【本編完結】朝起きたら悪役令息になっていた俺についての話。

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？？？side




俺には前世の記憶がある。



俺はゲイだった。でも別に生身の人間に執着してたわけじゃない。ただ単に女が好きになれなくて、性の対象が男だっただけだ。


そんな俺がハマっていたBLゲーム。『花の蜜に誘われて。』通称『ミツバチ』。
俺はこのゲームを全ルートやった。ってか全ルート周回した。好きすぎた。どのキャラクターのスチルも綺麗で、声もいい。



でも特に俺が好きだったのは.......。





久住宮 悠陽。悪役令息だ。




なんと言っても可愛い容姿。笑顔のスチルは皆無。絶対に邪魔をしてくるキャラなのに、どこか寂しげな表情。



可愛い。股間にクる。




どうにかして笑わせてあげたい。主人公が他のやつと絡むのが嫌で邪魔をするなら、主人公と君がくっつけばいい。そんなルートをずっと探して周回していたんだ。





............まぁ、そんなルートは見つけられずに酔っ払いの運転した車におもっきしはねられて死んだけど。








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俺の今の名前は蜂屋 快はちや かい。


『ミツバチ』の主人公だ。


魔法力の高さから良い家のおじさんに拾われた。元は一般人。高位の家と繋がりをもちたいっていう思惑からだろう。いいぜ。ノってやる。




なぁ。悠陽。このゲームは長男以外がすべて攻略対象だろ？




お前が攻略対象じゃないなんて、どこに書いてある？




俺が笑顔にしてみせる。




俺が、幸せにする。









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「そう思ってたのに、もう既に笑ってるんだけど。」




おかしいなあ。設定と違う。


........でもいいや。



「やっぱり、可愛い。」


前世から切望していた笑顔。それは天使のように可愛かった。その笑顔を俺に向けて。そんな他のやつになんて向けないで。



ドロドロとした感情。絶対に欲しい。これは前世からの執着心だ。





俺は主人公だよ？
絶対にものにしてみせる。