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第三話:駄目だよ、私たち兄妹なんだよ?

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「それで、相手は誰?」

「同じクラスの加賀美結菜かがみゆなさんだ」

 かがみ……
 それってうちの高校で有名な美少女の加賀美結菜かがみゆな!?


「お、お兄ちゃんそれマジ?」

「おう、マジだ! クリスマスには彼女を誘ってホテルへ行くんだ!」

「いやマテ、いきなりホテルは無いでしょうに!! と言うか、私たちまだ高校生よ? そんなはしたない///////」


 お兄ちゃんはちょっと変わっている。 
 しかしいきなり女の子をホテルに連れ込もうだなんて!!

「しかし、モノの本にはクリスマスにホテルまで連れて行けば全てOK、あなたの人生はバラ色になるでしょうと書いてあったぞ?」

「だからどんな本よ!? いきなりホテルに誘うだなんて引くわ!!」

 駄目だ。
 こいつ早く何とかしないと……

「いい事お兄ちゃん、そう言う事は大人になってからの話。私たち高校生は清く正しく美しくよ? まずはお互いに親睦を深め、そして仲良くなって行き、最後に、キ、キスとか出来ればもう恋人確定よ?」

 腕組みしながら目をつぶり、人差し指を立てそう言う私の腰に何かが回される。
 驚き目を見開くと兄の顔が目の前にあった。


「こうか? むちゅぅ~」

「ぎゃーっ!! いきなりなにするよの!!」


 ばきっ!!

 
 思わず私はお兄ちゃんを殴り飛ばす。
 お兄ちゃんは私の鉄拳を受け、壁まで飛んで行ってぐしゃっとなってずり落ちる。


 どきどきどきどきっ!


 い、いきなりキスしようとか馬鹿じゃない!?
 ドキドキと心臓が鳴る中お兄ちゃんはのっそりとこちらに向き直り親指を立てて言う。

「な、ないすフック!」

「あー、もうっ!!」

 その後私はお兄ちゃんに正座させお説教をするのだった。  


 * * *


「ふう、それじゃぁまとめるけどクリスマスまでに告白をして同じ大学でラブラブのキャンパスライフを送るのが目的でいいわね?」

「ああ、できれば童貞卒業もお願いします!」


「そう言う事は自分で何とかしろぉ!!」



 変な所でブレないお兄ちゃんだったのだ。

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