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第六章
6-18アイミ
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6-18アイミ
「わが社の今後の運命はここにいる社員諸君にかかっている、諸君らの活躍に大いに期待する」
付け髭付けてあたしは四連型魔晶石核に訓示を言い渡す。
って、本当にこんなので稼働すんの、シコちゃん??
『まあ動かないでしょね』
おいっ!
じゃあなんでやらせた!?
「ではこれは何ですの!?」
『雰囲気づくりよ、なんとなくね』
そう言う冗談はやめてほしい。
思いっきり生前の会社思い出しちゃったじゃないの!
『さて、冗談はこのくらいにして始めましょうか?』
本気で冗談だったんかい!?
あたしは思わず付け髭をぺちーんと床に叩きつけてしまった!
「さっきから何やってんのよエルハイミ?」
ティアナが怪訝そうにあたしを見ている。
今回はこのドームでティアナはあたしの横にいてくれる。
前回のようにとんでもない物を呼び出す事は無いはずなのでティアナが横にいてくれるのは心強い。
向こうを見るとだいぶ離れた壁際に他の連中は退避している。
‥‥‥シェルの奴まで向こうか!!
あたしは今回もため息ついてから四連型魔晶石核に向かう。
「それでは始めますわ、ティアナ、万が一何かあったら私にかまわず【絶対防壁】を発動してくださいな。シコちゃん、行きますわ!」
そう言ってからあたしはシコちゃん経由で魔力を四連型に流し込む。
流石上級精霊の四連型、生半可な魔力では足らない。
あたしは回復したばかりだけど、かまわず魔力を注ぎ込む!
ぶぅんっ!!
魔結晶石が反応を始める。
ぶぅんっ!
ぶぅうんっ!!
ぶんっ!
すべての魔結晶石が動き出していた!!
さあここからだ!
「我が名はエルハイミ! そなたたちの主にして契約者也! 聞け我がしもべたち。我が望みを叶える為にその力示せ!!」
あたしはシコちゃんに言われた通りのセリフを呪文のように言葉に魔力を乗せ唱える!
と、各魔結晶石が輝きを増す!!
そしてあの輝く緑色の光があふれんばかりに広がる!
その広がりはなんとこのドームいっぱいに広がり精霊の声が聞こえてきた。
『地の精霊ここに』
『水の精霊参りました』
『火の精霊主の意のままに』
『風の精霊、お呼びにはせ参じました』
おおっ!!!?
流石上級精霊!
下級精霊とは訳が違う!
「すごい、これが上級精霊の声なのね?」
ティアナも驚いている。
『汝ら我が主エルハイミの声に従いこれより四霊の力を使い渦巻く混沌を作り出せ!』
シコちゃんの声に精霊たちは『御意』と言って魔結晶石の輝きを更に強くする。
それはこの輝く緑の光を更に濃厚にしてこの光の中にいる者たちの意識をつなぐ!?
あたしもティアナもそしてシェルもみんなつながる‥‥‥
誤解もエゴも全て通り越して分かり合えてしまう‥‥‥
いや、違う、これはあたしたちだけじゃない?
他の人の意志も分かる?
みんなあたしの中に入ってくる!!!?
「す、すごいこれが上級精霊たちの連結した力!?」
あたしの驚きの声になんとアイミが割り込む!?
『エルハイミ! だめ、飲み込まれちゃ戻れなくなる! みんなの力が強すぎる!! 意識を強く持って!!!!』
「あ、アイミ!?」
はたと気付き四連型を見るとそこには黒い渦が舞っていた。
貪欲に回転をするその渦は近くの緑の光を吸い込みどこかへと消し去る。
まさか異界の扉が開いた!?
今回の設計はこちらの世界からあちらの世界へと送り込む逆スパイラル!
アイミの声に気付かなかったらあたしの意志はその渦に吸い込まれて消え去っていたかもしれない!?
「アイミですの? ありがとう、助かりましたわ!」
『この光の中ならお話しできる! みんな頑張りすぎ! シコちゃん、押さえさせないと全部飲み込む渦になる!!』
アイミの切羽詰まった声に驚きあたしはシコちゃんに聞く。
「どういうことですの? シコちゃん!?」
『うーん、あいつらあんたに良いとこ見せたくて頑張りすぎているみたいね。誰が一番役に立つかって』
「精霊同士が争ってるっての?」
横にいたティアナがシコちゃんに聞く。
『そうね、主からの命令を誰が一番頑張れるかって争てるおかげで調和ではなく競争が始まってるわね。ちょっと待って、号令をかけてみる! 汝らの力見せてもらった! 沙汰あるまで控えよ!!』
シコちゃんの力ある言葉に上級精霊たちは反応を示さない‥‥‥
うそっ!?
さっきの言霊かなり魔力のせた命令に近いほどのモノだったのに!?
「し、シコちゃんこれってもしかして‥‥‥」
『うーん、暴走気味かも‥‥‥』
「あうっ!!」
やっちまったか!?
どうする??
このまま加速度的にスパイラル効果を拡大していけば飲み込むものだってどんどん酷くなっていくかもしれない!?
更に飲み込まれた先が何処だかまだわからないからきっとその先だってただじゃすまない!
早く落ち着かせなきゃ!!
「シコちゃん、ティアナ精霊たちを止めないといけませんわ!!」
「止めるったってどうしたらいいのよ!?」
『あたしが号令かけても言う事聞かないんだから、エルハイミが直に号令かけるしかないわね! エルハイミ、言葉に魔力のせてガツンと言っておやりなさい!!』
言って聞くもんなの?
とにかく今はシコちゃんの言うとおりにするしかない!
「汝ら我が声を聞け! そなたらの力十分に見せてもらった! 次の沙汰あるまで控えよ!!」
『なれど主よ!』
『私めが一番役に立っております!』
『何を言う我が一番役に立っている!』
『否! 主よ我が働きご覧あれ!』
ダメじゃん!!
どうしようこいつ等言うこと聞かないよぉ!!
黒い渦はどんどんその力を増していく!?
大きさもさっきの二倍はある!
『あー、やばいかも』
「シコちゃん他人事みたく言ってないでなんか方法ないの!?」
ティアナも横で焦りだす。
精霊たちは未だにいがみ合っている。
我がとか汝に何ができるとか仲の悪い事!
黒い渦もどんどん大きくなっていくよぉ~!!
あたしたちが頭抱えているとアイミが大声で叱責する。
『あなたたち! エルハイミの言うこと聞けないの!? ちゃんという事聞けないと先輩のあたしがエルハイミに言って悪い子左遷させるよっ!!』
ピタっ!
アイミの一括に精霊たちが動きを止める!?
あの黒い渦も何とピタッと止まっている!?
なに?
何が起こっているのよ!!!?
『せ、先輩とな!?』
『さ、左遷!?』
『せ、先輩、我は同族ですぞっ!!』
『先輩、何でも言ってくださいっす!!』
おい、最後の風の上級精霊なんか軽すぎるぞ!?
『アイミあなたたちより偉い! アイミ名前エルハイミからもらった! 上級精霊のネームド!! あなたたち言うこと聞か無いとエルハイミに言いつけるよっ!!』
『『『『あざーっすっ! アイミ先輩なんでも言いつけてくださいっす!!』』』』
ふんと言ってアイミは胸を張る。
え、えーと。
「シコちゃん?」
『よかったわね、暴走止まって。でもこれからを考えると中間管理者が必要ね。丁度アイミがいい感じで先輩面してるからお願いしたら?』
シコちゃんは軽い口調でそう言う。
あたしはアイミを見る。
ぴこっ!
耳をはためかせこちらを見ている。
何かを期待しているように見ている。
もう自分で自分を指さしてみている。
「はいはい、アイミこの子たちの事お願いしますわ。先輩として厳しくしつけてくださいですわ!」
『うんやる! アイミ頑張る! アイミ先輩!』
なんか元気に返事するアイミ。
『『『『よろしくおねがーしぁーっす!!』』』』
四大精霊も体育会系のノリでアイミの下につくこととなった。
いいのかそれで?
まあ、被害が無いならそれでもいいか‥‥‥
挨拶が終わった四大精霊はその後大人しく通常運転に戻る。
するとこのドームいっぱい包んでいたあの輝く緑の光も消えていつもの風景に戻る。
ぴこぴこっ!!
もうアイミの声は聞こえない。
でもあたしとティアナにはちゃんとわかる、アイミが何言ってるのか。
『で、アイミはなんて言ってるの?』
あたしはシコちゃんに向かって言う。
「『まっかせなさーいぃ!!』ですって!」
そしてとうとう四連型魔晶石核は出来上がったのだった。
「わが社の今後の運命はここにいる社員諸君にかかっている、諸君らの活躍に大いに期待する」
付け髭付けてあたしは四連型魔晶石核に訓示を言い渡す。
って、本当にこんなので稼働すんの、シコちゃん??
『まあ動かないでしょね』
おいっ!
じゃあなんでやらせた!?
「ではこれは何ですの!?」
『雰囲気づくりよ、なんとなくね』
そう言う冗談はやめてほしい。
思いっきり生前の会社思い出しちゃったじゃないの!
『さて、冗談はこのくらいにして始めましょうか?』
本気で冗談だったんかい!?
あたしは思わず付け髭をぺちーんと床に叩きつけてしまった!
「さっきから何やってんのよエルハイミ?」
ティアナが怪訝そうにあたしを見ている。
今回はこのドームでティアナはあたしの横にいてくれる。
前回のようにとんでもない物を呼び出す事は無いはずなのでティアナが横にいてくれるのは心強い。
向こうを見るとだいぶ離れた壁際に他の連中は退避している。
‥‥‥シェルの奴まで向こうか!!
あたしは今回もため息ついてから四連型魔晶石核に向かう。
「それでは始めますわ、ティアナ、万が一何かあったら私にかまわず【絶対防壁】を発動してくださいな。シコちゃん、行きますわ!」
そう言ってからあたしはシコちゃん経由で魔力を四連型に流し込む。
流石上級精霊の四連型、生半可な魔力では足らない。
あたしは回復したばかりだけど、かまわず魔力を注ぎ込む!
ぶぅんっ!!
魔結晶石が反応を始める。
ぶぅんっ!
ぶぅうんっ!!
ぶんっ!
すべての魔結晶石が動き出していた!!
さあここからだ!
「我が名はエルハイミ! そなたたちの主にして契約者也! 聞け我がしもべたち。我が望みを叶える為にその力示せ!!」
あたしはシコちゃんに言われた通りのセリフを呪文のように言葉に魔力を乗せ唱える!
と、各魔結晶石が輝きを増す!!
そしてあの輝く緑色の光があふれんばかりに広がる!
その広がりはなんとこのドームいっぱいに広がり精霊の声が聞こえてきた。
『地の精霊ここに』
『水の精霊参りました』
『火の精霊主の意のままに』
『風の精霊、お呼びにはせ参じました』
おおっ!!!?
流石上級精霊!
下級精霊とは訳が違う!
「すごい、これが上級精霊の声なのね?」
ティアナも驚いている。
『汝ら我が主エルハイミの声に従いこれより四霊の力を使い渦巻く混沌を作り出せ!』
シコちゃんの声に精霊たちは『御意』と言って魔結晶石の輝きを更に強くする。
それはこの輝く緑の光を更に濃厚にしてこの光の中にいる者たちの意識をつなぐ!?
あたしもティアナもそしてシェルもみんなつながる‥‥‥
誤解もエゴも全て通り越して分かり合えてしまう‥‥‥
いや、違う、これはあたしたちだけじゃない?
他の人の意志も分かる?
みんなあたしの中に入ってくる!!!?
「す、すごいこれが上級精霊たちの連結した力!?」
あたしの驚きの声になんとアイミが割り込む!?
『エルハイミ! だめ、飲み込まれちゃ戻れなくなる! みんなの力が強すぎる!! 意識を強く持って!!!!』
「あ、アイミ!?」
はたと気付き四連型を見るとそこには黒い渦が舞っていた。
貪欲に回転をするその渦は近くの緑の光を吸い込みどこかへと消し去る。
まさか異界の扉が開いた!?
今回の設計はこちらの世界からあちらの世界へと送り込む逆スパイラル!
アイミの声に気付かなかったらあたしの意志はその渦に吸い込まれて消え去っていたかもしれない!?
「アイミですの? ありがとう、助かりましたわ!」
『この光の中ならお話しできる! みんな頑張りすぎ! シコちゃん、押さえさせないと全部飲み込む渦になる!!』
アイミの切羽詰まった声に驚きあたしはシコちゃんに聞く。
「どういうことですの? シコちゃん!?」
『うーん、あいつらあんたに良いとこ見せたくて頑張りすぎているみたいね。誰が一番役に立つかって』
「精霊同士が争ってるっての?」
横にいたティアナがシコちゃんに聞く。
『そうね、主からの命令を誰が一番頑張れるかって争てるおかげで調和ではなく競争が始まってるわね。ちょっと待って、号令をかけてみる! 汝らの力見せてもらった! 沙汰あるまで控えよ!!』
シコちゃんの力ある言葉に上級精霊たちは反応を示さない‥‥‥
うそっ!?
さっきの言霊かなり魔力のせた命令に近いほどのモノだったのに!?
「し、シコちゃんこれってもしかして‥‥‥」
『うーん、暴走気味かも‥‥‥』
「あうっ!!」
やっちまったか!?
どうする??
このまま加速度的にスパイラル効果を拡大していけば飲み込むものだってどんどん酷くなっていくかもしれない!?
更に飲み込まれた先が何処だかまだわからないからきっとその先だってただじゃすまない!
早く落ち着かせなきゃ!!
「シコちゃん、ティアナ精霊たちを止めないといけませんわ!!」
「止めるったってどうしたらいいのよ!?」
『あたしが号令かけても言う事聞かないんだから、エルハイミが直に号令かけるしかないわね! エルハイミ、言葉に魔力のせてガツンと言っておやりなさい!!』
言って聞くもんなの?
とにかく今はシコちゃんの言うとおりにするしかない!
「汝ら我が声を聞け! そなたらの力十分に見せてもらった! 次の沙汰あるまで控えよ!!」
『なれど主よ!』
『私めが一番役に立っております!』
『何を言う我が一番役に立っている!』
『否! 主よ我が働きご覧あれ!』
ダメじゃん!!
どうしようこいつ等言うこと聞かないよぉ!!
黒い渦はどんどんその力を増していく!?
大きさもさっきの二倍はある!
『あー、やばいかも』
「シコちゃん他人事みたく言ってないでなんか方法ないの!?」
ティアナも横で焦りだす。
精霊たちは未だにいがみ合っている。
我がとか汝に何ができるとか仲の悪い事!
黒い渦もどんどん大きくなっていくよぉ~!!
あたしたちが頭抱えているとアイミが大声で叱責する。
『あなたたち! エルハイミの言うこと聞けないの!? ちゃんという事聞けないと先輩のあたしがエルハイミに言って悪い子左遷させるよっ!!』
ピタっ!
アイミの一括に精霊たちが動きを止める!?
あの黒い渦も何とピタッと止まっている!?
なに?
何が起こっているのよ!!!?
『せ、先輩とな!?』
『さ、左遷!?』
『せ、先輩、我は同族ですぞっ!!』
『先輩、何でも言ってくださいっす!!』
おい、最後の風の上級精霊なんか軽すぎるぞ!?
『アイミあなたたちより偉い! アイミ名前エルハイミからもらった! 上級精霊のネームド!! あなたたち言うこと聞か無いとエルハイミに言いつけるよっ!!』
『『『『あざーっすっ! アイミ先輩なんでも言いつけてくださいっす!!』』』』
ふんと言ってアイミは胸を張る。
え、えーと。
「シコちゃん?」
『よかったわね、暴走止まって。でもこれからを考えると中間管理者が必要ね。丁度アイミがいい感じで先輩面してるからお願いしたら?』
シコちゃんは軽い口調でそう言う。
あたしはアイミを見る。
ぴこっ!
耳をはためかせこちらを見ている。
何かを期待しているように見ている。
もう自分で自分を指さしてみている。
「はいはい、アイミこの子たちの事お願いしますわ。先輩として厳しくしつけてくださいですわ!」
『うんやる! アイミ頑張る! アイミ先輩!』
なんか元気に返事するアイミ。
『『『『よろしくおねがーしぁーっす!!』』』』
四大精霊も体育会系のノリでアイミの下につくこととなった。
いいのかそれで?
まあ、被害が無いならそれでもいいか‥‥‥
挨拶が終わった四大精霊はその後大人しく通常運転に戻る。
するとこのドームいっぱい包んでいたあの輝く緑の光も消えていつもの風景に戻る。
ぴこぴこっ!!
もうアイミの声は聞こえない。
でもあたしとティアナにはちゃんとわかる、アイミが何言ってるのか。
『で、アイミはなんて言ってるの?』
あたしはシコちゃんに向かって言う。
「『まっかせなさーいぃ!!』ですって!」
そしてとうとう四連型魔晶石核は出来上がったのだった。
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