【R18】吾輩は気ままな猫である。〜気がついたら猫でしたが、とても悪くないです〜

3

「おはよう、カリー。」

「みゃあ」



おはよう、人間。今日はいつもよりはやいな？丁度良かった。まだネズミ朝飯を食べてなかったんだ。朝飯くれよ人間。




「.........なぁ、カリー？」



なんだ？今日は勿体ぶりたい日なのか？でも俺はお腹が減ったんだ。はやくくれよ人間。



「................俺の屋敷いえにこないか？」



んみゃ？



「美味しい魚も、おもちゃも、寝心地のいいベッドだってある。毎日もっと撫でてやれるし................」



なんだ、この人間。つまりは俺に飼い猫になれと言っているのだろうか。



「そうだ、いつも膝で寝てるのを中断させていただろう？それもなくなるぞ！」

ﾋﾟｸｯ

ふ、ふぅん？あの寝心地のいい、適度な弾力のベッドが使い放題か、悪くないぞ？


「それに、そろそろ冬だ。........外にカリーをおいておくのは心配なんだよ。」

ﾋﾟｸｯ


................よくわかってるな、人間。もうすぐ寒くなってくる。寒くなってくると、ネズミも見つからなくなる。............仲間たちが言っていた。暖かくなっても、出てこないやつらがでてくるって............。おそらく、そういうことだろう。........実は俺にとってはじめての冬だ。どれだけ厳しいものなのか、想像もできない。



正直、怖い。



「な、カリー............？俺の家においで....？可愛がるからさ。」



食料も、あったかい寝床もあるのか。
まぁ、春になって、もし嫌だなって思ったらすぐに野良に戻ればいいしな。別にな。可愛がられる生活も悪くないかもとかは思ってないからな？？生きていくために使えるものは使っていかないと、な。




........よし。




「に、にゃあ！」

「ん？どうしたい？」


あ、さすがに鳴いただけじゃ無理か。俺は『しょうがないなぁ』と思いながらも前脚を人間の膝に置いた。



「.............来てくれるのかい？」

「みゃあ！！」

「はは！そうか！来てくれるか！！よしよし。じゃあ早く帰ってご飯にしよう。あっ....近所のお友達に挨拶しなくて大丈夫かい？」

「みゃ。」


よく気の回る人間だな。だけど大丈夫だ。野良猫なんて自由気ままなもんだから。................冬にいなくなったやつらも、もしかしたら飼い猫にこうなってた可能性、あるんじゃないかな。




それよりはやく朝飯だ！！！！




「みゃあ！！！」