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風磨side




僕は今日、天使に出会った。






適性の儀の後、ある程度力のある家が今月は多かったんだろうね。立食パーティが開催されたんだ。僕達のため、というより大人のための。僕達、まだ8歳だからね。無理だよ社交なんてさ。


まぁでも気の合う友達も出来るかもしれないし、可愛い女の子もいるかもしれないしね。


そう思ってパーティ会場をぐるぐるしてたんだ。



「お父様ー?入らないのー?けーき.......」


自分の父親であろう人を一生懸命引っ張っている子がいるなとは思ったんだ。その時は後ろを向いていたし、なんだか華奢な身体してるなー、くらいだった。


「入らないの?」


振り返るまでは。


「え?」


目の端に涙を浮かべたその子は、正しく天使だと思った。


可愛い........。


「は、はいりたいんだけど、お父様が........」

「あ~.....。いいんじゃない?どうせ入らないといけないのに渋ってる感じなんでしょ?」


自分の世界に入ってすぐには出てこられそうにないし。こんな天使を放置する方が危険だ。



「たぶん。」

「いいよいいよ。いこ?ケーキ美味しいよ?」


僕まだ食べてないからたぶん、だけど。


コクン、と頷いた君は、可愛かったな。






┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈




「ふ、ふわぁ......!おいひぃ......!」


んまんま、と言いながら食べる君は本当に可愛くて。


「ふふっ、君本当に美味しそうに食べるね。ねぇ、名前なんていうの?」

「んむ、悠陽」


はるひ、か。名前まで可愛いんだな。


「はるひ、か。よろしくね。僕は風磨。」

「ふーまくん。よろしくね。」






僕は見逃さなかった。小さくハッ、と何かに気づいた顔をした後に.......。


「え、へへ!」


と、すっごく嬉しそうに笑ったこと。




多分一生、忘れないと思う。

















┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈




「悠陽!!」

「あ、お父様!」

「君、悠陽と一緒にいてくれてありがとうね。」

「いえ。ただ........天使をおいて自分の世界に入るのは如何なものかと。誰かに攫われてからでは遅いですよ。(ボソッ)」

「!!!!    ............すまない。肝に銘じよう。助かった。」

「いえ。僕とはるひの仲ですから。貴方は久住宮様ですね?僕は美桜 風磨みざくら ふうま。美桜家の次男です。今度はるひに会いに行きたく。どうぞよろしくお願いします。」

「美桜........。.........悠陽?風磨くんと遊びたいかい?」

「ふーまくんとあそ.......びたい!!!遊ぶ!!!!来て!!!待ってるね!!!」

「................わかった。そちらの家へは私から連絡を入れておこう。」

「ありがとうございます。.......またな?はるひ。」

「うん!またね!ふーまくん!」












可愛い可愛い天使。きっと、いや、必ず、僕のものにしてみせる。



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