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第九章

9-17接戦

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 9-17接戦


 「お姉さま! あれはあたしじゃ防げない!!」

 
 イオマの悲鳴にあたしが前に出る。
 そして同調をして迫りくる隕石を魔力還元して光に変え吸収していく。

 さすがにイオマじゃ【流星召喚】メテオストライクを【防壁魔法】で防ぎきれない。
 しかし援護のあたしが前に出たのを守護者のシェルとショーゴさんが襲ってくる!

 ライトプロテクターの半身が反応して守護者のシェルの矢をはじくが迫りくる守護者のショーゴさんの刃はかわせない!?

 
 がぎぃぃいいいんっ!!


 しかし間一髪ショーゴさんがそれを防いでくれる。
 
 「主よ!」

 「ええっ!」

 あたしはそこで【爆炎拳】のコマンドを発動させる。

 あたしのコマンド魔法が飛び、ショーゴさんの義手が反応する!
 左の拳の爪が伸び、下腕の排気ダクトが開きブーストされた圧縮魔力が炎となって吹き出す!!

 「うぉぉぉおおおおおっ!【爆炎拳】!!」

 ショーゴさんが力ある言葉でその力を開放して守護者のショーゴさんにその真っ赤に燃える手のひらを叩きつける。
 しかし、驚いたことに守護者のショーゴさんも全く同じく【爆炎拳】を放つ!


 きんっ!
 ぼんっ!!


 同じ【爆炎拳】どうしがぶつかり合いその場で破裂した。
 それは爆発的な熱風を発生させ燃え上がる炎がショーゴさんを守護者のショーゴさんを包む!

 あたしはその瞬間ショーゴさんに押し飛ばされて何とか炎に巻かれずに済んだ。

 「ショーゴさん!」

 「【防壁魔法】!! お姉さま!」

 あたしの目の前にイオマの【防壁魔法】が展開してそこに立て続けに【氷の矢】が飛んできた。
 その数百本を下らない!?
 
 ほどなくイオマの【防壁魔法】は壊されるがあたしは自分でも【絶対防壁】を展開しながら【雷撃魔法】を飛ばす。
 しかしきっちりとそれもむこうの防御魔法で防がれてしまう。


 「埒があきませんわ! シェル援護を!!」


 シェルは三本の矢をつがい放ちながら光の精霊を呼び出し一緒にぶつける。
 しかし守護者のイオマが【防壁魔法】で矢をはじき、守護者のシェルが暗闇の精霊を呼び出し相殺させる。

 あたしはショーゴさんに回復魔法をかけながら転がり落ちているショーゴさんの小刀を拾い上げ【念動魔法】を使って守護者のあたしに投げつける。
 それは速度を増し真っ直ぐに守護者のあたしに飛んでいくが、守護者のシェルが放った矢に打ち落とされ、伸びていた【地槍】に刺さる。

 回復魔法で動き出したショーゴさんだが左手は無残にも肘から下がぼろぼろで使い物にならない様子だ。
 ショーゴさんは後退しながら小刀を投げつけるが守護者のショーゴさんも守護者のあたしから回復魔法を受けたようで同じに動き出し、投げ出された小刀を刀で弾き飛ばす。

 あっちも左腕が使えなくなっているようだ。


 あたしは考える。
 最大の敵はやっぱり守護者のあたし。
 それがいなくなれば手の打ちようはある。


 あたしは魔導士のライトプロテクターの肩アーマーから金属の棒を引き抜き先ほどと同じように【念動魔法】で守護者のあたしに投げつける。
 しかし間に入った守護者のショーゴさんに簡単に弾き飛ばされ地面に落ちる。
 
 それを見たショーゴさんは守護者のショーゴさんに突っ込み切りつけるが向こうも迎撃しているがつばぜり合いになった瞬間ショーゴさんは小刀を【地槍】に突き立て大きく後退する。

 それをチャンスと思ったか守護者のショーゴさんは追う。


 よしっ!

 
 ショーゴさんはあたしの意向を理解してくれたようで最後に突き立てた小刀の横には先にはじかれ【地槍】に突き刺さっていた小刀が立っている。

 
 「チェックメイトですわ【超電導雷撃】!」


 あたしはそう言って準備していた電気エネルギーを一気にその二本の小刀の間に流す。
 そしてその小刀の間には内緒であたしが【念動魔法】飛ばしておいた超高圧圧縮金属ミスリルの弾がある。

 銃身が短いので偽りの竜の時ほどではないけどその弾丸はプラズマの光を放ち一気に守護者のあたしに放たれた!

 守護者のあたしは【絶対防壁】を展開するがそんなものでは防げない。
 ガラスが割れるような音がして【絶対防壁】を割り、その超高圧圧縮金属ミスリルの弾丸は守護者のあたしへと吸い込まれていく。


 ばしゅっ!!

 ぱーんっっっ!!!!


 哀れ守護者のあたしはその体を飛散させるのだった。

 「うわーっ、偽物のお姉さまがばらばら!」

 「今ですわ、シェル、ショーゴさん!」
 
 守護者のあたしがいなくなったことであちらの防御力は決定的に低くなり、次々と繰り出す攻撃に守護者たちはじり貧になる。
 そして一所に集まったとこを見計らいあたしが大魔法を発動させる!


 「これで最後ですわ! 【雷龍逆鱗】!!」


 守護者たちの頭上に大きな魔法陣が出来そこから豪雨のような沢山の稲妻が落ちる!!


 カッ!!

 どががぁあああぁぁぁんんっ!!! 

 
 稲妻を受けた守護者たちは一瞬で真っ黒に焦げぼろぼろとその形を崩していった。


 「やたぁ! 勝ったぁ!!」

 「やりましたね、お姉さま!」

 「ふう、何とかか」

 「ええ、何とかでしたわね」

 動かなくなった義手をだらりと垂らしながらショーゴさんは小刀を回収し始める。


 あたしはクロさんに向き直りこう告げる。

 「さあ、守護者は倒しましたわ。クロ様、黒龍様のもとへ!」

 クロさんとクロエさんはあたしの近くに寄ってくる。

 「弱きものよ、いや、エルハイミ=ルド・シーナ・ハミルトンよ、感謝する。おかげで黒龍様のもとへ赴ける」

 「ふん、人間風情にしてはよくやりやがりましたです。エルハイミ=ルド・シーナ・ハミルトン、お前の名前は覚えてやったです」

 そう言って二人は黒龍のもとへ歩き出した。

 
 ここから先はお任せだよね?
 さすがにあたしたちも疲れた。

 
 あたしはショーゴさんの義手を【錬成魔法】で修理して一休みさせてもらう。



 あたしはクロさんたち二人が歩いて行くのをを見守るのであった。
  
  

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