ほぉ~らぁ、羊が四千七百八十九匹ぃ~羊が四千七百九十匹ぃ~ ‥‥‥』
や、やばい!
もうあたしもだめぇ~!!
遠のく意識で最後に見たものは‥‥‥
『ぐぅ~ぐぅ~』
ヤギ頭の悪魔が寝ている?
「くっ、全く手間を焼かせやがるです。危うく私も眠りに落ちる所でいやがりました。黒龍様にこんな所で失態を見させるとは、許せないでいやがります!」
そう言って眠気から解放されたクロエさんは眠っているヤギ頭の悪魔の首をつかみその細腕でひょいと持ち上げる。
『はっ!? つい我も羊を数えながら寝てしまった! って、ちょっとマテ何だこの絶対不利な状況はぁっ!?』
「グダグダうるさいでいやがります! 消えろ!」
ザシュっ!
クロエさんの手刀がヤギ頭の悪魔の胸に突き刺さりそのまま背中にまで達する。
そしてその手にはいまだに動く心臓が握られていて背中に出たとたんそれを握りつぶす。
『めぇえっ! ぐぼっ!!』
最後にヤギ頭の悪魔は断末魔を発して動かなくなった。
クロエさんはそれを投げ捨てこちらに戻ってくる。
「ふんっ、手間取りやがりましたがとりあえず片付けました。黒龍様にはお恥ずかしい所をお見せしました」
そう言ってコクに頭を下げるが肝心のコクはあたしに寄りかかってまだ寝ている。
あたしは【状態回復魔法】を皆にかけて眠気を払う。
「あれ? いつの間にか終わっている??」
「お姉さま、あの悪魔は?」
「ふみゅぅ~、主様まだ眠いですぅ~」
シェルもイオマもコクも目覚めたようだ。
「流石にきつかったな、俺も半分寝てしまった」
「あれだけ強力な精神魔法攻撃だ、普通の人間では抗う事も出来んだろう」
ショーゴさんも頭を振り、クロさんでさえ目頭を指でつまんでいた。
確かに相手がドジ踏んでくれなかったらやばかったかもしれない。
「うわっ! クロエ何その血だらけ!?」
「ひっ! ク、クロエさんすごい恰好ですよ!?」
クロエさんの姿に気付いたシェルやイオマは驚いている。
「クロエさん、奇麗にしますから動かないでくださいですわ。【浄化魔法】」
あたしは血みどろのクロエさんを浄化魔法できれいにする。
そしてクロエさんはいつもの黒と白のミニスカメイド服姿に戻る。
「手間取りましたがぶちのめしてやがりました、さあ次へ行くでいやがります、主様!」
そう言ってクロエさんは肩に手を当てぶんぶんと腕を回す。
「まだまだ暴れたらないか、クロエよ」
「はいクロ様、このまま私が全部ぶちのめしてご覧にいれます!」
「クロエ、無理はしないでください?」
クロさんやコクに言われたクロエさんはにっこりと笑ってこう言う。
「任せてください!」
あたしたちは第一詰め所を後にして次へと向かうのであった。
0
お気に入りに追加
131
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
名前を書くとお漏らしさせることが出来るノートを拾ったのでイジメてくる女子に復讐します。ついでにアイドルとかも漏らさせてやりたい放題します
カルラ アンジェリ
ファンタジー
平凡な高校生暁 大地は陰キャな性格も手伝って女子からイジメられていた。
そんな毎日に鬱憤が溜まっていたが相手が女子では暴力でやり返すことも出来ず苦しんでいた大地はある日一冊のノートを拾う。
それはお漏らしノートという物でこれに名前を書くと対象を自在にお漏らしさせることが出来るというのだ。
これを使い主人公はいじめっ子女子たちに復讐を開始する。
更にそれがきっかけで元からあったお漏らしフェチの素養は高まりアイドルも漏らさせていきやりたい放題することに。
ネット上ではこの怪事件が何らかの超常現象の力と話題になりそれを失禁王から略してシンと呼び一部から奉られることになる。
しかしその変態行為を許さない美少女名探偵が現れシンの正体を暴くことを誓い……
これはそんな一人の変態男と美少女名探偵の頭脳戦とお漏らしを楽しむ物語。
あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活
mio
ファンタジー
なんやかんや、無理矢理あいつに異世界へと連れていかれました。
こうなったら仕方ない。とにかく、平和に楽しく暮らしていこう。
なぜ、少女は異世界へと連れてこられたのか。
自分の中に眠る力とは何なのか。
その答えを知った時少女は、ある決断をする。
長い間更新をさぼってしまってすいませんでした!
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる