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第八章
8-20アンナからの知らせ
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8-20アンナからの知らせ
雪が降り積もりこのティナの町を白く覆う。
今年もやってまいりました越冬の季節が!!
流石に二回目なのでもう驚かないあたしたち。
しかも今年は準備がちゃんと出来ていたのでそれほど大騒ぎにはならない。
あたしはこたつで書類の確認をしながらティアナに認証のサインをお願いする。
「今の所順調ですわ。街道の整備も予定通り行われているので流通も正常ですし、人の往来も今の所は問題ありませんわ」
ティアナはほとんど内容を見ないで認証のサインをしている。
まああたしがしっかり見ているから問題無いだろうけど。
「こんな大雪の中わざわざ下着の買い付けに来てくれるんだもの、アテンザ姉さまには感謝ね。そう言えば出産てもうそろそろなのかな?」
「まだ七か月ですわ。あと二、三か月はかかりますわよ?」
ティアナは書類から顔を上げてあたしを見る。
「そんなにかかるんだっけ?」
「十か月くらいはかかりますわよ? もしかしてティアナ知らなかったのですの??」
ティアナはちょっと目線をずらしてはははっと笑ってごまかしている。
「も、もちろん知っているわよ! 将来エルハイミにあたしたちの子供産ませるのだもの!」
ティアナの頬に一筋の汗が流れている。
あたしはジト目でティアナを見ていたが軽くため息をつく。
まあ細かいことは気にしない性格なんだった。
そう思いながらとある書類に目が留まる。
『有事時のティナの町退去訓練について』
あたしはその訓練内容の妥当性と手順についてのレポートを読む。
そして万が一の状態を想像する。
ゾナーの話では聖騎士団は異教徒や異端児を嫌い殲滅するらしい。
それはたとえ女子供であっても容赦せず、すべてに等しく神の裁きを下すという名目で斬殺するという。
もしこの町がそうなってしまったら‥‥‥
嫌な事は考えたくはないがこの町の責任者としてはそれもちゃんと考えなければならない。
退路としては衛星都市コルニャと友好国であるノルウェン王国に逃げ込むわけだがどちらもそこそこ距離はある。
次の戦争は確実に雪が融けた春先になるだろう。
あたしはいくつかの点を修正してから書類をティアナに渡す。
ティアナはこれもよく見ないでサインするかと思ったらぴたりと止まり熟読していた。
「ねえエルハイミ、これってやっぱり必要だよね‥‥‥」
「そうですわね、訓練自体が無駄になってくれるのが一番いいのですが必要な事ですわ」
あたしははっきりとそう言う。
ティアナも「うん」と小さく言ってから認可のサインをする。
そしてぽつりと言う。
「絶対無駄な訓練にして見せるわ」
* * * * *
「エルハイミ殿、どちらに行かれるのです?」
あたしが町に用事で行こうとするとたまたま通路で出会ったエスティマ様が声をかけてきた。
既に外出する格好のあたしたち、エスティマ様は部下数人を連れてどうやらゾナーの所でも行くようだ。
「ええ、冒険者ギルドと貿易ギルドにお話が有りましてですわ。エスティマ様はゾナーと打ち合わせですの?」
「ええ、定期的なものですが。そうだ、エルハイミ殿、私がギルドまでエスコートいたします!」
そう言ってきらきらフォーカスであたしの手を取り口づけをする。
「でもゾナーとの打ち合わせはどういたしますですの?」
「特に変わったことをする訳ではありません、確認事項程度ですから部下でも十分に対応できます。ささ、参りましょう!」
そう言ってあたしの手を取り歩き出す。
仕方なしにあたしも引っ張られていくが、この寒い中ガチャガチャと甲冑で町になんか出たら凍傷おこすわよ??
しかしそこはやはり王家の人間、この大雪の中馬車を準備しろとか無茶ぶりである!!
「エスティマ様、ギルドまではそれほど距離もありませんわ。それに雪中を馬車で移動はかえって手間となってしまいますわ。私たちはいつも通り歩いていきますわ」
そう言ってあたしたちは歩き出す。
慌ててエスティマ様も外套を羽織りカイロをもってあたしたちにくっついて来る。
「エ、エルハイミ殿、お待ちください、私も行きます!」
なんか今回はダメダメなエスティマ様であった。
* * * * *
あたしは町での用事を済まし、例のスイーツ店に向かう。
「エルハイミ殿、どちらに向かわれているのですか?」
「ええ、町に出ると必ず寄るお店がありますの。前にもエスティマ様にもお出しした餅入りミルクティーのお店ですわ!」
あたしはにこやかにそう言う。
寒い時はあれは絶品だ。
それと今日は噂では新商品のお菓子も販売となるらしい。
その情報を得たあたしはそちらも必ず買って帰るとティアナに約束したのだ。
「しかし、毎回飽きもせずに町に出ると必ず寄るわよね、エルハイミって!」
「主の数少ない楽しみだ、仕方あるまい」
シェルやショーゴさんも手慣れたものであたしがお会計している間にお持ち帰りのミルクティーとお菓子を手分けして持ってくれる。
既に常連なのでお店も心得ていて来るたびに専用のバケットとか保温用のバックまで準備してくれる。
バケットやバックは後で砦まで取り来てもらっているのでちょっと申し訳ない。
あたしは新作のお菓子を持ってホクホク顔でお店を出る。
「エルハイミ殿、お持ちしますよ」
エスティマ様はそう言ってあたしが持っている新作のお菓子が入ったバケットを持ってくれる。
何時もエスティマ様にもおすそ分けしているからお願いしようかな?
そんな事を考えていると知った顔が近づいてきた。
「シェルたちじゃない?」
見るとファムさんたち「風の剣(つるぎ)」の面々だ。
「あら、エルハイミさん、エスティマ様もしかしてデートですか??」
「なっ!?」
「ほほう、そう見えるか? いやいや、そうか、そうか! はっはっはっはっはっ!!」
ファムさんのなんて事の無いその発言にエスティマ様は上機嫌、あたしはちょっと不服だが小声でファムさんに「違います! 買い出しです!! 変な噂流さないでくださいですわ!!」とくぎを刺す。
ファムさんはシェルと見る。
シェルは肩をすくめ苦笑している。
上機嫌なエスティマ様を先頭にあたしたちはファムさんたちに挨拶してから砦へ戻って行った。
* * * * *
「エルハイミ、さっきアンナから連絡があったの、連合軍がスィーフにまで撤退をしたって!」
今連合軍はサージム大陸南方のリザードマンの領地である湿地帯に出来上がったジュリ教と事を構えていたはずだ。
慣れない環境での戦闘は既に数ヵ月にも及ぶ。
当初簡単に制圧できると踏んでいたそれはふたを開けるとジュメルの増援である魔怪人と融合怪人のおかげで苦戦を強いられていた。
しかしガレントの宮廷魔術師であるアンナさんが参戦することによって事態は収拾へと向かっていたはずだ。
それが撤退?
「どういう事ですのティアナ??」
「どうやらジュメルの新兵器に押されたようだわ。一体どんなものかはまだ連絡が来ていないけど、あの連合軍とアンナが撤退するほどよ、相当なものだわ!」
『本国から面白いものが届きます』
あたしの脳裏にヨハネス神父のその言葉がよみがえる。
まさかスィーフにもそれが届いていた?
あたしは頬に一筋の汗を流す。
もし仮にそれが事実とするとこのティナの町も春先にホリゾンが襲ってくるというのに今まで以上に注意が必要となる。
一体どんな新兵器なのだろう?
あたしはアンナさんから来るはずのメッセージを今か今かと待つのであった。
雪が降り積もりこのティナの町を白く覆う。
今年もやってまいりました越冬の季節が!!
流石に二回目なのでもう驚かないあたしたち。
しかも今年は準備がちゃんと出来ていたのでそれほど大騒ぎにはならない。
あたしはこたつで書類の確認をしながらティアナに認証のサインをお願いする。
「今の所順調ですわ。街道の整備も予定通り行われているので流通も正常ですし、人の往来も今の所は問題ありませんわ」
ティアナはほとんど内容を見ないで認証のサインをしている。
まああたしがしっかり見ているから問題無いだろうけど。
「こんな大雪の中わざわざ下着の買い付けに来てくれるんだもの、アテンザ姉さまには感謝ね。そう言えば出産てもうそろそろなのかな?」
「まだ七か月ですわ。あと二、三か月はかかりますわよ?」
ティアナは書類から顔を上げてあたしを見る。
「そんなにかかるんだっけ?」
「十か月くらいはかかりますわよ? もしかしてティアナ知らなかったのですの??」
ティアナはちょっと目線をずらしてはははっと笑ってごまかしている。
「も、もちろん知っているわよ! 将来エルハイミにあたしたちの子供産ませるのだもの!」
ティアナの頬に一筋の汗が流れている。
あたしはジト目でティアナを見ていたが軽くため息をつく。
まあ細かいことは気にしない性格なんだった。
そう思いながらとある書類に目が留まる。
『有事時のティナの町退去訓練について』
あたしはその訓練内容の妥当性と手順についてのレポートを読む。
そして万が一の状態を想像する。
ゾナーの話では聖騎士団は異教徒や異端児を嫌い殲滅するらしい。
それはたとえ女子供であっても容赦せず、すべてに等しく神の裁きを下すという名目で斬殺するという。
もしこの町がそうなってしまったら‥‥‥
嫌な事は考えたくはないがこの町の責任者としてはそれもちゃんと考えなければならない。
退路としては衛星都市コルニャと友好国であるノルウェン王国に逃げ込むわけだがどちらもそこそこ距離はある。
次の戦争は確実に雪が融けた春先になるだろう。
あたしはいくつかの点を修正してから書類をティアナに渡す。
ティアナはこれもよく見ないでサインするかと思ったらぴたりと止まり熟読していた。
「ねえエルハイミ、これってやっぱり必要だよね‥‥‥」
「そうですわね、訓練自体が無駄になってくれるのが一番いいのですが必要な事ですわ」
あたしははっきりとそう言う。
ティアナも「うん」と小さく言ってから認可のサインをする。
そしてぽつりと言う。
「絶対無駄な訓練にして見せるわ」
* * * * *
「エルハイミ殿、どちらに行かれるのです?」
あたしが町に用事で行こうとするとたまたま通路で出会ったエスティマ様が声をかけてきた。
既に外出する格好のあたしたち、エスティマ様は部下数人を連れてどうやらゾナーの所でも行くようだ。
「ええ、冒険者ギルドと貿易ギルドにお話が有りましてですわ。エスティマ様はゾナーと打ち合わせですの?」
「ええ、定期的なものですが。そうだ、エルハイミ殿、私がギルドまでエスコートいたします!」
そう言ってきらきらフォーカスであたしの手を取り口づけをする。
「でもゾナーとの打ち合わせはどういたしますですの?」
「特に変わったことをする訳ではありません、確認事項程度ですから部下でも十分に対応できます。ささ、参りましょう!」
そう言ってあたしの手を取り歩き出す。
仕方なしにあたしも引っ張られていくが、この寒い中ガチャガチャと甲冑で町になんか出たら凍傷おこすわよ??
しかしそこはやはり王家の人間、この大雪の中馬車を準備しろとか無茶ぶりである!!
「エスティマ様、ギルドまではそれほど距離もありませんわ。それに雪中を馬車で移動はかえって手間となってしまいますわ。私たちはいつも通り歩いていきますわ」
そう言ってあたしたちは歩き出す。
慌ててエスティマ様も外套を羽織りカイロをもってあたしたちにくっついて来る。
「エ、エルハイミ殿、お待ちください、私も行きます!」
なんか今回はダメダメなエスティマ様であった。
* * * * *
あたしは町での用事を済まし、例のスイーツ店に向かう。
「エルハイミ殿、どちらに向かわれているのですか?」
「ええ、町に出ると必ず寄るお店がありますの。前にもエスティマ様にもお出しした餅入りミルクティーのお店ですわ!」
あたしはにこやかにそう言う。
寒い時はあれは絶品だ。
それと今日は噂では新商品のお菓子も販売となるらしい。
その情報を得たあたしはそちらも必ず買って帰るとティアナに約束したのだ。
「しかし、毎回飽きもせずに町に出ると必ず寄るわよね、エルハイミって!」
「主の数少ない楽しみだ、仕方あるまい」
シェルやショーゴさんも手慣れたものであたしがお会計している間にお持ち帰りのミルクティーとお菓子を手分けして持ってくれる。
既に常連なのでお店も心得ていて来るたびに専用のバケットとか保温用のバックまで準備してくれる。
バケットやバックは後で砦まで取り来てもらっているのでちょっと申し訳ない。
あたしは新作のお菓子を持ってホクホク顔でお店を出る。
「エルハイミ殿、お持ちしますよ」
エスティマ様はそう言ってあたしが持っている新作のお菓子が入ったバケットを持ってくれる。
何時もエスティマ様にもおすそ分けしているからお願いしようかな?
そんな事を考えていると知った顔が近づいてきた。
「シェルたちじゃない?」
見るとファムさんたち「風の剣(つるぎ)」の面々だ。
「あら、エルハイミさん、エスティマ様もしかしてデートですか??」
「なっ!?」
「ほほう、そう見えるか? いやいや、そうか、そうか! はっはっはっはっはっ!!」
ファムさんのなんて事の無いその発言にエスティマ様は上機嫌、あたしはちょっと不服だが小声でファムさんに「違います! 買い出しです!! 変な噂流さないでくださいですわ!!」とくぎを刺す。
ファムさんはシェルと見る。
シェルは肩をすくめ苦笑している。
上機嫌なエスティマ様を先頭にあたしたちはファムさんたちに挨拶してから砦へ戻って行った。
* * * * *
「エルハイミ、さっきアンナから連絡があったの、連合軍がスィーフにまで撤退をしたって!」
今連合軍はサージム大陸南方のリザードマンの領地である湿地帯に出来上がったジュリ教と事を構えていたはずだ。
慣れない環境での戦闘は既に数ヵ月にも及ぶ。
当初簡単に制圧できると踏んでいたそれはふたを開けるとジュメルの増援である魔怪人と融合怪人のおかげで苦戦を強いられていた。
しかしガレントの宮廷魔術師であるアンナさんが参戦することによって事態は収拾へと向かっていたはずだ。
それが撤退?
「どういう事ですのティアナ??」
「どうやらジュメルの新兵器に押されたようだわ。一体どんなものかはまだ連絡が来ていないけど、あの連合軍とアンナが撤退するほどよ、相当なものだわ!」
『本国から面白いものが届きます』
あたしの脳裏にヨハネス神父のその言葉がよみがえる。
まさかスィーフにもそれが届いていた?
あたしは頬に一筋の汗を流す。
もし仮にそれが事実とするとこのティナの町も春先にホリゾンが襲ってくるというのに今まで以上に注意が必要となる。
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