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断罪の公爵令嬢

数年後。

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身を守るための闇魔法を成功させてか早2年が立ちました。
わたくしはこの2年で欠落していた記憶や礼儀作法をすべて復活させました。せっかく記憶を持って時間をさかのぼったのですからね。当時の記憶を頼りにしてものすごい頑張りました。おかげで天啓の前に当時の知識や礼儀作法はもうバッチリになりました。
先生子お墨付きももらいましたよ!
おまけに身を守るための魔法も身に着けています。頼りになるリヤンたちもいますしね。私自身も体を鍛えました。ムキムキではありませんよ。でも、そこらの令嬢よりは体力はあると思います。
天啓を受ける10歳までは、社交界にも顔を出せないので、個人の催すお茶会に令嬢を少数呼んだりするくらいです。 
でもその天啓もあと3ヶ月でやってきます。
私の運命を決める天啓。どうか前の生とは違う役になりますように。

そうそう、今日は魔法の練習とパパとの訓練と先生との勉強をします。ハードスケジュールです。
魔法はこの数年間で使える属性はすべてマスターしましたよ。

『最初は闇から…』『次はわらわの無な!』
『次は水だよ!』『その次は火です。』
『最後なのは悔しいですが…氷ですわよ!忘れないでくださいませ!』
最近新しく氷の上級精霊さんも私と一緒にいるようになりました。名前はアズールです。
では、まず初めに闇魔法を。ここ数年の訓練で魔法はほぼなんでもできます。今日は一番極めていて極めたい魔法を練習します。 
まず魔力を体に覆わせて…
防御の魔法です。わたくしに害のあるありとあらゆるものから守ります。まぁ、この魔法より強力な攻撃なんかは防げませんが。
場合によっては亜空間に吸い込む仕組みです。
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その次はまたまた魔力を体に覆わせます。
無属性の身体強化です。これが逃げるときなんかに役に立ちますからね。
闇魔法と違って私の体に覆うんではなくて、体に干渉するところが違います。そして難しいです。
体に干渉するんですから当然リスクは高いです。失敗すると体に影響が出ます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次は水属性です。記憶をたどる魔法をやります。
これは犯人なんかを突き止めたりするときなんかに役に立ちますからね。
水には記憶をたどることのできる性質がありますからね。水に直接問いかけるんです。素質がないとできない固有の魔法らしいです。わたくしはなんでできるのでしょうか?魔力を集めて水を召喚して問いかければ頭に答えを映し出してくれます。
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次は火です。火は単純に攻撃として使います。
今練習しているのはファイアーアローです。
魔力を練って火の矢を作るんです。ボールより早くできますし細かい動きをつけられます。それに火のダメージと物理でのダメージを与える事ができるんです。連発も可能です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 
最後に氷ですね。
氷はわたくしのオリジナル魔法を練習しましょう。
辺りを凍らせる魔法です。わたくし以外の指定した範囲の時間が止まるんです。時間が止まる原理はいまいちわからないのですが、どうやらわたくし固有の能力みたいです。いまいち詳しいことはわかっていません。
魔力を練って、それを地面に指定した範囲まで凍らせる。そうすると地面からの冷気で大気まで凍る、といわけです。これは魔力が満タンでも半径100メートル以上は2回発動できるかできないくらい魔力を消費するので、半径30メートルでやります。これくらいだったら別の魔法を練習したあとのわたくしでもあと4回は発動できます。さあ、練習です!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「来たか。」「はい。」
今日は屋敷の周りを3週、腹筋100回腕立て伏せ50回です。一番最初の時と同じようなハードな訓練ですが、わたくし、ここ数年頑張ったんですよ!これを3時間でこなせるようになったんです。
そういえば地下室の件は無事創作が完了しました。わたくしが色々取り除いてしまったので、家のことがわかるようなものは、残っているのかな?と心配だったのですが、その心配は杞憂だったようで、沢山新しいことが知れたそうです。その中にあの花園のことも入っていました。なんでも、風の精霊王様が恋した1代目が、その風の精霊王様のために作った花園だったそうです。
あの時の声は、風の精霊王様のものだったのでしょうか?
この事は4代目様にはわからないそうで、1代目様の霊にもあったのですが、教えてはくれませんでした。
よほどの思い出なのでしょうね。
忙しくてあれからあの花園にも行けていませんし…いつか必ず確認しましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
先生との勉強の時間です。
「今日は社交界での礼儀作法のおさらいをしますよ。」
社交界での礼儀作法ですか。それならドンと来い、です!
まず、背筋を伸ばしてスカートの裾を持ってしっかり下を向いてお辞儀をします。笑顔は常に貼り付けて!
振る舞いはしとやかに。
「とても素晴らしいです。何というか、ツッコミどころがなかなか見つかりません。しかし、笑顔と一緒にしゃべるときの声が少しわざとらしかったように感じました。」
先生には頭が上がりません。本当にいろいろな意味で。この人が本当の家族だったらいいのになぁ、と何度思ったことか。わたくしには先生が母親に見えて仕方がないのです。違うとわかっているのに不思議ですね。
それにしても、また指摘をされてしまいました。かなり良くなったと思ったんですけれど。前の生での知識はあっても体は子供のわたくしですから、努力はしないといけません。まぁ、子供という特権(覚えの良さ)がありますから前の生よりは早く覚えられています。
というかそうでなかったら今のわたくしの礼儀作法はありませんからね。
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ここ数年の変わったことはそれくらいです。
あとは、ガレナが少しかっこよくなりました。
おどおどした感じを見せることが少なくなってきたんです。
(お主の鈍感さは…)(ガレナ大変だねー!)
(笑)(みんなひどい!僕がユリア様の事好きなの知ってるくせに!)
そんなことを精霊たちが話しているとは知らず、
ユリアは喜びに浸っていた。
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