260 / 610
第十章
10-2レジスタンス準備
しおりを挟む
10-2レジスタンス準備
「そうするとやはりソードスケルトンは手ごわい相手となるのか?」
ショーゴさんはミグロさんに確認をする。
「ああ、配下のスケルトンどもは烏合の衆だ。しかしソードスケルトンは死霊四天王の一人、剣豪と呼ばれているだけあって並の強さじゃない。しかも腕が四本もあり全ての腕に剣を持っている、四刀使いだ」
今は数日後に蜂起する為の下準備をしているがショーゴさんはミグロさんと話をしている。
「ミグロ、いけるのか?」
「厳しいが何とかするさ」
今回強襲する町は二つ、首なしの騎士のデュラハンが守る町と剣豪ソードスケルトンの守る町だ。
デュラハンは物理攻撃が効きにくいのであたしたち魔法使いと精霊使い、それとコクが中心となって攻め込む。
逆にソードスケルトンは物理攻撃が効くのでミグロさん中心に攻め込む予定だ。
しかしショーゴさんはミグロさんをだいぶ心配しているようだ。
「コク、首なし騎士デュラハンは強敵なのですかですわ?」
「主様、たとえこの身が幼くてもデュラハン如きに後れを取ることはありません」
コクはそうきっぱりと言う。
あたしはそれを聞き決断をする。
「ショーゴさん、今回は別行動をとりますわ。ショーゴさんはミグロさんたちについて行ってくださいですわ」
「主よ、そう言う訳にはいかん、俺は主の剣となり盾となる事を誓ったのだからな」
しかしあたしはそれでもショーゴさんに強く言う。
「駄目ですわ、今回の目的は亡者の王リッチを倒す事ですわ。そしてジマの国を取り戻すのが目的。ならばそのジマの国で王家の正統後継者の血を絶やす事はたとえリッチを倒しても意味がなくなってしまいますわ」
あたしのその言葉にショーゴさんは沈黙してしまう。
それを見ていたシェルはショーゴさんの背中を叩きながらこう言う。
「大丈夫だって、あたしが付いているからね! エルハイミに死なれたらあたしやコクも死んじゃうもん、全力で守るから心配ないって」
「シェル‥‥‥」
「そうです、主様には私がいます。デュラハンなどすぐに仕留めて見せます」
コクもそう言ってあたしに抱き着いてくる。
「主様は絶対に守って見せます!」
あたしたちのその様子を見てショーゴさんは表情を緩める。
「コクが主に抱き着いていると本当の親子のようだな。わかった、俺はミグロの手伝いをする」
そう言ってあたしに一礼する。
「うふふふっ! 主様が私のママみたいだって~」
「うっ、黒龍様、私も黒龍様に抱き着きたいです! 主様、わたしにもおすそ分けしやがれです!!」
「お姉さま最近あたしのこと忘れてませんか? 後で襲っちゃいますよ?」
「ふふっ、リッチめ首を洗って待っているがいい。黒龍様に対しての数々の狼藉、万死に値する!」
コクもクロエさんもイオマもクロさんもいろんな意味でやる気満々だわね。
あたしはため息をついてからミグロさんに聞く。
「それで他のアジトとの連絡はどうですの?」
「ああ、予定通りだ。既に返信も受け取っている。きっとうまくいくさ!」
なんか心配になるけどあたしはふと思い出してミグロさんに聞く。
「ところでミグロさんの方では魔晶石の都合できませんかしらですわ?」
「魔晶石? ああ、それなら何個かは手持ちがあるが」
あたしはそれを一つでいいから譲ってもらえないか聞いた。
ミグロさんはすぐに快諾してくれて全ての魔晶石をあたしに渡してくれる。
「エルハイミ、今更魔晶石なんてどうするの?」
シェルが不思議そうに聞いてくる。
あたしはシェルに頼んで下級精霊、炎のサラマンダーを呼び出してもらってすぐに融合する。
そして更にシェルのポーチにしまってあったミスリルを出してもらいその融合魔晶石も使って魔力付与のミスリルアーマーを作る。
「ミグロさん、この鎧を使ってくださいですわ。ミスリルアーマーで炎の精霊の属性を持つ魔法の鎧ですわ」
「エルハイミさん、良いのかこんなものをもらってしまって?」
「あなたはこの後ジマの国を取り戻すのでしょう? そうそう簡単に死なれては困りますわ。それに目立つ鎧は自軍の士気を高めますわ」
あたしはわざと目立つデザインに仕上げた。
特に胸の所には魔融合魔晶石がきらびやかに輝くようにしたのでちょっと厚みが増えちゃったけどその効果は抜群のはず。
ミグロさんはさっそく鎧を着こんでみる。
馬子にも衣裳じゃないけどそこそこ似合っている。
とりあえずこれで良しっと。
あたしは残りの魔晶石に魔力付加をしてからイオマとあたしのライトプロテクターも改造をする。
「イオマ、これであなたのライトプロテクターも自動防御を全身で行えるようになりましたわ。私たちと同じ全ミスリル製にしたので前よりも軽くなったでしょうですわ?」
迷宮にいた頃にイオマに作ってあげたライトプロテクターはミスリル合金製で純度が低かった。
ミスリルゴーレム狩りでまだまだ純ミスリルは持っているのでここは防御力の底上げをしたいところだ。
もちろんあたしのライトプロテクターも全自動防御機能が回復した。
これである程度は防御は気にしなくて済む。
「ああっ! お姉さまやっぱりあたしの事も気にかけてくれてたんですねぇ!! お姉さまっ!」
「イオマ、主様は私のです! どさくさに紛れて主様のおっぱいに触ろうとしてはいけません!」
あたしに抱き着こうとするイオマをコクは見事にブロックしてくれる。
助かるわね、イオマには悪いけど。
準備も整ったし、後は予定通り数日後に強襲をするだけだ。
あたしは早くリッチを倒してティアナに連絡をしたいと心底思うのだった。
「そうするとやはりソードスケルトンは手ごわい相手となるのか?」
ショーゴさんはミグロさんに確認をする。
「ああ、配下のスケルトンどもは烏合の衆だ。しかしソードスケルトンは死霊四天王の一人、剣豪と呼ばれているだけあって並の強さじゃない。しかも腕が四本もあり全ての腕に剣を持っている、四刀使いだ」
今は数日後に蜂起する為の下準備をしているがショーゴさんはミグロさんと話をしている。
「ミグロ、いけるのか?」
「厳しいが何とかするさ」
今回強襲する町は二つ、首なしの騎士のデュラハンが守る町と剣豪ソードスケルトンの守る町だ。
デュラハンは物理攻撃が効きにくいのであたしたち魔法使いと精霊使い、それとコクが中心となって攻め込む。
逆にソードスケルトンは物理攻撃が効くのでミグロさん中心に攻め込む予定だ。
しかしショーゴさんはミグロさんをだいぶ心配しているようだ。
「コク、首なし騎士デュラハンは強敵なのですかですわ?」
「主様、たとえこの身が幼くてもデュラハン如きに後れを取ることはありません」
コクはそうきっぱりと言う。
あたしはそれを聞き決断をする。
「ショーゴさん、今回は別行動をとりますわ。ショーゴさんはミグロさんたちについて行ってくださいですわ」
「主よ、そう言う訳にはいかん、俺は主の剣となり盾となる事を誓ったのだからな」
しかしあたしはそれでもショーゴさんに強く言う。
「駄目ですわ、今回の目的は亡者の王リッチを倒す事ですわ。そしてジマの国を取り戻すのが目的。ならばそのジマの国で王家の正統後継者の血を絶やす事はたとえリッチを倒しても意味がなくなってしまいますわ」
あたしのその言葉にショーゴさんは沈黙してしまう。
それを見ていたシェルはショーゴさんの背中を叩きながらこう言う。
「大丈夫だって、あたしが付いているからね! エルハイミに死なれたらあたしやコクも死んじゃうもん、全力で守るから心配ないって」
「シェル‥‥‥」
「そうです、主様には私がいます。デュラハンなどすぐに仕留めて見せます」
コクもそう言ってあたしに抱き着いてくる。
「主様は絶対に守って見せます!」
あたしたちのその様子を見てショーゴさんは表情を緩める。
「コクが主に抱き着いていると本当の親子のようだな。わかった、俺はミグロの手伝いをする」
そう言ってあたしに一礼する。
「うふふふっ! 主様が私のママみたいだって~」
「うっ、黒龍様、私も黒龍様に抱き着きたいです! 主様、わたしにもおすそ分けしやがれです!!」
「お姉さま最近あたしのこと忘れてませんか? 後で襲っちゃいますよ?」
「ふふっ、リッチめ首を洗って待っているがいい。黒龍様に対しての数々の狼藉、万死に値する!」
コクもクロエさんもイオマもクロさんもいろんな意味でやる気満々だわね。
あたしはため息をついてからミグロさんに聞く。
「それで他のアジトとの連絡はどうですの?」
「ああ、予定通りだ。既に返信も受け取っている。きっとうまくいくさ!」
なんか心配になるけどあたしはふと思い出してミグロさんに聞く。
「ところでミグロさんの方では魔晶石の都合できませんかしらですわ?」
「魔晶石? ああ、それなら何個かは手持ちがあるが」
あたしはそれを一つでいいから譲ってもらえないか聞いた。
ミグロさんはすぐに快諾してくれて全ての魔晶石をあたしに渡してくれる。
「エルハイミ、今更魔晶石なんてどうするの?」
シェルが不思議そうに聞いてくる。
あたしはシェルに頼んで下級精霊、炎のサラマンダーを呼び出してもらってすぐに融合する。
そして更にシェルのポーチにしまってあったミスリルを出してもらいその融合魔晶石も使って魔力付与のミスリルアーマーを作る。
「ミグロさん、この鎧を使ってくださいですわ。ミスリルアーマーで炎の精霊の属性を持つ魔法の鎧ですわ」
「エルハイミさん、良いのかこんなものをもらってしまって?」
「あなたはこの後ジマの国を取り戻すのでしょう? そうそう簡単に死なれては困りますわ。それに目立つ鎧は自軍の士気を高めますわ」
あたしはわざと目立つデザインに仕上げた。
特に胸の所には魔融合魔晶石がきらびやかに輝くようにしたのでちょっと厚みが増えちゃったけどその効果は抜群のはず。
ミグロさんはさっそく鎧を着こんでみる。
馬子にも衣裳じゃないけどそこそこ似合っている。
とりあえずこれで良しっと。
あたしは残りの魔晶石に魔力付加をしてからイオマとあたしのライトプロテクターも改造をする。
「イオマ、これであなたのライトプロテクターも自動防御を全身で行えるようになりましたわ。私たちと同じ全ミスリル製にしたので前よりも軽くなったでしょうですわ?」
迷宮にいた頃にイオマに作ってあげたライトプロテクターはミスリル合金製で純度が低かった。
ミスリルゴーレム狩りでまだまだ純ミスリルは持っているのでここは防御力の底上げをしたいところだ。
もちろんあたしのライトプロテクターも全自動防御機能が回復した。
これである程度は防御は気にしなくて済む。
「ああっ! お姉さまやっぱりあたしの事も気にかけてくれてたんですねぇ!! お姉さまっ!」
「イオマ、主様は私のです! どさくさに紛れて主様のおっぱいに触ろうとしてはいけません!」
あたしに抱き着こうとするイオマをコクは見事にブロックしてくれる。
助かるわね、イオマには悪いけど。
準備も整ったし、後は予定通り数日後に強襲をするだけだ。
あたしは早くリッチを倒してティアナに連絡をしたいと心底思うのだった。
0
お気に入りに追加
131
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
名前を書くとお漏らしさせることが出来るノートを拾ったのでイジメてくる女子に復讐します。ついでにアイドルとかも漏らさせてやりたい放題します
カルラ アンジェリ
ファンタジー
平凡な高校生暁 大地は陰キャな性格も手伝って女子からイジメられていた。
そんな毎日に鬱憤が溜まっていたが相手が女子では暴力でやり返すことも出来ず苦しんでいた大地はある日一冊のノートを拾う。
それはお漏らしノートという物でこれに名前を書くと対象を自在にお漏らしさせることが出来るというのだ。
これを使い主人公はいじめっ子女子たちに復讐を開始する。
更にそれがきっかけで元からあったお漏らしフェチの素養は高まりアイドルも漏らさせていきやりたい放題することに。
ネット上ではこの怪事件が何らかの超常現象の力と話題になりそれを失禁王から略してシンと呼び一部から奉られることになる。
しかしその変態行為を許さない美少女名探偵が現れシンの正体を暴くことを誓い……
これはそんな一人の変態男と美少女名探偵の頭脳戦とお漏らしを楽しむ物語。
あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活
mio
ファンタジー
なんやかんや、無理矢理あいつに異世界へと連れていかれました。
こうなったら仕方ない。とにかく、平和に楽しく暮らしていこう。
なぜ、少女は異世界へと連れてこられたのか。
自分の中に眠る力とは何なのか。
その答えを知った時少女は、ある決断をする。
長い間更新をさぼってしまってすいませんでした!
うちの娘が悪役令嬢って、どういうことですか?
プラネットプラント
ファンタジー
全寮制の高等教育機関で行われている卒業式で、ある令嬢が糾弾されていた。そこに令嬢の父親が割り込んできて・・・。乙女ゲームの強制力に抗う令嬢の父親(前世、彼女いない歴=年齢のフリーター)と従者(身内には優しい鬼畜)と異母兄(当て馬/噛ませ犬な攻略対象)。2016.09.08 07:00に完結します。
小説家になろうでも公開している短編集です。
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
スキル運で、運がいい俺を追放したギルドは倒産したけど、俺の庭にダンジョン出来て億稼いでます。~ラッキー~
暁 とと
ファンタジー
スキル運のおかげでドロップ率や宝箱のアイテムに対する運が良く、確率の低いアイテムをドロップしたり、激レアな武器を宝箱から出したりすることが出来る佐藤はギルドを辞めさられた。
しかし、佐藤の庭にダンジョンが出来たので億を稼ぐことが出来ます。
もう、戻ってきてと言われても無駄です。こっちは、億稼いでいるので。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる