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第一章Hello日本デース
1-6(月)今日からよろしくデース
しおりを挟む昨日は私の知らない大人の世界を見てしまった。
それはそれは衝撃的であれらとお兄ちゃんのが頭から離れなくなってしまった。
わ、私ってそんなにエッチな娘だったの!?
そんな自己嫌悪で翌日の月曜日になってしまった。
既に手続きなどは全部済ませているリンダは本日初の桜川東高校に登校となるので今朝は朝から襲われる事は無かった。
「ふう、それだけは不幸中の幸いね。リンダのあれってちょっと気持ちいい‥‥‥ じゃ、じゃなくて、豊胸に効果がありそうだったから朝からやられると変な気持ち‥‥‥ じゃ、無くて、問題があるわよね‥‥‥」
既に着慣れた制服になり襟元を整える。
ばんっ!
「グッモーニン由紀恵デース!」
いきなりリンダが部屋に入って来た。
「今日は起きてるデース」
「当り前じゃない、今日から学校よ? お父さんから聞いたけど手続きは終わってるからそのまま私たちと一緒で大丈夫なの?」
「だいじょーぶデース! 私楽しみデース!!」
やたらと紫乃と息の合うこのへんてこ外人、本当に大丈夫だろうか?
不安を抱えたまま私はリビングへと行くのだった。
* * * * *
「おはよう~由紀恵ちゃん、リンダちゃん、友ちゃん~」
学校に行く途中紫乃と合流する。
「おお~、リンダちゃん制服似合ってる~」
「えへへへへ、ありがとデース! 制服は簡単ね、デース」
「曖昧三センチ?」
「何朝から分け分からない事言ってるのよ? リンダ本当に大丈夫なんでしょうね?」
「だーいじょうーぶぃ! デース」
にっこりと笑ってブイ字サインを出している。
うーん、本当に大丈夫だろうか?
今朝はリンダを職員室に連れて行くために早めに登校している。
「‥‥‥長澤君、おはよう」
びくっ!?
いきなり後ろから声をかけられて驚く。
「おう、おはよう泉!」
だめだ、泉かなめのこのステルス機能、何度味わっても慣れるものでは無い。
そんな泉かなめだったがリンダに気付いたようだ。
「‥‥‥誰この外人?」
「ああ、この子はリンダ、家に短期ホームステイしている子なんだ。今日からうちの高校に短期留学もするんだよ」
お兄ちゃんが泉かなめにそう紹介する。
「Hello、私リンダ・アンダーソン言いますデース! よろしくデース!」
「‥‥‥うっ、へ、へろぉ~」
泉かなめはしり込みしながら挨拶する。
うむ、うちの地区辺りではまだ外人は少ないからやっぱりそうなるわよね。
それでもリンダに掴まる泉かなめはぶんぶんと握手させられている。
そんなこんなで学校まで来て職員室にリンダを連れて行く。
そしてあとの事はお任せと先生たちにリンダを預けて私は自分の教室へと行くのだった。
* * *
「なんで?」
朝のホームルームが始まり担任の先生が教室に入って来たのだがその後ろに見た事のある外人がくっついていた。
騒がしくなる教室。
「ほらほら、席に着いて静かに! えー、今日からひと月弱の間だが留学生がみんなと一緒に勉強をする。交換学生のアンダーソンさんだ。それじゃ、みんなに挨拶して」
「はーいデース! 私は普通の人に興味ありませんデース!」
「いやいや、普通に頼むよ‥‥‥」
いきなり暴走を始めそうになったリンダを慌てて押さえる担任の先生。
途端に教室がざわつく。
「リンダ・アンダーソン言いますデース! オーストラリアから来たデース! 由紀恵は私の可愛い妹デース! 私の嫁デース!!」
ざわっ!
「なっ!? リンダ! 変な事言わないっ!!」
思わず突っ込みを入れる私を見て先生は思い出したように話し始める。
「ああ、長澤の家にホームステイしてたんだっけ。 じゃ、アンダーソンさんの事は長澤が面倒を見るように。席は‥‥‥ ちょうど長澤の後ろが空いているな?」
「えっ!? せ、先生、私が!?」
「そうだ。いろいろと教えてやりなさい」
まさか学校までリンダの相手しなきゃいけないの!?
リンダは私の席の後ろへ嬉々としてやって来る。
「由紀恵、学校でもよろしくデース!」
にこやかにそう言う彼女に私はただため息をつくだけだった。
* * *
ホームルームが終わり一限目の授業も終わった。
そして小休憩になるのだが‥‥‥
ガタガタっ!
ざわざわっ!!
休み時間になった瞬間に一斉に教室のみんなが集まる。
「ね、ね、長澤さんの所にアンダーソンさんホームステイしているの!?」
「アンダーソンさん、日本語上手ね!」
「長澤さんがアンダーソンさんの嫁ってどう言う事ですか!?」
「アンダーソンさん、さっきのって宇宙人とか超能力者とか未来人のよね!? もしかしてあっちでもアレ放送していたの!?」
「あ、アンダーソンさん、趣味は何ですか? ぼ、僕は写真とか好きなんです。良かったらモデルしてくれませんか!?」
みんなが一気に質問の嵐を浴びせてくる。
いや、クラスだけではなく視界の端には隣のクラスの人たちものぞき込んでいる様だ。
「うわぁ~、リンダちゃんいきなり大人気だねぇ~」
紫乃にそう言われリンダは嬉しそうに笑う。
またその笑顔がやたらと可愛らしい。
「えへへへへっ! リンダ感激デース!! みんなリンダと呼ぶデース!」
分かってはいた。
美少女で巨乳でへんてこ日本語喋る金髪碧眼の女の子なんて人気者にならないはずがない。
問題はそこへ私が巻き込まれていると言う事だ。
「長澤さん、リンダさんと一体どう言う関係なの!?」
「妹って何!?」
「あ、そう言えば長澤さんってこの学校にお兄さんいましたよね? 結構かっこいい人。紹介してくれませんか?」
「長澤さんってまさかそう言った趣味の人?」
主に女子を中心に私も質問攻めを喰らう。
「うわ~、由紀恵ちゃんも人気者だぁ~」
「紫乃茶化さないで‥‥‥ みんな、順を追って話すから落ち着いてよ」
「OH-! 由紀恵私の妹でネコミミで嫁デース! んちゅっ!」
私がみんなに説明を始めようとする前にリンダが後ろから抱き着いてきて私の頬にキスする。
きゃぁーっ!!
うおっ!
途端に周りから黄色い悲鳴や興奮する男子たちのうめき声が聞こえる。
「なになになに!? 本当にそうなの!?」
「すっげっ! リアル百合だ!!」
「生きててよかった、こんなかわいい子たちの百合が見れる何て!」
「きゃーっ! どっちが攻めてどっちが受けなの!!!?」
ああ、もう駄目だこりゃ。
私は死んだ魚のような目で周りの騒音にあきらめのため息を吐くのだった。
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