上 下
15 / 50
第二章フジヤマゲイシャスシテンプラハラキリデース!

2-4(日)お宝ざっくざっくデース!

しおりを挟む

 「あ、あれ知ってる! 昨日コスプレしたやつだ!」


 まずは駅前のビルに入る。
 最初からファンシーグッズの雑貨店みたいなところだったり、二階に行ってみるとフィギュアが所狭しと売ってたりしている。

 私たちはお店に入り色々見ながら先ずはこのビルを見て回る。
 紫乃の話だとこういったテナント形式のビルが沢山あってフロアーごとにお店が違うらしい。
 
 お店の中には可愛らしいフィギュアがぎっしり並んでいる。
 確かにちょっと欲しくなるようなものもある。


 あ、クロエのフィギュアだ!
 ううぅ~確かにハイキックしているけどあれじゃ下着丸見えじゃない!!


 私は昨日の事を思い出しまたまた赤面する。


 「OH-! エルハイミのフィギュアデース!! 欲しいデース!!」


 リンダはそう言ってその箱を手に取る。
 正面や左右、上からも中が覗けるその箱はフィギュアに対して結構大きい。

 「うーん、でもやっぱりいいお値段デース。これ買ったら他買えなくなりマース」

 「リンダちゃん、取りあえずはすぐ買わないでいろいろ見て回ろうよ。プライズ品だったらもっと安いの有るし~」

 「紫乃ちゃん、プライズ品って何?」

 私も気になった事をお兄ちゃんが聞く。

 「う~んと、UFOキャッチャーとかで景品あるでしょ? あれのフィギュアで最近のはなかなか出来がいいんだよ~。それがこう言ったお店でも買えるんだよ~」

 「景品なのに?」

 「うん、景品とってもいらない人がこう言ったお店に下取りしてもらうの。だから安く手に入る場合もあるんだよ~」


 つまりリサイクルって事かな?

 確かに今のUFOキャッチャーはなかなか取れない。
 いつもゲームセンターで見てても取れる気がしないからやらないけど、見ててほしいかなって思うようなものもある。


 「へぇ~、懐かしいのがあるね? これって私たちが小学生の時にやってたアニメだよね?」

 そう言って五人組の魔法少女のようなフィギュアを高橋静恵は覗き込んでいる。

 「こっちにも懐かしいの有りますよ!」

 矢島紗江はそう言ってその箱を持ってくる。
 中にはセーラー服っぽい戦闘服の様な物着てるお団子頭のツインテールの女の子のフィギュアが入っていた。

 「それ今アニメやってますよ~。続編ですけど~」

 紫乃が嬉しそうに説明する。
 そして矢島紗江の持ってきたのが現在のバージョンだとか。


 なんで一目でわかるのよ?


 「おっ、あのロボットアニメのフィギュアだ。へぇ~よくできてるね? この髪型なんか人形にしたら難しいと思うのにね?」

 お兄ちゃんも何か見つけたらしくそれを手に取ってみる。

 確かにあの髪型って絵で見てるときは違和感ないけど立体になると凄いわね?


 「OH-! お宝ざっくざくデース! ここは桃源郷デース! いや、エルドラドデース!!」


 やたらと感動しているリンダを引っ張って次のお店に行く。


 今度はリンダの言っていたガチャガチャのお店。
 しかし驚かされるのがビルのほとんどがガチャガチャのお店だと言う事!

 確かにビルにしては狭いけど一階から上の階までほとんどガチャガチャで壁が埋められている。


 「すごいデース!! これがガチャガチャデース!!」


 「確かにすごいわね。近所のショッピングモールにもこう言うコーナーあるけどここには遠く及ばないわね?」

 はしゃぐリンダにそのガチャガチャの機械一つ一つ見ている高橋静恵も驚いている。


 「うわっ! これって五百円もするんですか!!」


 矢島紗江がそれを見つけて驚いている。
 確かにガチャガチャで五百円は高い。

 「あーっ! これ欲しかったやつだ!! 俺やる!」

 そう言って下僕その一は五百円玉を取り出すけどお金を入れようとして止まる。

 「あれ? お金が入らない??」

 「あー、全部百円玉じゃないとだめなんだよ~。あっちに両替機あるよ~」


 なんかめんどくさい仕様ね‥‥‥


 下僕その一はさっそく両替機に行くけど紫乃に止められる。

 「太田さん~、もし欲しい物があるなら先に一番上のフロアー行こうよ~。ちょっと割高になるけどガチャガチャの欲しいものが買えるよ~。目的のモノが出るまでお金つぎ込まなくて済むよ~」

 「え? 本当紫乃ちゃん? じゃあ上行こうよ!!」

 「OH-! ちょっと待つデース、記念に安いの一回させてくださいデース!!」

 そう言ってリンダは百円のガチャガチャを回す。
 
 がちゃがちゃ‥‥‥
 
 がこんっ!


 球体のカプセルが出てきてそれを取り出す。
 リンダは嬉しそうにそれをそのままかばんに入れた。

 「あれ? 中身見ないの?」

 「これは記念デース! 後でゆっくり中見ますデース!」

 とにかく一回はじぶんでガチャガチャを回して見たかったようだ。
 ご満悦のリンダを筆頭にあたしたちは上の階に行く。


 * * *  


 「ほんとだ、さっき見たやつが売られている。へぇ~、あ、でもそんなに高くない?」

 「うん、ガチャガチャやっていらないのはここで買い取ってもらえるからここで売ってるのはそれほど高くないんだよ~」

 驚く私に紫乃が説明をしてくれる。

 「‥‥‥これは買い。まさか闇の武器コンプリートがこんなに簡単に手に入るとは」

 早速食いついて泉かなめはレジに行ったりしている。

 「俺も、俺もぉっ!」

 下僕その一もあれやこれや探してどうやら目的のものが買えたらしい。

 みんなそれぞれ買い物をしてここを出る。


 * * *


 「いやぁ~、凄かったデース! 思わずにゃんこのキーホルダー全種類買ってしまいましたデース!」

 「確かに、思わずこんなの買っちゃった」

 お兄ちゃんはそう言いながら袋からそれを出す。
 そして周りのビニールと取ってごそごそとすると‥‥‥


 「うわっ! お兄ちゃん何それ!? 気持ち悪いよ!! だ、ダンゴムシ!?」


 丸まったそれを開くとでかいダンゴムシのようになった。
 玩具なのはわかるけどやたらとリアルにできているそれは見ていて気持ち悪い!
 何あの足の数!?

 「そうかな? よく出来ているし何となくこの瞳がつぶらでかわいいと思うのだけど?」

 くにくにと動かしているけどその背中の動きもやたらとリアルで気持ち悪い!

 「長澤君変なの好きね?」

 「あ、でもなんとなく分かる気がしますね? 私も海洋生物のにミニフィギア買っちゃいましたもの」

 「‥‥‥それは深海魚のやつ」

 まあ、人それぞれの感性と言うやつかな?
 私はお兄ちゃんに言って気持ち悪いダンゴムシをしまってもらう。


   
 「さてと、じゃあちょっと早いけどお昼ご飯にしようか~。今ならまだ混まないだろうからね~」

 紫乃がそう言ってお昼ご飯の提案をしてくる。
 そう言えばそろそろお腹もすき始めた。

 「じゃあ何食おうか?」

 「紫乃、何がおすすめデースか?」

 「ふっふっふっふっふっ、ここに来たらカレーかローストビーフ丼だよ~!!」

 そう言って紫乃はお店を指さす。

 「カレーは昔から有名だけど近年はなんといってもローストビーフ丼だよ~。勿論他にも美味しいお店はあるけど私のおススメはローストビーフ丼かなぁ~」


 「へぇ、ローストビーフ丼ねぇ。なんか美味しそうね?」

 「赤み肉はたんぱく源多くて太りにくいですしね」

 「‥‥‥カレーは苦手」

 「肉っ! 俺も肉が良い!!」

 「だそうだけど、リンダちゃんそれでもいい?」


 お兄ちゃんがリンダと私に向かってそう言う。


 「勿論デース! 楽しみデース!!」



 私たちは早めの昼食を取りに行くのだった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

母娘丼W

Zu-Y
恋愛
 外資系木工メーカー、ドライアド・ジャパンに新入社員として入社した新卒の俺、ジョージは、入居した社宅の両隣に挨拶に行き、運命的な出会いを果たす。  左隣りには、金髪碧眼のジェニファーさんとアリスちゃん母娘、右隣には銀髪紅眼のニコルさんとプリシラちゃん母娘が住んでいた。  社宅ではぼさぼさ頭にすっぴんのスウェット姿で、休日は寝だめの日と豪語する残念ママのジェニファーさんとニコルさんは、会社ではスタイリッシュにびしっと決めてきびきび仕事をこなす会社の二枚看板エースだったのだ。  残業続きのママを支える健気で素直な天使のアリスちゃんとプリシラちゃんとの、ほのぼのとした交流から始まって、両母娘との親密度は鰻登りにどんどんと増して行く。  休日は残念ママ、平日は会社の二枚看板エースのジェニファーさんとニコルさんを秘かに狙いつつも、しっかり者の娘たちアリスちゃんとプリシラちゃんに懐かれ、慕われて、ついにはフィアンセ認定されてしまう。こんな楽しく充実した日々を過していた。  しかし子供はあっという間に育つもの。ママたちを狙っていたはずなのに、JS、JC、JKと、日々成長しながら、急激に子供から女性へと変貌して行く天使たちにも、いつしか心は奪われていた。  両母娘といい関係を築いていた日常を乱す奴らも現れる。  大学卒業直前に、俺よりハイスペックな男を見付けたと言って、あっさりと俺を振って去って行った元カノや、ママたちとの復縁を狙っている天使たちの父親が、ウザ絡みをして来て、日々の平穏な生活をかき乱す始末。  ママたちのどちらかを口説き落とすのか?天使たちのどちらかとくっつくのか?まさか、まさかの元カノと元サヤ…いやいや、それだけは絶対にないな。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

パワハラ女上司からのラッキースケベが止まらない

セカイ
ライト文芸
新入社員の『俺』草野新一は入社して半年以上の間、上司である椿原麗香からの執拗なパワハラに苦しめられていた。 しかしそんな屈辱的な時間の中で毎回発生するラッキースケベな展開が、パワハラによる苦しみを相殺させている。 高身長でスタイルのいい超美人。おまけにすごく巨乳。性格以外は最高に魅力的な美人上司が、パワハラ中に引き起こす無自覚ラッキースケベの数々。 パワハラはしんどくて嫌だけれど、ムフフが美味しすぎて堪らない。そんな彼の日常の中のとある日の物語。 ※他サイト(小説家になろう・カクヨム・ノベルアッププラス)でも掲載。

処理中です...