48 / 50
第四章 みんな大好きデース!
4-16(土)由紀恵、一緒に寝るデース!!
しおりを挟む「由紀恵、一緒に寝てもいいデースか?」
日本での最後の晩御飯を食べお風呂に入り荷物もまとめたリンダは最後の夜を私と一緒に過ごしたいと言って来た。
「変な事しないならいいわよ?」
「しないデース」
「ん、じゃぁ一緒に寝よか?」
そう言ってパジャマ姿のリンダは枕を抱えて私の部屋に入って来た。
明日は駅まで見送ることになっている。
私は空港まで見送りをしたいと言ったらリンダは駅で十分だと言って来た。
その時の笑顔はちょっと寂しそうだったけどもしかしたら空港まで送っちゃうと気持ちが揺らぐのかもしれないのかな?
「お邪魔するデース」
「うん、どうぞ」
私はそう言ってリンダをベッドに呼び寄せる。
そして電気を消して二人並んで天井を見ながら眠る。
「‥‥‥」
「‥‥‥いよいよオーストラリアに帰っちゃうね?」
しばし無言だった私たちだけど流石にすぐには眠れない。
私は沈黙に耐えられず自分からリンダに話しかける。
「全くリンダには最初から最後まで引っ掻き回されたわよ? でもどうだった日本は?」
「とてもよかったデース。そして由紀恵や友也に会えて本当に良かったデース。ワタシ兄妹いないデース。ダディーもマミィーもとてもやさしいデース本当はもっとここにいたかったデース」
リンダはそう静かに言う。
そして布団を口元まで持ち上げてから言う。
「ワタシ小さな頃からJAPANにあこがれてましたデース。漫画やアニメの様に学校生活楽しかったデース。パースとも街が違って楽しかったデース。コスプレも出来たし聖地アキハバラにも行けたデース。とても、とっても嬉しかったデース」
「そっか、リンダはやりたい事、見たい事が出来たんだ。良かったね」
「でもデース‥‥‥」
リンダはそう言って私に振り向く。
「もっと素敵なものが出来たデース。由紀恵や友也たち日本でのファミリー出来たデース!」
そう言ってリンダは抱き着いて来た。
まさか、また胸のマッサージでもする気!?
一瞬驚きと身構えをした私だったけどリンダは私に抱き着きながら泣き出した。
「知らなかったデース! こんな気持ちになるなんてデース! 由紀恵が好き、友也も好きデース! ずっとずっと一緒にいたいデース!!」
「リンダ、あんた‥‥‥」
私は仕方なくリンダの金髪にやさしく手を置く。
そしてリンダが泣き止むまで優しく撫でてあげる。
「向こうに行ったってSNSやメールで連絡取れるじゃない? それにテレビ電話だってあるし。そうだ、今度は私がオーストラリアに行くよ! すぐには無理だけどアルバイトとかしてお金貯めていつかきっとリンダに会いに行くよ!!」
「本当デースか?」
「うん、約束する。そうだ、お兄ちゃんも一緒に行くってのどう?」
「大賛成デース! パース来たらワタシが二人を大歓迎するデース!! そして向こうでワタシの街紹介するデース!!」
リンダは思わず半身起き上がり私に覆いかぶさるように興奮してそう言う。
「はははっ、楽しみにしてるわよ。コアラも見てみたいし、カンガルーが街中を闊歩してるってのも見てみたいしね」
「約束デース!」
そう言ってリンダは小指を立てて指切りげんまんの準備をする。
「全く、何処でこんなこと覚えたのか‥‥‥ いつかきっとまた」
「絶対に会いに来るデース! 嘘ついたら針千本デース!!」
私とリンダは指切りげんまんしてまた二人並んで横になる。
そしてこの一ヵ月の事を思い出しながら話、何時の間にやら二人とも夢の世界へと行っていた。
二人仲良く手をつなぎながら。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説


今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

疲れる目覚まし時計
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
朝、僕が布団の中でまどろんでいると、姉さんが起こしに来た。
まだ時間が早いから寝ようとする僕を、姉さんが起こそうとする。
その起こし方がとても特殊で……。

選択肢に自分を入れたのが負け
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
夜、俺がのんびりとリビングで過ごしていたら、妹のマイがやってきた。
「にいさん、構ってよぉ」マイはそう言った。
じゃあ、何をするのかと問いかけると、マイは答えた。
「テレビにする? ゲームにする? それとも、わ・た・し?」

一宿一飯の恩義
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
妹のアイミが、一人暮らしの兄の家に泊まりに来た。コンサートで近くを訪れたため、ホテル代わりに利用しようということだった。
兄は条件を付けて、アイミを泊めることにした。
その夜、条件であることを理由に、兄はアイミを抱く。

とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。


俺の彼女はちょっと変
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
俺の彼女、アンナはちょっと変わっている。他人には言えない性癖があるのだ。
今日も俺はその変な要望に応えることになる。
さて、今日のアンナの要望は。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる