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7.10の質問
しおりを挟むーーーーー15分後ーーーーー
「................まとまったか?」
「ンッンッ、ウエッホン! ................まず、お前の質問に答える前に、俺達からお前に質問をしなければならない。」
「..................なんだよ。」
『何、早く答え聞きたいんだけど』という顔になってしまうのは許して欲しい。
「簡潔に答えなさい。」
おい、英語のリスニングテストの音声みたいな声出すのやめろや。無駄に似てるし。
「返事は!」
「................はぁい.............」
「質問1。友情とは?」
「............は?」
「いいから!!簡潔に!!」
「............お前らと俺の間にあるやつ。」
「「「平太.........!!!泣」」」
「い、いいから!!」
「エッホン!質問2。恋情とは?」
「え...........?い、いや....なんかこう可愛いなとか思って?きゅ、キュンとか?し、しちゃったりするやつ???」
「........質問3。キュンとは?」
「はぁ.....!? いや、だから、なんか好きな相手のなんか、可愛いところとか様子をみて、なんかこう、刺さると言うか?胸が締め付けられるというか?そんなやつ.....じゃないのか???」
「質問4。胸が締め付けられるとは?」
「えぇぇ........?な、なんか、ぎゅ、ギュウ、というか、ギュッというか..........」
「質問5。さっき平太が言ってた、『キュッってなったり、ギュッってなったりする』ってのと比較して違いは?」
「.......................」
「「「深く考えない!直感で!!」」」
「ち.............」
違わない....................気がする?
「え、え、じゃあさ、じゃあさ?なんで喋れなくなるの??後離れてもギュッってなるのは???」
「照れくさいんじゃないの?」
「寂しいんじゃないの?」
「..........................」
「質問6。今そこに梓が手を広げて立っているとします。どうする?」
「え、とりあえず近寄るだろ??? んで.......................」
ぎゅ、ってしかえしてしまいたいけど、なんか躊躇う..........かも。
「ん~......じゃあ、質問7!ここに赤井(クラスメイト)がいるとします。「平太~♡」と走りよってきて、チュッチュとほっぺにキスをしたとします」
「殴ります。正気に戻します。SAN値チェックをします。」
「質問8。俺、もしくは俺達がお前の唇を奪おうとしま」
「殴ります。正気に戻します。SAN値チェックをします。」
「................質問9。梓がお前にキスをしようとしています。どうしますか?」
「殴っ...............................」
殴る、かもしれない。でもそれはきっと.................
「質問ラスト。赤井、俺達、梓。平太が思わずしてしまう対応として、違っていたのはだぁれ?」
「.......................」
「それが答えじゃない?平太。」
流石にそこまで言われたら、俺にだって言われた意味の察しはつく。
ぐるぐると考える。
梓に腰曲げて表情伺われても、頭撫でられても、髪の毛耳にかけられても、口拭われても、膝抱っこされても、ギュッとされても、使用済のリップ塗られても、チュッってされても、嫌じゃ、ない。嫌じゃ........なかった。
今、梓にキスされたら、きっと........受け入れて、それから、殴る。それも、照れ隠しで。
「平太が言ってたやつ、全部梓関係だもんね。」とか、「大人になったねぇ.....平ちゃん.......(グスン)」とか、「感慨深いねぇ........」とかなんだか聞こえるような気がするけど、俺にはもう気にする余裕もない。
ぐるぐるぐるぐる、同じ事を繰り返し繰り返し。反芻するみたいに、ぐるぐるぐるぐる。
「............平太、目ぇ回ってね?」
「へ、平太ぁ........ってあっつ゛ぅ!?」
「やばい!!こいつ知恵熱だした!!!!!!」
ギャーギャーバタバタ遠くの方で聞こえる気がする。
俺、梓の事................。
ここ数日悩んでいた事への結論が出た瞬間、俺の意識は真っ暗なお湯の中にふわふわと沈んでいった。
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