きっとこれはただの『アホえろ』ってやつだ。

3

え、なんかめっちゃイケボ聞こえた


そう思った瞬間にはもう落ちてく速度がすごくゆっくりになってた。

ふわふわと段々高度が下がっていって................そっと誰かの腕の中におさまる。


「.......あんな面白いこと叫ぶ割りに可愛い顔してんのな。」


茶髪で、ちょっとツリ目の、悪戯好きそうな、それでも少し野性味のある顔つきの青年。口角を片方だけあげて、そんなセリフを、しかもイケボで吐かれた日にはもう.................もう..........もう..................


「え、あ、好きです...........」

「は？」

あ゛～～～～なにいってんの私........あーでも目おっきくして驚いてるのもかっこいい可愛い好き～～～～～～～ｯｯ


「はは！！！ほんと面白いな！なぁ、あんた名前は？」

「野々崎寧々です........」

「ノノサキ？変な名前だな？ってかファミリーネームあんのか！？」

「あ、ネネ ノノサキ、です。名字....ファミリーネームってこっちでは普通無いんですか？」

「ネネか。ファミリーネーム持ちは貴族様くらいだな。...........お前まさかとは思うが、良いとこのお嬢だったりする？」

「全然！一般人です！................あの、質問重ねて申し訳ないんですけど、貴方は誰、ここはどこ..........？」

「ん？あぁ、俺はラウ。ここはアスラール王国、の端の森だな。」
 

あぁ...............漫画でよくある異世界転移ってやつですか...........？