【本編完結】朝起きたら悪役令息になっていた俺についての話。

しゅ

文字の大きさ
上 下
7 / 52

7

しおりを挟む






ついに、きてしまった......。


コンコンコンッ

「奥様と悠陽坊っちゃまが参られました。」


緊張する.......。思わずお母様にすがりつく腕の力を強くした。


「大丈夫よ。悠陽。大丈夫。」


お母様の声と、背中をぽん、ぽん、と叩くそのリズムで少し落ち着いた。


ガチャ........


「悠陽...........。」

「お、にいさま......。」


心臓がバクバクしている。嫌な顔されたら?怒鳴られたら?無視、されたら?そんなことを考えたら、もう止まらない。


じわぁ......。
「う゛っ......、やぁ.....!おにいさま、きらいにならないでぇ.....っふえぇぇぇぇぇ......っ」


あぁ.....泣きすぎだとどこかで声がするけど、ダムは決壊してしまっている。


「ッッ!!!悠陽!!大好きだよ!!お兄様は悠陽が大好きだ!愛してる!!寂しい思いをさせてごめんッッ  ..........泣かないで.........。」


突然のお兄様の悲痛な叫び声にびっくりして思わず涙も止まった。


「...........ほ、ほんと?ぼくのこと、嫌いじゃない..........?」

「大好きだよ........ッ」

「ま、また、ぼくのこと、ぎゅって、してくれる?」

「あぁ......。いつでも。」

「ぼくを、無視しない......っ?」

「しない!!......俺の天使。おいで?久しぶりにお兄様に抱っこさせて?」

「...........ほんと?」

「ほんと。お願いしてるのは俺だよ。」


抱っこ、してくれるの?


「...........おかあさま......。」

「え~、私ももっと悠陽を抱っこしていたいのに.........」


そう言いながらも、お母様はぼくをお兄様の膝にのせてくれた。


「..........悠陽。俺の天使。もう絶対に、君を曇らせない。」


強く強く抱きしめられたぼく。うれしい!うれしい!...........く、くるし.....。お兄様、苦し...........。


「きゅぅ.........」パタリ

「わーーーー!!!悠陽ごめん!!!!」




さすがに苦しかったかなぁ........。
でも、よかったぁ.......。




そう思いながら、意識を失った。





しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

弟勇者と保護した魔王に狙われているので家出します。

あじ/Jio
BL
父親に殴られた時、俺は前世を思い出した。 だが、前世を思い出したところで、俺が腹違いの弟を嫌うことに変わりはない。 よくある漫画や小説のように、断罪されるのを回避するために、弟と仲良くする気は毛頭なかった。 弟は600年の眠りから醒めた魔王を退治する英雄だ。 そして俺は、そんな弟に嫉妬して何かと邪魔をしようとするモブ悪役。 どうせ互いに相容れない存在だと、大嫌いな弟から離れて辺境の地で過ごしていた幼少期。 俺は眠りから醒めたばかりの魔王を見つけた。 そして時が過ぎた今、なぜか弟と魔王に執着されてケツ穴を狙われている。 ◎1話完結型になります

悪役令嬢のモブ兄に転生したら、攻略対象から溺愛されてしまいました

藍沢真啓/庚あき
BL
俺──ルシアン・イベリスは学園の卒業パーティで起こった、妹ルシアが我が国の王子で婚約者で友人でもあるジュリアンから断罪される光景を見て思い出す。 (あ、これ乙女ゲームの悪役令嬢断罪シーンだ)と。 ちなみに、普通だったら攻略対象の立ち位置にあるべき筈なのに、予算の関係かモブ兄の俺。 しかし、うちの可愛い妹は、ゲームとは別の展開をして、会場から立ち去るのを追いかけようとしたら、攻略対象の一人で親友のリュカ・チューベローズに引き止められ、そして……。 気づけば、親友にでろっでろに溺愛されてしまったモブ兄の運命は── 異世界転生ラブラブコメディです。 ご都合主義な展開が多いので、苦手な方はお気を付けください。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

【完結】婚約破棄したのに幼馴染の執着がちょっと尋常じゃなかった。

天城
BL
子供の頃、天使のように可愛かった第三王子のハロルド。しかし今は令嬢達に熱い視線を向けられる美青年に成長していた。 成績優秀、眉目秀麗、騎士団の演習では負けなしの完璧な王子の姿が今のハロルドの現実だった。 まだ少女のように可愛かったころに求婚され、婚約した幼馴染のギルバートに申し訳なくなったハロルドは、婚約破棄を決意する。 黒髪黒目の無口な幼馴染(攻め)×金髪青瞳美形第三王子(受け)。前後編の2話完結。番外編を不定期更新中。

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた

やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。 俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。 独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。 好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け ムーンライトノベルズにも掲載しています。

究極の雨男で疎まれていた俺ですが異世界では熱烈歓迎を受けています

まつぼっくり
BL
ずっとこの可笑しな体質が嫌だった。でも、いつかこの体質で救える命もあるんじゃないかと思っていた。 シリアスそうでシリアスではない 攻 異世界の虎さん✕ 受 究極の雨男 ムーンさんからの転載です

処理中です...